モモヤ 様
ご回答、誠にありがとうございます。ふた月くらいはしばしば返信が来ていないかチェックしていたのですが、半ば諦めていたところでしたので、飛び上がるほど嬉しかったです。
本題に移ります。
配布されていたプロット
用のフォーマットに沿って作成したものを用いて作ったものですので、説明不足や指定の文字数に収まらない所を沢山削ってしまいました。
自分用のプロットシートそのままで投稿してしまったのがそもそもの間違いだったと思います、申し訳ありません。
ひとつひとつ、解説しつつ補足していけたらと思います。
○プロット
プロローグ
《最強の軍事国家、ベナレート連邦共和国の精鋭、第一機動艦隊。北方大洋で の追撃戦にて予想外の敵に遭遇した艦隊は、歴史的な大損害を被る。
機兵通信士《ベンディガー》の少尉、ヘルカ・メクィチは、その日9人目の部下を失う。 自分の心を守るために戦争を「仕事」と割り切り、冷徹を装うことに徹して いたヘルカだったが、いよいよその重圧に綻びが生じ始めることになる》
・戦後にヘルカが書いたというていで独白として描きます。
・機兵や機兵母艦、ベンディガーやヘッツァーという概念も、名前で出てきます。
・ここでの敗北は、追撃戦の途中に、潜伏していた敵のエースが含まれる大艦隊を見落としたことが原因です。
・こちらがヘリのようにローターで飛んでいるところを、敵のエース機はジェットエンジンで飛んできます。突然、味方と敵で技術の差が開くことになります。
起:メインのエピソード
《部下の死を遺族に直接伝えたのち、母艦の修理の間休暇に入るヘルカ。親代わりとして彼女を見守ってきた艦長、ランブラン大佐に呼び出され、隠してきた心のうちを打ち明けたヘルカに大佐が用意していたのは、海軍の機兵戦力を大幅に再編する計画の草案だった》
・重要な役回りでは無いので登場人物には含みませんでしたが、一応ヘルカを気にかけている同僚などとのやり取りがあります。
・ベンディガーがどういう仕事なのか、ここまでの間に会話の中で分かるように描きます。
・ランブランとの関係性も、ここまでの間にハッキリとさせます。ランブランは、海軍戦力の強化の必要性と、ヘルカの心身を心配しての措置としてこの判断を取ります。
・ランブランはヘルカの才覚を見抜いており、人々を導く存在になれると確信しています。それを本人にも伝えます。
《計画の手始めとして、デリンネビュラの艦載機隊を再編を任されたヘルカは、研修のために陸の激戦地、南方戦線へと飛ぶ。
『いい声だね。君が僕の機兵通信士かい?』
大佐が外部顧問として用意したのは、陸軍随一のエース、機兵操縦士《ヘッツァー》のスノウマンだった》
・ここでの実地研修で、ヘルカは海軍と陸軍での機兵の扱いの違いを学んでいきます。
・スノウマンはヘルカとは対称的なようで、よく似た性格の人物です。スノウマンからの積極的なコミュニケーションを通じて、お互いを深く知っていきます。ここから、書面だけでは構築できない人間関係をヘルカは学びます。
・声を褒められるのは、結末へと通じる一本の柱になります。
※尚、現在書き上げた本文はここまでです。
《彼との出会いをきっかけに、彼女 は自分が戦う理由、自分の価値と向き合うこととなる。 スノウマンとヘルカの共同作業でドクトリンを構築していく中、その絆は 徐々に強固なものになっていく》
・陸軍における勝利を祝う宴会において、ヘルカは嫌々ながらも幼い頃に歌った歌を歌わされ、周りを驚かせることになります(非常に重要ですね、書くべきでした)
・この時歌う楽曲は、現実にも存在する『エーデルワイス』という民謡。
・この経験から、ヘルカは軍人としての価値以外の自分の存在意義を考えるようになります。
・実力があると分かれば温かく迎えられる文化は海軍には無いもので、ヘルカは『戦友』という概念を知ります。
・ここまでの間に、ヘルカはスノウマンに心を開いていきます。自覚していない恋愛感情。
転1:物語の真相など
《新たなドクトリンは完成間近。実地での試験運用を重ね精度を上げていく 中、敵の義勇連合所属の精鋭部隊が現れる。
不気味なエース、ナヴィクとの 死闘の末、盟友連合は近々大規模な攻勢を目論んでいること知る》
・初めての強敵との戦いです。ここで、プロローグでの海戦で負けた原因が見えてきます。ステルス技術や垂直離着陸の技術を有した新月艦隊の存在が仄めかされます。
・ナヴィクは小物です。相手から無線を繋げてきて、彼が泣き喚きながら戦う様子を描きます。彼が所属するナジア教主国という存在も、これ以降ほとんど出てきません。
《ドクトリンの完成を急ぐため、スノウマンとともにデリンネビュラへと戻るヘルカ。最終実戦試験の戦場として、制海権の奪取を目的とした、巨大な沿 岸砲台陣地の攻略戦が選ばれる。
リュドミラら敵のエースによる想定以上の抵抗に見舞われるものの、新たな戦術は確かな効果を発揮。異例の戦果を認められ、海軍を挙げての計画へと昇華される》
・新しい戦術というのは、大まかに言えば適材適所として機兵を陸戦兵力としての運用に限定すること。ようは海兵隊や陸戦隊のようなもの。
・ヘルカとスノウマンの信頼関係はここまでの間に完璧に近くしたいです。恋愛感情……もお互い持っていてもいいと思います。
・リュドミラもやはり、ナヴィクのようにあっちから無線を繋げてくるタイプの人物として描きたいです。大義など無く、ただ戦いを楽しむ無法者まで引っ張り出すという、盟友連合のなりふり構わなさを描きたいです。
《汽車で昇任伝達式に向かったヘルカとスノウマン。しかし、遅れて向かうつ もりで軍港での残務に当たっていたランブランは、軍港へのフランキア海軍の精鋭、新月艦隊の奇襲に遭い戦死。なんとか機兵部隊による迎撃は成功す るが、デリンネビュラも大破着底する》
・柄にもなく心底浮かれていたこと、今までの部下の死とランブランの死で、その重さに差を感じたことに、ヘルカは深く後悔と自己嫌悪の念を抱きます。
・ここでも、ヘルカを精神的に支えるスノウマンを描けたらと思います。彼女が拠り所にするものが、スノウマンへと移り変わります。彼女は根本的に、父性を求めている人物であることが分かるように描きたいです。
・本格的に、タウンゼントやフュンクが所属する新月艦隊がライバルとして存在感を増していくように描きます。
・後述しますが、この国では鉄道インフラは軍用の一部を除き未だに汽車が使われています。日本最後のSLが引退したのが1975年と、ジェット機やミサイル、ディーゼルエンジンなども実用化された時代らしいので、まだ大丈夫かなと思います。
転2:事件をどう解決するか
《盟友連合の一大攻勢はいよいよ現実味を帯び、数年以内に実行されることは 確実だった。
危機感を持った軍務は、特例として大佐のヘルカに将官級の大 きな権限を与える。ヘルカは、敵の攻勢に抗うための陸海空の垣根を超えた大軍団「エーデルワイス連合軍」の創設に大きく寄与。新しい機兵母艦、戦闘管制艦ノイ・デリンネビュラの艦長として前線に立ちながら、スノウマン をはじめとする部下たちとともにとともに決戦に挑む》
・悲しみにくれるヘルカを待たず、状況は刻一刻と変わる緊迫感を描きたいです。ここで立ち直らせるのは、スノウマンの役目かと思います。
・ヘルカとスノウマンの明確な恋愛感情を描くとしたら、ここらへんで描きたいです。
・艦長及び総司令官として戦場に赴くため、初めて彼女はスノウマンのベンディガーを降りることになり、彼の動向を知る手段は無くなります。この時彼を任せるのは、最序盤に登場した同僚です。
・皮肉にも、ヘルカの能力はここで一番輝きます。ベンディガーの経験は、そのまま艦隊及び軍を指揮に活かします。結局のところ彼女はベンディガーの役割に甘んじる器ではないというランブランの思いがここで回収されます。
《戦いは厳しいが、全軍に向けた放送でヘルカは歌を歌い、鼓舞された兵たちは敵を押し返し始めた。 激戦の末、戦いは終わりを迎える。しかし失ったものは大きく、スノウマン の乗機も人知れず沈黙していたことを後日知らされる》
・歌うのは『エーデルワイス』です。
・ヘルカが歌う段階ではスノウマンはまだ生きています。ヘルカも、彼に届いたかどうかを気にする描写を入れたいと思います。
・今更少し迷っているところではありますが、楽曲『エーデルワイス』は名作ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』では平和的な抵抗として用いられています。それをこのように使うのはナンセンスだったか、と思うのですが、気にしすぎでしょうか……。
結:エピローグ
《戦力を使い果たした盟友連合との戦争は終わりを迎え、中央大陸はベナレー トによる安定した統治による統一の時代を迎える。
救国の英雄、ヘルカは戦後に退役。歌手として第二の人生を歩み始める》
・物語の〆かたとしては、ラジオにてインタビューを受ける形で歌手になったその後を描く形にしたいと思います。
・ヘルカは自身を英雄だなんて思っておらず、スノウマンから与えられた価値を無駄にしないように生きる一人の人物として生きる、としたいです。
①《ベンディガー》の概要
まず、主人公が所属する国家において、ベンディガーは海軍にのみ存在する兵科です。
○どこから:機械化猟兵(以降、便宜上《機兵》と呼称します)の運用専用の母艦から。
○どのように:管制機(航空機)と機兵自体にに搭載されているカメラの映像、母艦に搭載されているレーダーの映像を観測しながら、無線通信を用いて。
○なんのために:機兵操縦士の支援のため。
機体に搭乗しないだけでコパイロットのような存在です。人的資源を可能な限り保全しなければならない国家の都合と、機体の小型軽量化によって母艦に搭載できる数を増やすなどの理由からそうしました。
仰る通り、通信技術が発展途上だったかつては管制機に搭乗して上空から管制していましたが、そうすると管制機に搭乗できるベンディガーの数に制限ができてしまいます。それに、管制機が撃墜されるなどのリスクがあるので、このように発展していきました。
○細かなご指摘について
・通信のラグについて
もちろんあります。その通信ラグまで想定した上で秒単位の指示ができるため、主人公ヘルカの能力は地味ながら驚異的なものとして演出できます。
・死を揶揄われる矛先について
部下がエースになったのはヘルカの指示だけではなく、彼女による教育によって操縦士自身の能力が向上している面が多大です。
ヘルカはそれらを自身の手柄として認識していないので、公表することもありません。一部の上司や死んでいった操縦士自身だけが認識しており、それを知らない者たちの目には「優秀な担当パイロットを次々死なせているベンディガー」として映っています。
○わざわざロボット兵器を使う理由
まず、例として《スノウマン》が初期に搭乗する機体の諸元を提示します。
・IV号機兵 F型(フィーネ・フルクァート)
全高:7.8m
空虚重量:30t
動力:2,160馬力ディーゼルエレクトリック![](//ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=raitonoverusa-22&l=am2&o=9&a=B00IGNOBXA)
最高速力:120km/h
加速:0-100km/hを5.6秒で達成
ジャンプ能力:6m
活動時間
通常運用:約3.0時間
巡航運用:4.2時間
高機動戦闘:1.8時間
最大航続距離:360km
装甲:30mm砲弾の複数直撃に耐えられる程度
飛行ユニット:二重反転ロータ
武装
・40mm機関砲
・散弾銃
・撃発式杭打機(パイルハンマー)
・ミサイル等追加のペイロードを搭載可能
・12.7mm機銃(固定)
設定上、過去の戦争で威圧の為だけに試作した人型兵器がたまたま大きな戦果を挙げ、周辺諸国や敵国も真似して対抗し始めたので引くに引けなくなって発展していったとい経緯があります。
初期の機兵は全高15m級の複座式で、戦車の硬芯徹甲弾にも耐えられる重装甲でした。機動力は皆無で、複数機で敵の部隊を囲い込む役割を負います。その運用思想から《狩りにおける勢子(ヘッツァー)》と命名され、現在でもその名残が残っています。
最終的には全高8mの小型軽量機が主流になり、車両やヘリを凌ぐ立体的な機動力を持つ兵器として運用されます。
と、長ったらしく説明するのはまずいと思いますので、断片的に開示していけたらと思います。あまり重視しないようにしようと思ったのですが、やはりまずいでしょうか……。
そもそもプロローグでの海戦までは、技術的に他国を圧倒的に上回っていた主人公の国は、威容の為だけに海戦でプロペラをつけた人型兵器を運用していました。正直ヘリで十分です。
もちろん、装備や運用面での柔軟性、脚があることで敵艦に乗り込んだりもできるくらいで、ようはほぼビビらせる為だけに存在する戦車やヘリコプターの補助兵器として運用されてきたのが機兵という存在、というところから話は始まります。
しかし陸軍での研修を経て、特定の状況下では戦力として強力だと見出し、新編成では上陸作戦における陸戦隊に限定して運用するようになります。
○技術水準について
この世界に存在する国家ひとつひとつに微妙な差異があります。
百年以上の戦争が継続して続いている世界で、主人公の国はほぼ単一の国家で大陸ほぼ全ての国家と戦っているので、抑え込むことはできていてもあまり余裕はありません。国家が持ちうる技術的、資源的なリソースをほぼ全て軍事に注いでおり、それを国民が受け入れている状態です。
しかし、何らかの形で応用されているべきというご指摘はごもっともですし、面白くなりそうなので取り入れ、何か描写を考えてみようと思います。
主人公が乗る汽車は、唯一の同盟国の鉄道で、ふたつの国の領土を縦断する長距離路線です。様々な地形に対応でき、どんな環境でもあらゆる燃料を用いて運用できる蒸気機関車が妥当かと考えました(この同盟国との間にかつて二重帝国を結成していた頃の名残。一時戦争に負けそうになった時、同盟国側が犠牲になる形で主人公の国を生かした。未だに仲が良い)。
○テーマについて
オペレータの女の子を曇らせる、というところが出発点で書き始めたお話なので、そう言われてしまうと耳が痛いです。
しかし個人的には「比較的安全な場所から部下を見守ることしか出来ない、否応なしに無力感を感じるポジション」の主人公ならこのテーマが最適かと考えました。
限定的な情報しか無い中で、間接的に戦わざるを得ない精神的なストレスや恐怖感を演出できる点もオペレータ視点で描く理由になるかと思います。