俳句添削道場(投句と批評)
イサクさんのランク: 師匠2272段 合計点: 6,933

イサクさんの俳句添削依頼

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霜凪や飛び石次は誰が踏む

回答数 : 3

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行く秋やねこにフェンスのすきまあり

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仰ぎ見る天の方向墓参

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嘘つきと言はれて秋は深まれり

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困難も苦難も句材俳句の日

回答数 : 18

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イサクさんの添削

「鬼隠し作り笑顔や今朝の冬」の批評

添削した俳句: 鬼隠し作り笑顔や今朝の冬

こんばんは。

語順と言うよりは、説明しよう説明しようという気持ちが強すぎるのだと思います。要素を詰め込み過ぎて理解しにくくなっていると思います。
初読では「鬼隠し」が何かの名詞のようで、「【鬼隠し】作り、笑顔や」という誤読をして、しばらく悩んでいました。

「心の鬼を隠す」と言えば「作り笑顔」は言わなくても伝わると思います。
「作り笑い」と言えば、「鬼」と言わなくても本当は笑っていないことは想像できますよね?
このどちらかだけ、を基本にして、詰め込み過ぎずに整理したいです。
一旦、季語はそのままで。

・今朝の冬心の鬼を隠しつつ
・作り慣れし作り笑ひや今朝の冬

こんなところでしょうか。

あと蛇足ですが追記です。
季語「今朝の冬」は、「立冬の日の朝」という意味で、「今日から冬になる」という意味になります。
今年の立冬は11/7でした。つまり一か月前の季語です。
この句の本当の季語は「冬の朝」かな?と思いました。そうではなく立冬の朝のことを言っているのでしたらすみません。

点数: 1

「低山と言へど急坂寒椿」の批評

添削した俳句: 低山と言へど急坂寒椿

こんにちは。
とある方(投句せずにコメントだけする方)からなにやら怪しいコメントを頂いていて、書き込みを躊躇していました。その件は通報済みですが、なお(じい)様含め他の方々もご注意ください。

私の「行く秋」の句についての質問の件です。

他の方からも似た質問がありましたが、ご存じのとおり自句自解は避けているのと、作為と句から読み取れるものは別問題であるという思いがあるため、スルーしておりました。
とはいえ一か月たつ句ですし、なお(じい)様のコメントの気になるところを質問しつつ、一旦自分の考えをお伝えします。
(他に同様の質問をした方も、こちらを見ていただけると幸いです)
(とはいえ対した理由はありません。以下長いのはほとんど前振りです)

まずなお(じい)様の
俳句ではできるだけ漢字表記を、と言われているなか】
これ、私はこのようなことを言われたことはありません。漢字かひらがなか、決めるのは作句者の責任と学んでいます。

【初心者】の【表記】について、下のようなことはよく言われますね。
歳時記掲載の季語は、できるだけ歳時記の表記に従う。動物・植物は、日常ではカタカナを使っているケースが多い(例:カブトムシ、ヘビ、ヒマワリ、スズラン、ナス)が、歳時記に漢字で記載されている季語は、できるだけ歳時記に従って漢字で書く(例:兜虫、蛇、向日葵、鈴蘭、茄子)か、ひらがなで書くのがセオリー。外来種など、本来の表記がカタカナのもの(チューリップ・キャベツなど)は除く。

という話とは違いますよね?
句中の措辞を漢字にするかひらがなにするか。カタカナ・当て字・記号も含めて、表記を選ぶ責任は作句者にあります。句は作者の選んだ表記をもって鑑賞されるべきではないかと思います。
飛行機衝突かみひひな墜落/イサク(2022/02)
 ⇒全部漢字なら『飛行機衝突紙雛墜落』
句に対して、受け手が「漢字の方がいい」「ひらがな表記がいい」と思うのは自由ですし、添削道場で提出された句に対して意見をコメントするのは問題ないと思います(上記の句は例として出しただけで、コメントを望んでませんよー)

前置きが長くなりました。
私は普段「読みやすさ」「表記の印象」などから漢字・ひらがな表記を選ぶ傾向があるようです。迷った場合は書いて比較します。
「ねこ」をひらがな表記にした理由。ぶっちゃければ「『ねこ』という表記がこの句にとって良いと判断した」という言い方が正しい気持ちです。

もっと具体的な理由が必要だとしたら、
例えば季語を主役と考えた場合

・行く秋や猫にフェンスの隙間あり

・ゆくあきやねこにフェンスのすきまあり

・行く秋やねこにフェンスのすきまあり

一番下が一番季語「行く秋」が立ちそうな気がしません?
(後付けの理由ですが、そこそこ芯を食っているような気がします)
もちろん、正解はありませんし、この句にとってベストかどうかはわかりません。

長くなってしまったので御句についてはまたいずれ。

点数: 2

「退院の妻の迎へや冬うらら」の批評

添削した俳句: 退院の妻の迎へや冬うらら

こんにちは。

よかったですね。
まずは平穏な日常の取り戻すことを祈っております。

そして私個人としては、ご自身で推敲することでさらに気持ちの残る句を目指していただきたい気持ちがあります。なので、いつもどおりにコメントさせていただきます。

◆中七「妻の迎へ」の助詞「の」に、主格に見えてしまう誤読があるようです。
 つまり「退院の(夫を)妻が迎へ」る、という誤読ですね。

 両方の意味にとれてしまうのは、この句の場合損する形だと思います。
 誤読を回避して、「作者が妻【を】迎える」という意味を確定させたいです。

助詞「を」を補うか、あるいは中七の助詞を省略することで「退院の妻」を強く出してみます。

・退院の妻を迎ふる冬うらら
・退院の妻迎へけり冬うらら

ひとまずここまで。さらにご本人で推敲していただければ。

点数: 2

「十二月生まれを損と悔やむ孫」の批評

添削した俳句: 十二月生まれを損と悔やむ孫

こんにちは。

言いたいことを言うための句ですね、答えが全部入っています。

まず、
俳句という方法でこの内容を伝えるべきかどうか。
 俳句という方法を敢えて選ぶなら、全部を言う必要はなさそうです。

◆この句で言っているのは「十二月」ではなく「十二月生まれ」です。この内容は十二月でなくても言えるので、このままでは季語が弱くなっていると思います。
 「十二月に入ってから嘆く気持ちが強くなっている」という意味にとれるようにした方がいいですね。

「悔やむ」は不要でしょうね。「悔やむ」という感情は「自分の言行」に対してなのですが、実際本人が選べるわけではないので。しいて言えば「嘆く」でしょうか。

・誕生日を損と嘆いて十二月
・十二月生まれは損だ年の暮

点数: 4

「階段を急ぐ足音ポインセチア」の批評

添削した俳句: 階段を急ぐ足音ポインセチア

おはようございます。

◆下五「ポインセチア」の字余りは気になりにくい字余りです。気にしなくてよいと思います。
◆この句を見て「ポインセチアが歩いている」と思う人はいないでしょう。そちらの誤読の心配はないと思います。

◆ただし、この句を見て「ポインセチアを抱えている」と受け手が思うかどうか?
 私は「ポインセチアの鉢植えのある室内にいて、誰かが階段を急いで上ってくる足音が聞こえてくる」と受け取ります。
 コメントの通りの句意を必ず出したいならば、「抱える」などの言葉で映像を補助してあげる必要はありそうに感じます。

◆では一句目の「階段を抱へて急ぐポインセチア」はどうか。
 こちらは「抱へて急ぐ」という部分がやけに説明的に感じます。
 自分の行動を描写するのは難しく、えてして報告的・説明的になりがち。特に動詞で自分の行動を説明する際、説明感が強くなりやすいようです。

・「抱えくるポインセチアが顔隠す:本井 英」
・「靴音のポインセチアに来て止まる:佐保 美千子」
こちらの二句は、自分の行動の報告ではなく、客観的な描写表現としています(もしかしたら自分の行動だったかもしれませんが)。
先人の句は、こういう点を見習ってみるとよいかもしれません。

点数: 3

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