「初開き猪口の底ひの二重丸」の批評
回答者 辻 基倫子
添削した俳句: 初開き猪口の底ひの二重丸
げばげば様
御句、年の初めに拝見したとき、巳の年ならではの興味深い句として拝見しました。
私は勉強が足りなくて、「初開き」を「暦を初めて開く」という意味でしか取れないのですが、そう解釈し、暦に吉日を〇するように、猪口の底を見ている、という日常のくつろいだ場面を想像しました。「蛇の目のお猪口」は利き酒をするときに便利、と調べたものに書いてあったので、新年にいろいろなお酒を楽しんでいるのかな?とも。「蛇」のつく言葉は日常にいろいろあるのですね。
また、私の句に、とても格調高いコメントをありがとうございました。
私の句の言葉への、あまりにも美しい解釈に夢見心地になってしました。それと同時に、げばげば様ほど気を付けて句を作っていない自分を思い知りました。「かな」に相手に優しく投げかけるようなところがある、ということは、前「金木犀」の句の解釈でもおっしゃっていましたね。論語の「~かな、・・・や!」などの用法を思いました。たしかに聞き手を意識したうえでの詠嘆、という感じがしますね。
げばげば様のご活躍、私など、当たり前ですが足元にも及ばない境地をいつも、いろいろな所で拝見しています。そのたびに、実は「私なんて、平凡で不勉強でだめだな」と思ってしまうのですが、そう思う直後にまた句を作りたくなってしまうのですよ。
どうもありがとうございました。
点数: 1