「バトン落つゴール手前のささら荻」の批評
回答者 小西晴菜
添削した俳句: バトン落つゴール手前のささら荻
卯筒さま。拙句「あいつ結局」にコメントくださり、ありがとうございます。褒めていただけてとても嬉しいです。
さて、御句ですが、リレー競技のひとコマで、季語「運動会」でも十分成り立つところを、いつも上品な句を詠まれる卯筒さまらしく、勝者の歓声、敗者の溜め息は封じて、秋の七草で下五をまとめられるのだな、でも「ささらハギ」ってなんだろう、小萩のことかな、なんて思っていました。
ところが······ん、違う、ハギじゃない!オギだ!漢字を読み間違っていました。
だったら「ささらオギ」って? 慌てて歳時記を見てびっくり。(なおじい様、私も知りませんでした。)
「荻」は、風を含みて生ふる草、別名
風聞草、風持草。
オギの語源は、神の霊魂を招く意味の
「招(お)ぐ」からきている、云々····。
これで、げばげば様がコメントされていたことも、なるほどと納得がいきます。
ゴール直前の無情なアクシデントは、きっと、オギが吹かせた風のせいだよ、と。
危ない、危ない、もう少しで、卯筒さまの意図を無視して、トンチンカンな解釈をしつつ、いい句ですね〜なんて言って、こんな素晴らしい句を見逃すところでした。
改めて、季語をよく知ることの大切さと、運動会のような人為的な活動もまた、四季の自然の中の営みだということを勉強させていただきました。
卯筒さま、失礼いたしました。また、ありがとうございました。
点数: 1