「冬波の砕くる匂ひパンを割る」の批評
回答者 ヨミビトシラズ
添削した俳句: 冬波の砕くる匂ひパンを割る
これが普通の詩だったら、「冬波+パンを割る」という組み合わせ(及び展開)は荒唐無稽だけど……俳句だという事を考えれば、私は良い句だと思うんだけどな。
まず、この意外性のある組み合わせが私には思い付かない。さらに、組み合わせの内容をよくよく調べると、「雄大で寒々しい遠くの大きな景+素朴で温かい手元の小さな景」という景の組み合わせだという事が分かる。この景の対比と組み合わせの妙は、見事としか言いようがない。
状況を考え、「冬波」を強く意識すれば「海岸で、冬波を見ながらパンを割っている。誰もいない海岸に、潮の匂いだけが漂っていた」等の読みが出る。また、「パンを割る」を強く意識すれば「海辺にある家に住んでいる。窓の外の海は今日も荒波で、窓越しでも潮の匂いがやってきそうだ。それを横目に、私は今日も朝食のパンを割る」等の読みが出る。しかし、どちらにしてもスケールが大きくて味わいがある。
この組み合わせは、一見して大袈裟で荒唐無稽に見えるかもしれないけど、これが俳句の持つ良さだと私は思いますよ。
これが句会で出たら、私なら確実に「特選候補・最低でも並選以上確定」の句とします。
点数: 3
