「水鳥の六羽と一羽ゐたりけり」の批評
回答者 ヨミビトシラズ
添削した俳句: 水鳥の六羽と一羽ゐたりけり
「おい、池に水鳥は何羽いる?」「はい、六羽と一羽です」「バカモノ、それは七羽と言うんだ!!お前は足し算もできないのか!?」……などという野暮な話にならないのが、俳句の良い所。それだけ、この「六羽と一羽」という表現は利いていると思う。
「水鳥の縄張り争いの~」という本来の句意は伝わるかどうか微妙な所だが、一羽が仲間外れにされているっぽい印象は受ける。やや取っつきにくい句ではあるが、数詞を端的に書いただけで読み手に色々と物事が伝わったり、考えさせたりする事ができるという点においては、この句はとても意義深いと言って良いのではないだろうか。
なお余談だが、この句と「水鳥の~するそうです」という説明を読んだ時に、何故か「醜いアヒルの子」の物語を思い出した。物語では狭い価値観の中で生きている登場人物が多数出現し、自らの価値観を主人公の醜いアヒルに植え付けようとするが……水鳥が生きるために縄張り争いに必死になるように、彼らもまた、それぞれが生きるために必死になっていただけだったのかもしれない。
最後に……添削ではないですが、
水鳥の一羽と六羽ゐたりけり
とすると、それだけで句景がまた微妙に変わってくるのも俳句の面白いところ。比較して読み比べてみると面白いかも。
点数: 3
