「渡り鳥みえし異国の景色かな」の批評
添削した俳句: 渡り鳥みえし異国の景色かな
林さん初めまして。
句の感想を述べさせて頂きます。
どうぞよろしくお願い致します。
千日草さんのおっしゃっている通り、一読して鳥の渡りのスケールの大きさを感じました。
国境を遥かに超えて旅する鳥に胸を打たれます。
文法上の問題を一つ…。
「みえし」の「し」は過去の助動詞「き」の連体形になると思います。
とすると、「(過去のある時点で)見えた」という意味になりますので、コメント欄に書かれた内容からはずれてしまうと思います。
もう一点、「みえし」の主語が何者なのかはっきりしない点が気になりました。
渡り鳥を主語として「渡り鳥が旅の果てに見た異国の景色」とも読めますし、
作者を主語として「作者が渡り鳥の姿を見た異国の景色」とも読めると思うのです。
作者の海外旅行の思い出を詠んだ訳では無く、渡り鳥を擬人化している句なのだという点ははっきりさせるべきではないでしょうか。
コメント欄の「だんだんと」が状況を的確に表していると思います。
渡り鳥の長旅の苦労を語らせるなら、「ついに」「漸く」「漸う」などの表現はいかがでしょうか?
鳥渡る漸う見えて来た異国
鳥渡るついに異国の見えた朝
まだ誤読の可能性はありますが…
点数: 1