……流石にボロクソに書きすぎたので、もう少し具体的な改善点を挙げます。
まず何が足りていないか。それは【5W1H】です。語るまでもありませんが、【いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように】です。これを必要以上に欠くと、訳が分からなくなります。
文章を他人に見せる以上、書いた人間だけが分かっていては駄目なのです。読んだ人間が分からなければいけないのです。
全体的に、誰の視点で、視点者がどこにいるのか分かりません。それらを書かなくていいのは、今思いつく限りでは、以下の5つの理由だけだと思います。
1.視点者、状況が継続している場合
2.3人称神視点
3.叙述トリックを使う場合
4.視点者や状況が文脈上分かり切っている場合
5.場面変更前までに判明する場合
特に4を成立させる場合には、事前情報、もしくは副次情報が必須です。
ほたるは、新田理夢に、先行逃げ切りを間近で見せつけられた。
どこででしょうか。周囲一帯の場面変更前までの文に、場所を確定させる情報がありません。控室のテレビの前でしょうか。入場ゲートでしょうか。
ある程度は想像で補えます。ですが候補が多すぎるのです。必要な情報が足りないせいで、場面のイメージが湧きません。
更に段落(空行)の位置が滅茶滅茶です。必要な部分になくて、不要な部分にあります。
そのままゴールを向かえた。
ほたるは、新田理夢に、先行逃げ切りを間近で見せつけられた。
本来はこの1行目と2行目の間に、段落分けか空行が入るべきです。何故か。レースの場面から、ほたるへ個人と視点が移ったからです。仮にレースをほたる視点で見ていた場合、それを描写する文章が必須です。ありませんでしたが。逆に、
順当に500mTTが速い人が決勝に進んでいる。
ほたるは、負けられないと思うがレースの作戦が浮かばない。
こっちに空行は不要です。3人称単一視点による、ほたるの主観が継続しているからです。そして、
無心で走るしかないと、はらをきめる。
私は、①番のキャップをヘルメットに、被せた。
5人横に並び、先頭誘導員を待つ。
これに関しては空行挿入をすべきですが、3パターン存在します。一つは1行目と2行目がセットの場合。これは2行目と3行目の間に場面変更がある場合です。
もう一つは2行目と3行目がセットの場合です。すると1行目と2行目の間に空行を入れ、場面変更があったことを示唆しなければなりません。
もっとも、空行を入れても情報不足の為、判別はできませんが。それでも少しだけはマシになります。
仮に明確にするのなら、場面変更、時制変更の描写を追加すべきです。例えばレースに呼ばれ、控室を出て~とか。係員に案内され、所定の場所に着いて~とか。
最後はこの3行すべてがセットの場合です。この場合、その前の文章でほたるの場所と状況が確定していて、なおかつ継続している必要があります。そのような文章は見当たりませんでしたが。
正直これ以上あなたの文章を考察していると発狂しそうなので、総括します。
余りにも文章が独善的です。読む人間の事を全く考えていないと言えばいいでしょうか。場面変更、視点変更、5W1H、段落の入れ方、文章の情報量。何もかもが滅茶苦茶です。
読んでる側として、文章からあなたが思い描いている内容を想像することは、困難極まります。暗号解読並みです。
様々な執筆者が視点や人称、描写や情報量に気を遣うのは、文章を介して読者と思っていることを共有するためです。人に自分のイメージを文章だけで伝えるというのは、それほどの難行なのです。なので「こう補完してくれるだろう」という部分が多いのは、作者の甘えです。
三度同じことを繰り返しますが、他人が読んで分かる文章にするよう努力しましょう。それができて初めて、内容が評価されます。