「秋近し上川盆地の朝ぼらけ」の批評
回答者 北野きのこ
添削した俳句: 秋近し上川盆地の朝ぼらけ
腹胃壮さんこんにちは。
ご無沙汰しております。
初めてお目にかかる皆さん、どうぞよろしくお願いします。
皆さんのご指摘、ご添削それぞれに深く頷いております。
掲句を一読して、上川地方の豊かな農地の光景が私の脳内には鮮明に再生されました。
私は北海道在住で上川地方にもこれまで色々な形で訪れています。
夜通しの長距離移動をして、明け方に上川辺りで美しい田畑を眺めた大昔の思い出が蘇りました。
ただ、映像が具体性を持つか否かはやはり固有名詞への親しみの度合いに大きく左右されてしまうと思います。
もしも東北の米所を詠んだ句であれば、私にはそれほど大きな共感やリアリティを得られなかったはずです。
そう言った意味でもより広い層に映像を届ける工夫は求められるのでしょう。
またそうする事が、固有名詞への関わりが比較的深い読者の心をより強く打つ句を目指す事にもなるのではないでしょうか。
「米」「田」「農夫」「トラクター」など具体的な映像化に寄与するワードを盛り込もうと試みましたが、音数調整が中々難しいですね。
私も「北海道の上川」である事は明示したい気がするので、なおさら困難です。
固有名詞の代替案として「宗谷本線」「道央道(道央自動車道)」なども考えてみましたが、ここまで来るとクイズの域に達してしまいそう(笑)
以上を踏まえてハオニーさんの「品種名」という発想には大変驚きました。
舞台が北海道である事を押さえつつ、五感にリアルに訴える内容だと思います。
私からは感想しか申し上げられず、恐縮です。
今後も勉強させていただきます。
点数: 3