元記事:エーデルワイスは征野に咲く。
はじめまして、秋月散華と申します。
学生時代の頃などに何度か執筆に挑戦し、こちらの掲示板にもお世話になりました。
最近になってまた書きたくなり、ずっとあっためていたネタをプロットにしました。
機兵というかっこいいロボット兵器と、それを支援するオペレータの女の子が曇る展開が書きたかっただけで妄想していた内容ですが、だんだん膨らんできてこのような形になりました。
プロットを書く上で設定した主題は
「戦争の中での命との向き合いと、自分を許すと言うことの難しさ」
です。
主にプロットへのご指摘、キャラクターをより魅力的にする案、またこのジャンルの作品を書く上での注意点をご教授頂ければと思います。
本文を書こうとすると、専門用語と読みやすさのバランスに凄く悩みました。
雰囲気を守るために、専門用語モリモリでも大丈夫なのか、読みやすさが絶対優先の方が良いのか……。
コメント頂けたら嬉しいです。
何卒よろしくお願いします。
上記の返信(エーデルワイスは征野に咲く。の返信)
投稿者 モモヤ : 0 投稿日時:
こんばんは。返信ありがとうございます。
ちょっと情報量が多かったため見落としがあるかもしれませんが、以下所感です。思いついた端から書いているため、拾えそうなパーツを適宜拾っていただければと思います。
なお、プロットそのものについては見たところ大きな破綻がなく、描写と演出・サブプロットの動き次第で魅力がかなり変動すると思われるためあまり言及しておりません。
まず、用語自体は格好良くて好ましいのですが、やはり物語のパーツとしては些かボリューミーな印象です。世界観についてもキャラクターについても、細部は作り込まれているのに主軸が見えないと感じられました。フレーバー色が強く、機能が見えてこないと言い換えても良いかもしれません。
作中で設定を提示する際は、「要するにこうである」という「読み飛ばした人間にも伝わる要約」を添えた方が伝わりやすいように思われます。
例えば主人公の役割であるベンディガーですが、「機体に搭乗しないだけでコパイロットのような存在」でおおよそ説明はついており、他は補足の範疇になりそうです。
加えて、重要なのがオペレーターの曇らせであるなら焦点を絞り、「遠隔指示が出せるのにわざわざ生身のパイロットが乗り込まねばならない理由」「主人公がパイロットではなくコパイロットをしている(ないし、パイロットにはなれない)理由」などを掘り下げた方が、余計な解釈や退路を断ち切った上で「本当は自らも死地へ赴きたいのにそれができない、ただ見ていることしかできない」という主人公の葛藤を描きやすいのではないかと感じました。
それによって、例えば周囲からの誤解を解かない理由についても「本当は自分がパイロットになるべきだが、なれないならせめて完璧なコパイロットでなければならないと思っている」「完璧でない(死者が出ている)以上は不適格の烙印を押されても仕方ないと思っている」辺りに接続して、責任感が強く完璧主義な気質と絡めて描写できそうです。
話をキャラクターに移しますが、全体的に「なぜそのような人となりになったのか」の「生来の気質」と「経緯」を掘り下げた方が良いように思われます。主人公ヘルカの性格についても、それなりに字数を割いているにも関わらずキャラクターの信念や核が見えてこないと感じました。
また、キャラ付けにもっとギャップを持たせるのも良いかもしれません。優等生らしいキャラクター性もそれはそれで魅力的なのですが、欠落や欠点がなければ印象は薄くなってしまうように思われます。
(主観として、現状ではヒロインがヒーローに食われるのではないかという懸念があります。敵キャラクターについても掘り下げておいて損はないというか、無線上であってもキャラクター性を伝える技術はガンダムシリーズやアーマードコア6辺りに参考資料が多々ありそうです)
例として、「機兵嫌いの父から英才教育を受けていた」「真面目で責任感が強い」と「権威や昇進には全く興味が無い」「軍人としてコパイロットを務めている」はあまり噛み合っていないように見えます。機兵に対する好き嫌いが父親とは対極である理由、絶縁したのに軍人にはなっている理由、責任感が強いのに上官としての責任から遠ざかっている理由などが不足しているように思われます。
一方で、ここに(ベタですが例として)「親は機兵嫌いだったが、自身は幼少期の出来事から機兵に強い魅力を抱いた」「完璧を強いてきた親への反抗心から名声や評価を疎んでいる」「本当は機兵に乗りたかったが体格等の事情でパイロットにはなれずベンディガーの道を選んだ」「素性を隠して軍にいるため実家にバレないよう目立たず不真面目であろうとしているが、根が真面目なので上手くいかない」「後悔が多くともベンディガーを続けるのは、兄のような戦死者が出ないようにするため」などを加えれば、「幼少期の夢を貫く一途さ」「普段は冴えないが実は強い、という昼行灯的な才覚」「正体がバレてはいけない、という覆面ヒーロー的なスリル」などの魅力をより強調ないし追加できるのではないでしょうか。
上の例では、キャラクターの核として「機兵への憧れ」「兄の死への恐怖と後悔・自分ならもっと上手くやれるという驕り」「実家への反抗心・父が望まなかった形での軍人であり続けることへの執着」などを想定しています。どれだけ曇らされようと戦場から逃げないに足るだけの動機付け、とも言えるかもしれません。
(ついでに、スノウマンへの感情も「憧れ」「嫉妬」の双方で盛れそうです)
今書かれているシナリオとキャラクター設定のみではそういった「核」を見出すことが難しく、(物語の上では最も重要な項目であろう)主人公の目的と信念が弱く見えました。細かい数字や情報としての経歴ではなく、行動の指針を強化した方が物語は転がしやすいように思われます。
創作論ではままある内容ですが、欠落と達成・WANTとNEEDに注目して「冒頭の主人公に欠けているもの」「冒頭の主人公が欲しているもの」「主人公が本当に必要としているもの」「最後に主人公が獲得するもの」あたりを洗い出すのも良いかもしれません。
最後になりますが、個人的には、スノウマンのTACネームがついたエピソードが非常に好きです。今優秀なパイロットであることを前提としつつ、待ち時間に耐えられず遊び出してしまうお茶目さ、上司を恐れない豪胆さ、そのエピソードがそのままTACネームになったことからうかがえる周囲との関係の良好さなどが圧縮されており、大いに好感が持てます。
そういった、キャラクターが生き生きと動いてくれるエピソードを背景に設けつつ緻密な軍事描写を盛り込み、キャラクターの葛藤や変化と戦況の流れを上手く連動させることができれば、面白い作品になるのではないかと思いました。応援しております。
良かった要素
キャラクター 設定
スレッド: エーデルワイスは征野に咲く。
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