俳句添削道場(投句と批評)

ヨミビトシラズさんの添削最新の投稿順の11ページ目

「初茜高架に音の無かりけり」の批評

回答者 ヨミビトシラズ

添削した俳句: 初茜高架に音の無かりけり

取り合わせは良いし、方向性も間違っていないけど……僅かながら違和感。
あくまで私が聞いた話ですが、「けり」は「(大きな事から何気ない事まで、事の大小に関わらず)発見や気付きに対する詠嘆」を意味する言葉だといいます。もしそうなら、「新年→高架(道路)に音がない」というのはある程度当然の話なので、「けり」を使ってまで言う事なのかと考えるとちょっと迷う。

「初茜」や「(高架の)無音」は長い時間を掛けて味わうもの……と考えれば、詠嘆するなら「けり」よりも「かな」の方が良いかも。つまり……

初茜高架を満たす静寂かな
元旦の高架を満たす静寂かな
(注:静寂→しじま)

「かな」や「をり」は、使った後に余韻が残ります。長い時間を掛けて味わいたい物に使うと効果的です。
また、「かな」を使う場合は途中で切れが無い方が効果的に響く事が多いようです。

余談ですが、思い付いてしまったのでさらに一句。

高架路の静寂満ちたる初茜

「高架路の静寂満ちたる」+「満ちたる初茜」のコンバインド句。「満ちたる」はちょっとしつこいかな?(^_^;)

点数: 2

「白梅や蕾の先に雲ひとつ」の批評

回答者 ヨミビトシラズ

添削した俳句: 白梅や蕾の先に雲ひとつ

白梅と雲の取り合わせ、遠景と近景の重ね合わせ、カメラがピントを合わせる順番など、様々な要素が高レベルでマッチした句です。非常に良い句だと思いましたが……1つだけ、気になる所が。

場所を指定できる助詞は「の」「を」「へ」「に」(及び、汎用性はやや低いが「は」)と色々ありますが、このうち「に」を使う時は気を付けた方が良いです。
「に」には、その場所をピンポイントで指定できる効果があります。しかし、その効果の高さゆえに、これを安易に使うと他の助詞と比べて句が説明っぽくなったり、守備範囲が狭くなったりするという副作用があります。
「に」を使う場合は、他の助詞で代用ができないか、念のため試してみた方が良いと思います。

で、こういう場合に真っ先に試す助詞は「の」なのですが、

白梅や蕾の先の雲ひとつ

これだと、最後にカメラが合うのは「雲」です。せっかく季語(白梅、及びその蕾)があるので、そこにカメラの軸足をある程度残した方が良い事を考えると、「の」を使うのは少し躊躇われます。

そこで、私が考えたのは、

白梅や蕾の先へ雲ひとつ

です。こうすると、「蕾の先に雲が一つ動いてきた(or動いてきて、鳥のように止まった)」という句景になり、句に動きが出てきます。個人的にはこちらの方が良いかもしれないと思ったのですが……どうでしょう?

点数: 1

「書初めは写経用紙の途中から」の批評

回答者 ヨミビトシラズ

添削した俳句: 書初めは写経用紙の途中から

書き初めというのは、その年の抱負や吉祥を願う意味合いを持つと言われています。また、写経が持つ意味合いの一つにも、祈願成就というのがあります。

しかし……途中まで写経していたのを放ったらかして、新年になったらその紙を書き初めに使うなどと……

≫新年早々、罰が当たりそうな行為かも。

当たり前だ、こんな句は「喝」だ!!!!
……などと、頭の固いお坊さんなら言うかもしれませんが……私はそうは思いません。

まず、この発想そのものがレアです。「書き初め」からスタートしても、「書きかけの写経用紙」からスタートしても、ここに辿り着くのは難しいと思います。
また、内容面でも非常に優れています。何かにつけて祈りたくなるのも人間ですし、何かにつけてサボりたくなるのも人間です。こんな相反した俗っぽい所を、日常にありそうな具体的な景を切り取って示したこの句は、むしろ「あっぱれ」な句だと私は思いますよ。

ウィットに富み、ちょっとした哲学的な要素もある句。句会で出たら、「特選候補・最低でも並選以上確定」。

点数: 2

「退化した羽を広ぐや春着の子」の批評

回答者 ヨミビトシラズ

添削した俳句: 退化した羽を広ぐや春着の子

「退化した羽」が比喩だと分かるのにかなりの時間が掛かった。読み手である私の問題かもしれないが、(単なる「羽」だけならともかく)「退化した羽」は「晴れ着をひらひらさせて遊ぶ子供の様子」を表すのに本当に相応しい表現なのだろうか?
さらに、「退化」という単語そのものも-のイメージがあるので、+の雰囲気のある句の全体像とあまりマッチしていない気が。

子は春着広ぐ羽化した羽のごと

「仕舞い込まれていた春着を引っ張り出してきて、久し振りに広げた」という意味なら、むしろ「羽化」の方が良いかもしれない。

点数: 3

「警備員捌くや三輪の初詣」の批評

回答者 ヨミビトシラズ

添削した俳句: 警備員捌くや三輪の初詣

いくつかの意味で、致命的な句。

1.「警備員捌くや」とあるが、「警備員が参拝客を捌く」というありふれた景を詠嘆する意味が分からない。季語や特殊な景、心に残る何かを詠嘆するのなら分かるが……

2.二度読む事に耐えられない句。「(三輪の)初詣」まで読み終わって、「警備員(が参拝客を)捌く」と来たら、「人手が多ければ、そんなの当たり前じゃん」という感想しか残らない。

3.「三輪の初詣」という単語に大したインパクトが無い。たとえ二度読む事に耐えられない句であっても、オチの部分である下五のインパクトが強ければ、読み手としてはまだ納得できる。

以下、いくつかの添削案。

警衛や百万人の初詣

1と3を意識した句。
かつて、初詣は川崎大師に行っていました。あそこは三が日だけで300万人もの参拝客が押し寄せて来るそうです。警衛(警備)もさぞ大変だろう……という事で、「警衛や」。
大神神社も三が日で50万人程度の参拝客が来るようですが、肝心なのは「神社の名前や規模」ではなく「読み手が直感的に分かる景であるかどうか・読み手が納得できる景であるかどうか」です。「ググらなければ分からない事柄」よりも、「読んだだけで分かる事柄」の方が、読み手へのインパクトは高いですし、句景伝達速度も格段に上がります。

万緑の中や吾子の歯生え初むる

2を意識した句は、適当な物がすぐに思い浮かばなかったので、これを使わせて頂きます(本当にすみません(>_<))。
「万緑の中や吾子の歯生え初むる」は、二度読むと「子供の歯が生え初めた(=生命力の象徴)」から「万緑の中や」と来るので、生命力を暗示する「万緑」がより味わい深く感じます。
「万緑」と「子供の歯が生え初めた」という2つの事柄は、「直接の因果関係は無いが、「生命力(新たな生命の芽吹き)」というキーワードで繋がっている」という関係性があります。俳句でよく言う「付かず離れず」と言われる物ですが、この関係性が大切です。「初詣+警備員」は近すぎるので、この形式の句を作るのは難しいと思います。
なお、この時前半に置かれる要素を、私は「伏線」と呼んでいます。「伏線」には、「目立たないけどその場の全体を支配できる単語」が適しています。

警備員人が来ぬ間に初詣

あ……これはただのオマケです。でも、役得でこういう事をしている警備員さんも一人や二人……いないか(-_-;)

点数: 1

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