俳句添削道場(投句と批評)

イサクさんの添削最新の投稿順の1380ページ目

「お疲れと並んで座る秋の風」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: お疲れと並んで座る秋の風

おはようございます。

上から目線で申し訳ないですが
とつぜん「俳句らしく」なりました(かなり褒めています)

◆これまでと違って、映像と風景と音がしっかりと想像できる句です。
 これまでの句は遠回しに言い過ぎて伝わらない部分が多く、「すすすすす」の句も独創的ですが何を想像するか自由過ぎて、風景を受け取るのが難しかったのです。
 この句は
・「お疲れ」という誰かの声
・「お疲れ」「並んで座る」ということで、一人が座っているところにもう一人が近寄ってきて横に座るという具体的な映像。
 正面に座ったわけでも、離れて座ったわけでもない、ということが理解できます。
・「秋の風」から、屋外の風景。ベンチや、気軽に座れる植え込みなどを想像しました。
 暑苦しくも寒くもなく、少なくとも雨は降っていません。
・あとは受け取り手の経験で、
 二人は友達か?先輩と後輩か?上司と部下か?男性と女性か?
 場所は公園か?都会のビルの間のちょっとしたスペースか?ドラマに出て来るような海の見える場所か?
 などの想像が膨らみます。

季語「秋の風」
 今回の「秋の風」これは肌に風を感じますし、屋外のどこかであることがわかりますし、季語以外の部分との相性もよく、組み合わさって受け取った者の頭の中に風景を感じさせる季語を使えたと思います。
 たとえば以前の句の「秋の夜」。この季語は夜であることを説明しますが、季語自体に具体的な場所や風景がないので、季語以外の部分で風景を補った方がよいのですが、上手くかみ合っていませんでした。
 また「夏のこと」の句も、「夏」の想像範囲が広すぎて、「五月頃の初夏の風景」「じめっとした梅雨の風景」「本格的な夏休み頃の風景」などいろいろ想像できすぎて、季語以外の部分がそれを補えてませんでした。
 この句の「秋の風」は、よかったと思います。

五七五と季語ひとつ、の次の基本「意味が伝わること」はこの句なら楽々クリアします。
その次の段階「風景が想像できる」「説明臭くない」など他にもいろいろありますが、これも達成できていると思います。この調子ですね。

さんざん上から目線ですみません。長くなるのでこのあたりで。

点数: 1

「干柿の粉ほろほろと旅の膝」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 干柿の粉ほろほろと旅の膝

おはようございます。

小旅行の干し柿。机のない場所?あるいは座卓かな?座って食べているのですね。
このままでも悪くない句だと思います。
「干柿の粉」という部分に説明感を感じました。主役は季語の「干柿」で、ここを立たせたいですね。工夫のしどころかと思います。

・干柿や粉ほろほろと旅の膝

点数: 3

「ぴつぴつの軆のラインだす水着」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: ぴつぴつの軆のラインだす水着

おはようございます。

私の言うことを聞いて人に入るかはわかりませんが

水着であるという前提で
◆「ぴつぴつ」というオノマトペは面白いです。

◆「ぴつぴつの(水着)」「(水着の)軆のライン」「ライン出す(水着)」と、同じようなことを繰り返し三度も言っています。
 ひとひとつは説明的ではないですが、さすがに三度も繰り返すのは説明しすぎではないかと思いました。季語と受け手を信じて省略可能だと思います。

◆「水着」で「体のラインが出る」という発想は類想です。ここは断定しておきます。

で、上記のとおり三度も説明を繰り返す必要はないので、オリジナルの部分を残して他を省略し、その音数で他の要素を組み入れられれば、類想は「共感」という武器に化けると思います。
 「ぴつぴつ」という単語はオリジナリティがあると思いましたので、ここは生かしたいかなあ・・「ぴつぴつの水着」で意味は分かりそうですし。

・ぴつぴつの赤き鎧のごと水着
これで人選かどうかはわかりませんが。

点数: 1

「青時雨水面に響くまたこんど」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 青時雨水面に響くまたこんど

おはようございます。

とりいそぎ季語の話。
「青時雨」・・初夏の季語「青葉」の傍題で「青葉時雨」と同義。
 雨後、青葉にたまった雨水が落ちてくる様子を「時雨」に比喩して表す初夏の季語です。いくつかの歳時記に掲載されており、季語として使って良いとは思っています。
 ただし、この句の場合、いつの季節を詠んだの?ということにはなりますね。

句の中身については、慈雨様のコメントに近い印象を持ちました。

◆「響く」という単語がお好きなようですが、「響く」という単語に私は「反響する・響くように伝わってくる」というイメージを持ちます。単に「音が聞こえてくる」という意味で「響く」は大げさに感じます。
 なので句を見た時は『「またこんど!」と誰かが大きな声で言った言葉が水面に響いているように聞こえた。近くで青時雨が落ちている』という句だと思いましたが、かなり違うようですね。

◆別の方へのコメントで最近書いたような気がしますが、
 俳句は五・七・五をバラバラに作ってしまうと、失敗するケースが多いようです。
 この句も「青時雨」「水面に響く」「またこんど」とそれぞれバラバラに置いた感じ(【三段切れ】と言います)になっており、どこで意味が切れているか伝わりにくいです。
 実際に、慈雨様も私も、句を見た場合意味を取り違えて受け取ったようです。
 つまり「意味の分かる句」ではなくなっています。その原因は【三段切れ】も理由のひとつです。

◆意味が伝わらない理由として、言葉が雑で表現が足りていない、と思います。
 □「水面に響く」・・水滴が何かの水面に落ちることを、普通はこういう表現は使わないので、伝わりにくい。句の中にはそれを補うような単語もない。
 □「水面」・・この句の場合、わざわざ「水面」と自分から出しているのに、何の水面かわからないことが、句を読み解く妨げになっていそうです。池かな?と思っていましたが水たまりでしょうか?川かもしれません。
 □「またこんど」・・作者(作中主体)が「水滴に向かって思っている(言っている?)」というのが伝わりません。

 他にもありますが・・
 で、それらの説明を全部句に入れようとすると、十七音ではとても収まりません。
 つまり、慈雨様の意見にもありますが「一句に多くを入れようとしすぎている」と思います。
 整理しても、季語「青時雨」はよいとして、「何かの水面」に「水滴」が落ちて、「響く」という音の伝わり方をして、「自分(作者)」が「また次の機会に会おう」という気持ちで「またこんど」と言った・・・という。

一句に入れる情報量として何を削っていくかですが、
◆一句の中に入れる要素としては「季語」+「季語以外の何かひとつ」とよく言われます。要素を増やせば増やすほど、一句の感動の中心がわからなくなるため、難易度が上がっていきます。
◆句の中に突然作者のセリフが登場してくることに違和感があるのと、作者の「また会おう」という気持ちは、青時雨を美しく描くことで作者がそう思っていると思わせた方がよいと思います。なので「またこんど」は省略したいですね。

という感じで削りつつ、意味のわからないところは補っていくと、例えば下のような提案句になります。

・青時雨池に波紋の大と小

季語「青時雨」と「波紋」で、水滴の音は読者の想像に任せる形です。
「池」と「波紋」で、言うまでもなく「水面」は想像できると思います。

これが句の正解というわけではなく、正解はひとつというわけでもなく、いろいろな方法がありますので、いろいろ試してみてよいと思います。

点数: 1

「白風にシーツひらり私の晴れ」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 白風にシーツひらり私の晴れ

おはようございます。はじめまして。

季語「白風」風流ですね。

◆「私の晴れ」のところにはこだわりがあるのかな?詩的な表現ですが、この句の内容に五・六・六というリズムの悪さがミスマッチしていると感じました。
 また秋の風である「白風」に「私の晴れ」で、さわやかさを主張しすぎている感もあるかもしれません。
◆シーツの白さと風の「白」がケンカしてしまいそうなので、季語主題の「秋風」の方がケンカせずによいかなあ・・と思いますが、ここもこだわりポイントでしょうか?提案句では変えず。

例えば中七のリズムを取り戻して、下六の字余りで提案句です。
・白風や私の晴れを踊るシーツ

点数: 1

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