こんにちは。第1章までですが読ませて頂きました。かなりの大長編を書き上げられたのはすごいです。お疲れ様でした。
率直な感想としましては『序盤から混乱があり、リアリティが引っかかる』でした。
あらすじや章立てを見る限り、群像劇の中心人物は『光山洸太』なのだろうと思います。しかし、3話目から別人の視点の物語が入ってきます。その後も洸太と他者の物語が交互にくるので、正直誰がどこの話に出てきてどんな関係性なのかが混乱しました。私がサラッとしか読めていない軟弱な読解力なせいもありますが……。
せめて第1章は洸太の視点固定で、起承転結を確立させた方がいいかと思います。東とか『ラストに助けてくれた謎の人物』のまま1章が終わってもいいかと。
恐らくですが、洸太視点の話だけをつなげると、読者の興味を引く『謎・伏線』よりも虐げられている可哀想な描写の方が多くてバランスの悪い構成になっているかと思います。読者にはどの部分に一番興味を持ってほしいのかが明確になれば、より良くなると思います。
引っかかったのはリアリティというのは『現実的にそれって可能なの?』です。
洸太の秘密のアルバイト先は本屋とありますが、家や学校と同じ町内にあれば、同級生も来てしまうのではと思いました。見つかりたくないという考えとは反対のように思えます。
恐らく、この時点の洸太の心境では『内緒で金を稼ぎたい』と『母や学校にバレたくない』が同等の優先順位になるかと思います。両立させるには、勉強のフリして内職する、夜中に家を抜け出してバイトする、学生の来なさそうな店や工場で働くとかでしょうか。
これは完全に重箱の隅つつきになるのですが、未成年の高校生バイトを雇う際は親の承諾書が必要です。作品の年代や舞台が現代に則している場合、法律や決まりごとは守った方がいいです。そこら辺は『筆跡を変えて勝手に判子を押して偽造した』『ワケアリなことを理解してくれた』と一文入れれば解決かなとも思いますけれどね。
あと、10、11話のペレの心肺移植の部分。生まれたばかりの新生児に、すぐ移植手術をするでしょうか。
適合はしても体格差はどうしたのでしょうか。ペレが何歳の少年なのか分かりませんが、走って脱走できるくらいだと低く見積もっても7〜10歳程度でしょう。0歳の新生児に臓器移植するには大きいのではと思います。私も医療系には明るくないので、ネットでは調べきれない専門的な方法や実例があるのかもしれませんが……。
キャラクターの会話も特徴が希薄でかけ合いもぎこちなさがありますが、気にするほどではないかなと思います。これは慣れの問題だと思いますので、心がける程度でいいかと。
自分のことを棚上げして、偉そうに色々と書いてすみません。
300話以上、50万文字以上の物語を完結されているのは、本当に尊敬します。続きも少しずつ読ませて頂きますね。
これからの創作活動を応援しています!
さそり様
ご返信遅くなりまして申し訳ございませんでした。
先ずは、数ある小説の中から私の作品を読んでいただき、ありがとうございます。「文章が分かりやすい」と褒めてくださり、大変嬉しく思っております。
また、批評もしてくださってとても感謝しております。
それを踏まえた上で、ご指摘いただいた点に対して私なりに回答したいと思います。
1点目の、「序盤で視点がコロコロ変わる」についてですが、これはさそり様のおっしゃる通りです。
私としては、それぞれの人物が同じスタートラインに立って進み、「このキャラクターはこういう性格で、こういう行動に出ます。よく覚えておいてください」と言った風に、それぞれのキャラクターたちの自己紹介も含めて、伏線を散りばめていくような描写にしていきたました。その上で、物語の序盤から社会問題を突き詰めたきついシーンが描かれていることで、「この小説はこういった内容です」というのを読者に示したつもりだったのですが、だからこそ、読み始めた多くの読者が脱落してしまうんですよね……
2点目の、「リアリティ」についてですが、多少なりともご都合主義的な展開をねじ込んで描いたつもりです。洸太のアルバイトにつきましては、本屋でアルバイトしていることが城崎真に結果的にバレてしまいましたし、ペレにつきましては、科学技術と医療が発達した近未来ということで、そういう手術も「可能になった」ということを踏まえて読んでいただければ、スッと入るのではないかなと思います。
ひとまず、さそり様が感じられた違和感への回答はこんなところかなと思います。また、続きも読んで下さっているとのことですが、なんせ非常に長い作品となっておりますので、ご自分のペースでゆっくり読んでいただければ幸いです。
ありがとうございました。