ノベル道場/小説の批評をし合おう!

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元記事:ヤンデレな魔法少女が公安警察にいる

最近の若者の読みやすい形として、最初の方はかなり文体を崩してみた、(自分にとっても)ある意味試験作です。読みやすいか、など、長所も教えてください。

指摘は豆腐メンタルなので柔らかにお願いします

上記の回答(ヤンデレな魔法少女が公安警察にいるの批評)

投稿者 手塚満 : 0 投稿日時:

小説の創作相談掲示板でのご質問を見かけまして(情景 動作描写について どう身につけるか )、まず小説を拝読してみようと思いました。一応、冒頭からラストまで通読しました。

読んでみての全体的な印象ですが、視覚的、聴覚的なものが全く思い描けないのが気になりました。主人公以外のキャラもいるし、台詞もあるんですけど、劇中に存在していることが感じられません。延々と独白のみがあるような感じです。主人公の思考のみを伝えられている気がします。言い換えると、例えば視覚描写は目隠しされて見せられ、聴覚描写は耳をふさがれて聞かされている感じです(聴覚描写自体、あまりない印象でもある)。

その独白もほとんどが物思い、愚痴のように感じられます。それ以外は、知っていることを脈絡なく語っている。なぜそんな解説を入れてあるのか戸惑いますし、読み手を意識している様子が感じられません。

読み手は、作品固有の前提知識ゼロで読み始めます。単発作品ですから当然ですね。作者さんについても知らない。読み始めてみると、まるで主人公や作品舞台を知っている人に語っているかのようです。本を開いたら何やらぶつぶつ言っている人がいて、それで察しろと言われた、という印象です。段落が長めなのも、もしかすると主人公の思考だから、切れ目が作りにくいせいかもしれません。そのためか、どうもテンポに難が感じられますし、抑揚、緩急も弱く、のっぺりしてしまっているようです。

我々読者は自分で作品を選んで読み始めるわけではあるんですが、だからといって既に作者と同じように主人公や作品の舞台などに思い入れを持てるわけではありません。読者は作者から見て、物凄く怠惰ですし、おそろしく無知です。極めてわがままでもあります。でも当然なんです。勉強したいんじゃないですから。単に楽しみたいだけなんです。見ず知らずの人の愚痴なんて聞きたいわけじゃない。

作者さんは書き始めた時点で、既にキャラは作り上げています。ストーリーも、少なくとも構想はある。もしかすると、ラストまで事細かに想定済みかもしれませんね。要は作品を熟知している。主人公は自分のことのようにのように知っているし、他のキャラも友人、あるいはとても嫌いな人というレベルで知っている。作品の舞台もまるで目に見えるように分かっている。

ですから、冒頭から主人公が地の文含めて何を言って、も思い入れ、感動共感などが生じるでしょうし、どんどん語りたくなってくるかもしれません。実際、物凄い量を語っている。かつ、おそらく作者視点では、主人公をよく知ってもらえるという期待もあるのかもしれない。

ですが、逆効果です。読者からしたら、主人公は赤の他人ですから。自分から見に行ったとはいえ、いきなり内心のみを延々と語られても、なんのことやら分からず、理解は深まりません。興味を持とうとしても持てない。もし、目を引くイベントなどを通じて、キャラが外から見て注意を引きつけられると、誰で何をする人なのか知りたくなります。その後でしたら、主人公が「実は私は」と語り始めても、知りたい気持ちが生じているから聞きたくなります。興味が先、知識欲は後なんです。

しかし、目を引くイベントになりえる事件はラストで起こっています。順序が逆です。作者視点では、主人公の紹介からも充分にできるなど、準備万端整って、主人公にゴーサインを出せたとお考えかもしれません。が、読んでいる側からしたら読み続けるモチベーションが既に枯渇しています。あるいは、「そこから物語が始まるんだろ、なのに終わりかよ」という印象です。

この尺ですと、このサイトでは長編分類(原稿用紙換算100枚以上)になると思いますが、内容的には短編でしょうか。解説、独白が多く、ドラマパートが少ないからですね。おおむね、イベントを通じて最後にキャラが立つようなやり方が適すると思います。実際、最後にキャラが立つようなイベントはあります。おそらく、主人公が自分の意思での決定的な行動が初めて起きています。

ですが、そこまでのイベントらしいイベントのなさから、文章量的には長編でも長めにすら感じます。手短に言えば、退屈ということです。だから、主人公のキャラが立つイベントが起こり、これからだという感じがようやくしたら、もう終わっているという物足りなさを感じてしまうわけです。しかも、主人公がかなり唐突な心境変化をしており、キャラがブレて終わったような印象も生じてしまっています。

なぜそんなことになっているのかですが、おそらく作者さんが主人公を愛しすぎているからではないかと思います。作者たる者、キャラは大事にせねばなりません。だけど、終始猫かわいがりではいけません。それでは盛り上がりを作れない。実際の猫だと、危なっかしいことをするから注目してしまうわけですね。膝の上でおとなしく撫ぜられているだけだと、猫を注視したくはなりません(よほどの猫好き以外は。この場合、猫好きは作者さんに相当するかもしれない)。

御作では、ずっと回想的な語りになっています。50年代日本にいて、リアルタイムで、主人公の目の前でドラマが進行、展開していながら、どこか他人事です。この先の歴史も熟知しているかのようでもある(回想では普通のことだけど)。それを感じる表現としては、「50年代初頭の共産党は、力に頼っていた。」(その感情は時代が連れてきたもの)などがあります。50年代初頭に50年代初頭とは、普通は言わないでしょう。しかも過去形です。他にも技術レベルについての説明なども似たような印象です(元の世界と比べているんだけど、その後の技術進歩が念頭に置かれている印象が生じている)。

回想的に語ると、当然ですが主人公は語っている時点(物語の時間より後)まで無事に存在できてますよね。少なくともそういう印象が生じる。これはラストでの主人公の選択(死が暗示される)には意外性を与える可能性があるとはいえるものの、そこまではハラハラ感を著しく下げます。無事である印象なんですから、当然です。

そしてラスト直前まで、主人公が全くブレません。ダメージすら負った感じがないし、後悔も気持ちの切り替えも感じられない。回想的だからですね。回想的と感じる理由の一つが、淡々とした説明です。誰が何をして、どうなって、が克明、冷静に語られています。自らに極めて苦しいはずの毒を作用させても口調が少しも乱れず、まるで医学書の疾病の症状進行みたいな語り口になっています。

これでは迫真感がないですよね。これ、回想的な語り口にしたからだけではないと思うんです。根っこには「主人公を苦しめるのは忍びない」という作者さんの意思があらわになってしまっているんだと思います。主人公を愛したまま書いたための害です。そのため、主人公や他のキャラが作者と意思や知識、構想を共有しているような印象すらあります。我々読者に迫真性を感じさせるには、キャラをとことん突き放し、キャラ自身に走らせる必要があるように思います。

主人公を好きすぎるから主人公の語りで満足してしまい、愛し過ぎているからピンチに陥らせることができず、苦痛を苦痛として描くことができない。要は過保護。だから主人公が作者から独り立ちできない。主人公以外のキャラは、主人公のために作者の指示通りに動いてしまう。読者は主人公が作品世界の神から手厚い保護をずっと受け続けていると感じてしまう。いくら状況的に過酷にしても、ラストを悲劇で終わらせても、それでは読んで感銘を受けるのは難しい。

いろんな問題が表面的には見え隠れしていますが(上記であれこれ申し上げたことに限らない)、根っこは一つで主人公に対する作者の過保護だと思います。だから、冒頭からラストまで、作者さんがいかに主人公が好きかという感想しか書いてない印象です。読後感を簡潔に申せば、過保護な主人公が登場して、過保護であることを確認させて終わった、というものになります。

読者としては、作者さんがいかに主人公を愛しているかを聞きたいのではないのです。どうして主人公が好きになったか、その過程を見せて欲しいのです。そうすれば、好みに左右はされますが、読者も主人公に感慨を抱ける可能性があります。そういうスタンスをキープして書き切るのがまず必要と思います。文章技術的なことは、その後で考えるべきだと思います。
(以上、創作相談掲示板への回答も兼ねています。)

長所。良かった点

主人公のキャラ設定や構想自体は悪くない感じです。

良かった要素

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元記事:宝ヶ崎学園のトレジャーハンター(序盤のみ)

ページを開いて頂きありがとうございます。
現在新人賞で一次通過を目標に色々と暇な時間を見つけては物語を書いている者なのですが、一章の冒頭を書き終え読み返してみると少し自分で首を傾げてしまう点がいくつかあったので投稿させて頂きました。

今回書いている物語の主軸は学校に隠された宝物を見つけるというモノです。
一章では主人公がこの学校に宝物が隠されていることを知り、それを探している宝探し部へ強制的に入部させられてしまうという展開を書こうと思っています。

そして皆様にお聞きしたいのは読んだ率直な感想(テンポが悪い、進行が遅い等)です。書く前から冒頭については色々と注意をしていて、後の展開に必要なモノだけを書いたつもりなのですが、どうしてもいざ書きあがると説明や回りくどい展開になっている気がします。

なので不要な部分やテンポが悪いなと感じた場面、分かりづらい地の文がありましたら指摘して頂きたいです。(あまり辛口の批評はメンタルが持たないので、オブラートに包んで頂けると幸いです)

※wordからコピペしたので余白などがズレていると思います。申し訳ありませんがそこはスルーでお願いします。

 宜しくお願いします。

上記の回答(宝ヶ崎学園のトレジャーハンター(序盤のみ)の批評)

投稿者 手塚満 : 0 投稿日時:

すみません、先にお詫びしますが、オブラートに包むといっても、どういう匙加減かがよく分からない馬鹿者なのもので、率直に申し上げてみます(とにかく褒めるんだ、に徹するのなら嘘混ぜれば言えるんですが、そういうことは希望されてないみたいで)。

まだ7千字ちょっとなのに、既に進め方や小ネタ含めて宝の持ち腐れがあちこちにあるように感じます。実にもったいない、損してるんじゃないでしょうか。そのため、本来出せた面白さが殺されてしまっているような印象です。

まず「プロローグ」ですけど、ここに書かれた情報を私ら読者が冒頭で知っておく必要があるんでしょうか。宝物がある、という話っていろんな人が書いてるわけで、まず宝物というアイテムだけでは引き付ける力が弱そうです。しかも、結局見つからなかったと来ている。これって、第二章以降で開示しても充分なんじゃないかと思います。

第一章は主人公の特徴や性格をイベントで示してくれてまして、説明に堕すことなく進めてくれてあります。が、主人公以外の情報が多い。これから通う学校がどういうところで、入部しようとしている部活がどういうもので、とかとか。第一章のメインは「遅刻を回避すべく必死な主人公」じゃないでしょうか。

主人公、物凄くうっかり、かつ慌て者なところがよく“説明”されてますよね。小中学校時代の黒歴史は、健兄の台詞による説明でいいと思います。一つ一つ描写しても、所詮過去の話ですし、健兄の台詞で語ったことにより、ドジが広く知られてしまっていることも暗示できている。

入学式の集合時刻勘違いからロードバイク入手までは会話劇でいいと思います。そこからが問題というか、もったいない気がします。学校到着まで、いろんなアクシデントがありますよね。明示されているのは「ラウ〇ドワン1のバスと間違え」→「バランスを崩してゴミ捨て場にトップスピードでツッコんだり」です。間違えたから余計に焦り、ゴミ捨て場に突っ込んでしまったように受け取れます。その姿のまま学校に入って行って注目を浴びちゃうわけですよね。

なんで説明で済ませちゃうんだろうと思いました。学校に入るとき、例えば「鼻血垂らした、生ゴミまみれで(4月なのに)ハエがたくさんたかっている男が校門を入って来るなり『青春部はどこだあっ!』と叫んで、周囲を驚かせた(あるいは、無言でずかずか入って来て、周囲が避けて道ができる)」等々のシーンが作れちゃうだけのネタが仕込まれてるじゃないですか。

そういう派手なことをさせるには、前段のロードバイクを必死に飛ばすシーンが必要ですよね。なりふり構わないの度が過ぎれば、アクシデントも起こるのも自然な流れです。そこを説明で済ませちゃったので印象が薄くなり、汗だくですぐには動けない程度にばてていた、くらいが妥当な描写になってしまっているようです。

主人公の「遅刻できない」という必死、それによる混乱が学校到着でも続いているとしても、それを鎮めるイベントもちゃんと用意されています。健兄らによる、タクシーで学校まで来た、の台詞ですね。ここで主人公が正気に返る段取りが用意してあるじゃないですか。しかし、

> 本来なら心をときめかせていたであろう大理石の校門や、そこから靴箱まで綺麗に並ぶ桜の木々を楽しむ余裕も今はない。

という、後から考えてのことながら、冷静な観察の描写がありますし、

> 道行く同級生から怪訝な視線を送られる。……まずい、このままじゃ折角間に合ったのに結局変な人物だと思われてしまう。

という部分だと、リアルタイムで冷静に観察できてしまっています。この後の、タクシーでくれば良かったんだと主人公が自分に飽きれるシーンの効果を削いでしまっているように思えます。

それに、繰り返すようですが、説明がしばしば挟まれて、テンポを乱している印象も受けます。例えば、

> 「あ、いたいた。ちょっと大輔~」
>  僕らが溜まっていた校門の反対側から、そんな可愛らしい声と共にトタトタと女の子が走って来た。
> 「……あれ? つかさ?」
>  その子の名前は大森つかさ。肩まで伸びたセミロングの茶髪と左目の下にある泣きぼくろが特徴的で、同年代より少しぷっくらな体をした愛嬌ある女の子だ。
>  健兄と同じく幼稚園からの幼馴染で、今日から僕と同様にこの宝ヶ崎学園に入学する新入生である。
> スクールバスの停留所の方から来た所から、きっと先ほどのバスに乗っていたのだろう。
> 「お、つかさじゃないか」
> 「あ、健兄久しぶり。うわ~、少し見ない内にまたムキムキになってる~」

です。地の文をほとんど抜いてみます。

> 「あ、いたいた。ちょっと大輔~」
>  可愛らしい声と共にトタトタと女の子が走って来た。
> 「……あれ? つかさ?」
> 「お、つかさじゃないか」
> 「あ、健兄久しぶり。うわ~、少し見ない内にまたムキムキになってる~」

会話は途切れなく続いているはずです(間があるとすれば、ちょっと大輔と呼びかけられて、主人公が応答するまで)。でも地の文での説明のほうが長いくらいになっています。テンポのいい会話の感じがしなくなっているような印象です。

「大輔」と呼びかけて「つかさ」と応答したこと、つかさが「健兄久しぶり」と言っていることから、3人の関係性は(この段階で必要な程度に)きちんと示されていると思います。詳しい話は後でいいはずです。

また、ヒロインの特徴を一気にいくつも示されても覚えられません。読んでいて、まだヒロインに感情移入してませんから、詳しく描写されても印象に残らないのです。

たぶん、初登場キャラの外見特徴は1つ示せば充分で、せいぜい2つまででしょうか(物凄く怖いのが特徴と例外は除く)。例えば「セミロングの茶髪を揺らせながら走って来た」とかです(たぶん、特徴的な部分を動かしたり変化させれば自然と印象に残りやすい気がする)。

これは自分もしばしば反省することなんですが、作り手は自分が考えたものを書き連ねるのが楽しすぎて、つい説明が過ぎてしまいます。書いてて楽しいから、読者も面白がるだろうとなんとなく思ってしまう。でも、受け手(読者)は作る過程の楽しさを共有してくれるわけではありません。面白いところだけ見せろ、それも楽に読めるように、と言って来るのが読者ですし、読者はそう望む権利があると思います。設定したことは書きたいでしょうけど、冒頭のツカミではぐっとこらえる必要があるように思います。

長所。良かった点

冒頭のツカミに盛り込むネタは既に十二分だと思います。主人公の性格もギャグベースの冒険タッチには適している感じがします。何を強調し、どういう順序で見せるかを工夫すれば、きっと続きを読みたくなるものにはるはずです。

良かった要素

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要望 : 欠点の指摘歓迎! スレッド: 宝ヶ崎学園のトレジャーハンター(序盤のみ)

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元記事:宝ヶ崎学園のトレジャーハンター(序盤のみ)の批評の返信

 手塚満様。読んで頂き本当にありがとうございます。自分で書いた文章だとどうも修正箇所を上手く上げることができなかったので、第三者様視点からの感想は大変参考になりました。
 
 なるほど、確かに一章で書きたい事は「遅刻を回避すべく必死な大輔」です。手塚満様のおっしゃるとおり、それ以外で後に説明しても問題のないものは基本省いたほうが良さそうですね。

・本来なら心をときめかせていたであろう大理石の校門や、そこから靴箱まで綺麗に並ぶ桜の木々を楽しむ余裕も今はない。

 この描写は校舎に関する情景を書いていなかったと後から付け足した一文だったのですが……ご指摘頂いてから改めて読み返してみると確かにテンポに間を空けてしまっている気がしました。
 他にも会話文など、テンポよく書きたい時はそのテンポにあった書き方が必要なんだな~と感じました。数年前の書き始めて間もない時に『情景描写が全くできていない』とトラウマになるレベルでご指摘を頂けた機会があったので、少し状況説明に対して敏感になっていたのかもしれません。今回頂いたご指摘を参考にもう一度自分なりに添削をして、より読みやすい文章に出来るようやってみます!

 それと最初のプロローグなのですが、あれは一章の終盤に「この学校には宝物など隠されていない」と確信している大輔ともう一人登場する新入生の子に健兄が「この学校には……伝説の宝物が隠されている」と告げる展開を書きたかったので、それも盛り上げるためにも冒頭に持ってきたのですが、あまり効果はなさそうでしょうか?

それと色々なサイトに「小説は最初の一ページで決まる」などと沢山書かれていたので、冒頭に読者の興味をそそるようなモノを書きたくてあのプロローグを冒頭に置いてみたのですが、あれだとむしろ冒頭の展開が長引くだけでしょうか?

 図々しく申し訳ありません。宜しければそのプロローグと一章の終盤の展開についてのご意見を頂けないでしょうか? 宜しくお願いします。

上記の回答(宝ヶ崎学園のトレジャーハンター(序盤のみ)の批評の返信の返信)

投稿者 手塚満 : 0 投稿日時:

プロローグが関係してくるのが一章の終盤ということでしたら、少々まずいと思います。プロローグの意味が分かるまでは、読者としてはお預け食らってるようなものですから。印象的なシーンではなく、情報の説明のみですから、おそらく忘れてしまいもしそうです。

作者視点ではプロローグの意味は分かっている(一章の終盤に関係するということ)。だけど、読者は作者から教えてもらわない限り、知る由もありません。読者に対する効果は薄そうです。

文章的には悪くないのに、プロローグとはいえ小説本文に含まれているから、余計なものに感じてしまう面が多々あると思います。冒頭は、読んですぐ分かって目を引き付けられるものだけにして、興味を掻き立てて頂くと、残りも読みたくなります。

あのプロローグは、なろうサイトでは「あらすじ」(実は宣伝文句)に置かれるタイプの文章、説明だと思います。この物語が何にまつわるものかということですね。プロローグ最後を、例えば「しかし、宝物に挑む執念の男が現れる。」みたいに締めくくればいかにもなあらすじになりそうです。

今のあらすじですと、全文で「宝ヶ崎学園に隠された伝説の宝物を探す物語。」のみです。これでは、タイトルに目をとめてくれた人を本文ページまで引き込むには弱いんじゃないでしょうか。目次も「プロローグ」「第一章」で内容的な暗示はありません。あくまでも、なろう受けで考えてですが、プロローグはあらすじに移したほうがいいんじゃないかと思います(目次に意味ありげなダブタイトルを付けるとさらに効果的)。

―――――――――――――――――――――

以上とは無関係ですが、説明過多について、どうしてだろうと少し分析的に考えてみました。つい説明や描写が過多になってしまうのは、書き始めの頃の手厳しい指摘があったわけでしたか。
しかし、今の作品を拝読すると、説明・描写技術は充分にお持ちのようです。と、感想だけ言っても曖昧かもしれません。少し、文章に即して優秀性を説明してみます(ただし、この部分は割愛したほうがいいとは思う)。

>  この高校は二年ほど前に例の噂で全国的に注目を集めた学校だが、実はそれ以前からも少し変わった学校と言う事でネットでは話題になっていた。

プロローグから宝の件で引き継いでの紹介でスムーズに導入しておいて、その高校の一般的な特徴も、一般的な高校の差異で説明すると述べているわけですね。これから何を話すかが明快です。

>  まず驚くべきは、その施設の大きさ、そして充実さである。

特徴の大要を簡潔に述べています。もう少し簡潔にするなら「~、施設の大きさと充実ぶりである。」くらいでしょうか。

>  普段登校する本校舎は各学年に二階ずつ分けられた六階建てで、二階から伸びる渡り廊下を進んだ先には各分野の授業を円滑に進める為の教室などがある旧校舎がある。

イメージする起点を本校舎にまず置いておき、「進んだ先」と表現し、てカメラ視点を旧校舎へと移動させてますね。イメージしやすい表現です。
(私などだとつい、「~六階建てで、それと旧校舎が渡り廊下でつながってて、旧校舎では各分野の~」などとやってしまいそう)。

>  そこまでは一般的な学校と同じだけど、この学校は全寮制のため、その校舎の隣には僕らが日々の生活を送る寮が存在するのだ。

「そこまでは~だけど」と言うことによって、ここからがその高校独特の部分になると示せています。続いて「全寮制」という、ここ以降の説明の要となる大枠が提示されている。何を読み取ればいいかが明確で、楽に読ませる工夫が感じられます。

>  その寮は一階が男女兼用の公共スペースとなっていて、二階からはツノが生えている様に二つの建物が伸びており、左が男子塔、右が女子塔と分かれている。

説明の流れが一階から上へと移動しています。これも一読してイメージするのが楽です。
また、さりげなく「男女兼用の」と言ってあることによって、共学であることも示せています(男子校か共学かのイメージの揺らぎがここで解消される)。共学と説明してもいいんですけれど、描写に混ぜて紹介できているのがポイントだと思います。こういう手法を使ってもらえれば、説明のくどさが和らぎます。
2階より上がツインタワーであると示すのに「ツノが生えている様に」はなかなかいい比喩だと思います。イメージがくっきりする。ただ「伸びており」という動きを感じる表現には、状態的な表現「生えている」を「生える」と動的にしてもいいかもしれません。

>  それからサッカーグラウンドや野球場などの運動設備は勿論の事。一度に百人まで入浴出来るらしい清潔感のある大浴場、ボーリング場に室内プール、そして校舎裏には宝ヶ崎学園が所有する山や釣りの出来る川もあるらしく、実にその敷地の大きさは七万平方メートルにも及ぶらしい。

些細なことですが「勿論の事『。』」は「勿論の事『、』」でしょうか。長めの一文ですが、目も滑らずイメージもしやすい。大きさ・規模のイメージが揺らぎやすい大浴場は分かりやすく人数で示してあり、他の大きさが分かる施設は名前だけ示してある点がなかなかのものだと思います。
ただ、この一文はちょっと違和感が生じそうです。「らしい」「らしく」のせいです。他はほとんどが断定しての描写なのに、ここだけは推測になってしまっています。直前での寮の説めは断定的で、こっちが推測のため違和感が生じそうです。なお、直後の校風紹介の「そうだ」なら伝聞で、違和感はありません。
もしかすると、「入学前の主人公があまりにはっきり知っているのはおかしい」と感じて、断言を控えたのでしょうか。今は学校が自校のサイトを持っているのが普通ですから(作中の高校にもあると描写されている)、これくらいは知っていてもおかしくありません。断定で一貫させるか、伝聞形式(ネットで知るのも伝聞の一種)を用いてはどうかと思います。

>  そしてこの学校は『型にはまらない個性のある人材の育成』という理念の元、生徒の自主性、協調性の尊重を重視している。

箱物(ハードウェア)の紹介が済んで、校風(ソフトウェア)となるわけですね。私なんぞですと、箱物それぞれに目的(ソフトウェア)を付して書いてしまいそうです。しかし、そんなことをすると何が言いたいか分からなくなりがちです。そこを避けて、きちんと分けて書いてあるため、物心両面が分かりやすくなっています。

>  その結果、これだけの施設があるにも関わらず面倒くさい校則は殆どなく、更には申請する事でそれらの施設を自由に使う事も出来るそうだ。

ハードウェアとソフトウェアの描写が済んで、ハードウェア+ソフトウェア=システムを簡潔に表現しています。やりたいことがやれる高校ということが、具体的なイメージとして伝わってくる構成になっている点が、説明として優れているように思います。

>  そして、もう一つ。
>  この学校には、他の高校にはない変わったことがある。

そうしておいて、この作品のポイントになる特徴があると示しているわけですね。「そして、もう一つ。」で区切って一呼吸置いているため、注意を引き付けるように書けています。しかし何かは伏せておいて、登校スタートのシーンが始まる。この後を読ませるための「なんだろう?」という興味を掻き立てる段取りが出来ています。

なかなか凄いですよね。これだけ書けると、書いていて面白いんじゃないでしょうか。思い浮かべたことがうまく言語化できるわけですから。それだけに、何を書くかをコントロールしないと、ついつい説明や描写を連ねすぎることになってしまう恐れがあると思います。書こうと思えば書けるんですから、今度は読者の負担を考えて、何を書かないかを工夫するレベルに達しているんだと思います。

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元記事:『フリーターの青年がカレーを食いに行く話』

大野です。
以前、創作相談の方で言っていた『飯テロモノがやりたい』というのを試しに作ってみたものです。

これ自体は2500文字の短編なのですが、こういう感じの『誰かが飯を食いに行く、そして何かを思う』みたいなすごく短い短編を、今回の主人公にしたフリーターの青年中心で連載してみたいと考えています。

『創作相談』の方には、色々と構想中の設定を書き連ねましたが、多分そこらへんは大幅に刷新すると思うので気にしないでください。

作品自体には人間ドラマとか伏線とかはなく、ただ『主人公が飯を食いに行くだけ』です。これが受ける層があるのか、無いのか。というの含めて答えてもらえると嬉しいです。

上記の回答(『フリーターの青年がカレーを食いに行く話』の批評)

投稿者 手塚満 : 1 投稿日時:

創作相談掲示板で、とりあえずお書きになると仰っていたのは、こちらでしたか。あのご質問の続きだと思って、感想を申し上げてみます。

急いだのでしょうか、人称で難が見られるのは残念です。おおむね三人称で進んでいますが、地の文で「俺」が2か所あるのは、はっきり一人称に変わっています。その他の部分でも、かなり一人称的な地の文があり、読んでいてイメージが揺らぎます。思い切って、一人称に切り替えてはどうかと思います。

全体の運びとしては、狙いはいいと思います。下げておいて上げるパターンになってまして、落差分が山場の高さとなり得ます。出だしから下げ始めるのではあるんですが、全体からして短いですし、「飯を食いに行く」は一貫してますので、いわゆるブラバ、離脱等はこのラストまででは起きにくいように思います。

しかし、読者の気分を下げて上げる個々の点では疑問符が付くものが散見されるようです。まず出だしで語られる気候「五月だというのにうだるような熱気」です。要は暑いんですよね? この暑さ、以降で使われていません。

せっかくインドカレー店がメインになるのに。カレーが香辛料をふんだんに使うのは、インドが暑いからだったはずです。最終的にカレー店を選択する理由の1つが暑気払いでもよかったはずです。今の流れを使うなら、出だしの暑さ描写は不要でしょう。

設定は出したら使う、後でも使わないなら削ることを考えるという風にされてはどうかと思います。

同様に、行く先の選択肢の1つ「蕎麦屋」も宙に浮いたまま、消えてしまっています。オムライス屋はいかにも軽い扱いでどうでもいいことが伝わりますが、蕎麦屋のほうが主人公がラーメンがないなら、カレーか蕎麦かと思いめぐらすくらいですから、もう少し丁寧に扱ったほうが効果的のように思います。

この場の思い付きで練れていなくも申し訳ないのですが、蕎麦屋に入りかけたらカレーの匂いがする。カレーうどんかカレー南蛮ですね。一説によると、蕎麦屋/うどん屋で誰かがカレーうどんを注文すると、カレーうどんの注文が相次いで起こるそうです。かなり釣られる匂いみたいです。

御作の主人公ですと、ラーメン以外ならカレーか蕎麦かとまず思い浮かぶわけですから、蕎麦屋でカレーの匂いに気が付き、もう一度通りを見てカレー屋が回転記念日で半額なのを発見、みたいな流れが考えらえます。ですが、現状では単なる選択肢に留まっています。

そういう、出してみただけの設定みたいなものが散見されます。しかし、それらはまだ細かい点です。飯テロ狙いだとすると、おそらく最大の問題点は「主人公が空腹ではない」ということです。少なくともお腹を空かしている様子が感じられません。昼食の時間だから飯食っておこう、でないと晩まで持たないから、みたいな雰囲気を感じます。

せっかく「ちょっと遅めの昼飯」という描写があるのに、それが「空腹」に結びついていない感じです。美味しさを示す基準があるとすれば、「食道楽な彼」という表現くらいでしょう。でも直後の「高すぎず不味すぎずを好む彼」で打ち消されてしまっている。

「空腹」は誰でも経験があります。そのときは無性に飯が食いたいことも実感として分かります。「空腹は最高のスパイス」なんて言葉があり、その通りだと思う人も多い。飯テロ、しかもB級飯においては非常に便利な設定ですのに、なぜか排してある。

飯テロとしては、たとえ量が少なくて味を楽しむ路線もあり得ます。腹を満たすのではなく、舌を楽しませるものですね。スイーツなんかはそういうものになります。ですが、繰り返しですが「高すぎず不味すぎずを好む」で主人公を印象付けてしまっています。それでは、たとえ「美味かった」を繰り返しても美味そうには感じないものです。

やはり、まずは空腹をアピールすべきではないかと思います。それにはカレー屋に行くまでで主人公が急ぐ必要があるでしょうし、カレー屋に入ってからは焦れる必要もあるでしょう。料理が出されたらすかさずむさぼるように食うべきでもあるでしょう。カレーとナンがどういう感じかは、半ば食った主人公が気づくようにすれば、空腹がまぎれ、満たされ始めた感じも同時に伝えることができます。

以上、あくまでも例えばの説明用で、この場の思い付きですので、ベタだし練れていない等はご容赦ください。

その一方、何があるか、誰が何をしているか等の描写自体はよく分かりますので、個々の表現力は大丈夫だと思います。ですので、腹が減った人が何をしそうか、どう考えそうか/感じそうかをリアルに想像して、シーンをイメージしてはどうかと思います(やや腹が減ったときに考えても可ですが、あまりに空腹だとかえってリアリティを欠く運びにしがち)。

繰り返しになりますが、下げておいて上げる構成はいい感じです。全体状況にあるものもうまく設定、選択されていると思います。文章も分かりやすい。後は、主人公の細かい行動や思考、感情の動きですから、今の作品から改稿を重ねれば、数段よくなるはずです(舌を楽しませる路線ですと、変更量は多そう)。

長所。良かった点

一読して分かる描写になっています。それだけの文章力があるように思います。

良かった要素

文章

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要望 : たのもー!(ボコボコにしてください) スレッド: 『フリーターの青年がカレーを食いに行く話』

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元記事:僕と幼なじみとそれから……

エブリスタのファンタジーコンテストの応募作ですが、ファンタジー要素はあまりありません。
自分の中では、結構上手く書けたと思うのですが、自己完結していないか不安です。お手柔らかにご批評賜りたいです。

上記の回答(僕と幼なじみとそれから……の批評)

投稿者 手塚満 : 0 投稿日時:

御作を最後まで拝読は致しましたが、「要望:長所を教えてください!」ということから、感想投稿は避けようと思いました。が、返信欄で「要望を変えることを失念していて、~」と仰ってお出でなのに気が付きました。

自分なりの感想を申し上げるとすれば、「ラストのオチからすると、そこまでがあり得ない運び、もしくはそう思われるリスクがあること」をまず申し上げる必要がありそうです。

そういうものを必ずしもご希望にならないのでしたら、この投稿はお捨て置きください。もしネガティブな見方も一応は聞いてやる、というお気持ちでしたら、どの程度まで許容頂けるかも含めて、お示しくださると幸いです。

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要望 : 長所を教えてください! スレッド: 僕と幼なじみとそれから……

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バーボチカの冒険 ~激震のフロンティア~

投稿者 鬼の王無惨 返信数 : 3

投稿日時:

どうもこんにちは。久しぶりに作品を掲載させて頂きます。 ちなみにこちらの方でもかつて名乗った名は書きません。あくまでここではラ研の... 続きを読む >>

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投稿者 初書ミタ 返信数 : 2

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キャラのセリフに力を入れています。 文章はわかりやすさ重視なので表現は下手です。 続きを読む >>

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武装男「ウェポンガイ」

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元記事:陰キャラのヒロシくんは結婚がしたい。

最後まで読んでいただけると大変ありがたいのですが、最初から、あるいは途中からダレてきて、読むのが苦しくなった際は、すぐに読むのを中断していただいても構いません。どの辺から読む気にならなくなったのか、教えていただけると幸いです。

ついでに、読んだところまでの地の文と会話文の両方を批判していただけるとなお、ありがたいです。

誹謗中傷も、喜んで承ります。

よろしくお願いします。

上記の回答(陰キャラのヒロシくんは結婚がしたい。の批評)

投稿者 Andy : 1 投稿日時:

Andy です
そもそも日本語が変かもしれませんが、コメントさせていただきます(英語も変です)
(If you hope, you may have the chance of getting the English feedback which may be better than the Japanese in this situation.)
辛口だと思いますが、ご了承ください

読んだのは、プロローグと第1話です
大体10000文字あるので、読むのに30分かかる人がいても、変とは言えない分量と考えています

一番気になるのは、設定の記述の多さです
例えば豚畜生の前では、
『馬→スピード2倍』『馬→魔法が使えない』『馬→需要が高い』
『クラスチェンジ→ボスが目標→雑魚はスルーしたい→目つぶし』
などがありますが、この論理は一般ではないので、読みづらい印象を与えると思います

二つ目はジャンルの設定の適切さです
ラブコメ 恋愛 ネトゲ― オンラインゲーム 友情 学園
と表記されていますが、第1話まで読んでも(30分より少ないくらい)、ラブコメも恋愛もありません
(プロローグに文字としてはありますが)
これは、興味を持った人が裏切られたように感じてしまうのが、損をしていると思います

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要望 : たのもー!(ボコボコにしてください) スレッド: 陰キャラのヒロシくんは結婚がしたい。

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元記事:僕たちの異世界転生はTV局に仕組まれていました〜最初の犠牲者は最強チート高校生!?〜

異世界転生しない異世界転生小説です。今回はこの作品の欠点を皆様に教えていただこうと思っています。
「この表現はいらない」や「こういった点はちょっと……」など、この作品を読んで気になった点を教えていただけたら幸いです。
 それとこの小説はパロディーネタが多いのですが、「ここはいらない」などといった点も教えていただけると嬉しいです。

上記の回答(僕たちの異世界転生はTV局に仕組まれていました〜最初の犠牲者は最強チート高校生!?〜の批評)

投稿者 いとなしサテラ : 1 投稿日時:

 どうも。読者のサテラです。とりあえず一話を読んでみて思ったことがあるので書きますね。キツいことも書くかもしれませんがご了承ください。
 そうですね。一回冷静になりましょう。全体的な雰囲気として、作者のあなたが冷静さを欠いています。客観的になれていない部分が多々あります。もっと落ち着いて自分の文章を読み返してみましょう。
 まあ、こんなことを言われても実感沸かないと思います。ですから、第一話の具体的な部分とともに解説していきたいと思います。客観的になれていないと私が判断した理由について。

①時代を考えよう
 まず、『異世界転生』の説明が変です。「近年、若者たちを夢中にさせるライトノベルのジャンル」という部分。何がおかしいかわかるでしょうか。『近年異世界ものが人気』なのは、我々の時代。2017年前後の話なんですよ。
 一応確認ですが、未来の話ですよね? 未来の話であれば書き方は変わるはずです。書き換えの例は後で書きます。

②視聴者層を考えよう
 この番組はどこの誰へ向けた放送なんでしょう。オタクか。一般人か。それによって説明しなきゃいけない言葉も変わってきます。
 オタク向けだったとしても、我々の時代とは違います。未来のオタ文化ができているはずです。「異世界ものはオワコン」が常識の未来だってありえます。
 とりあえず、非オタクの人が聞いてもわかるレベルで説明しておくのが無難です。

 ①時代と②視聴者層を踏まえた上で、異世界転生を説明すると以下のようになります。

ーーーー
 若者向けの娯楽小説、ライトノベル。そんなライトノベルにおいて、二十世紀前半から根強い人気を誇ってきた一つのジャンルがあります。それが『異世界転生』です。現代で死んでしまった主人公が、全く別の世界、異世界で生まれ変わって大活躍するという冒険ものです。
ーーーー

 いかがでしょう。ラノベと異世界ものの説明だけでコレなんです。なんとなくわかっていただけたでしょうか。
 その世界の人たちの言葉で書かれていないと、読者は冷めます。文字からイメージを膨らませるのは読者の仕事です。作者は、イメージを文字にするのが仕事です。登場人物の目から見える光景を、登場人物のクチから出る言葉で書いてみましょう。
 また、普通の言葉で説明する、ということも本当に大事です。誰にでもわかる言葉で書かないと、読者の誰かを切り捨ててしまうんです。作中の視聴者層、作品の読者層を意識してみてください。無知で非オタな視聴者にもわかるように説明しましょう。

③そもそも騙されているのがおかしい
 序盤ですら、主人公を騙せているのが不思議です。そう思わせる要素がいくつかあります。設定不足とも想像力不足とも言えます。

◇序盤の違和感◇
(1)映像と役者だけじゃ誤魔化せない。環境音と匂いと手触りはどうしているのか。

(2)ソレっぽいゲームが出てそう。オタクならVR→異世界もの、みたいな妄想してそう。

(3)CMやるほどだったらニュースでVR機器の現状くらい誰でも知ってるはず。まず可能性として、そこを疑わないのは変。

(4)望月君が最初に全く疑わない時点で、精神的にどこか壊れている。妄想と現実の区別がついていないのは普通ではない。番組で「思い込みが激しい」くらいは言っておくべき。

 今一度、設定が甘くないか考えてみてください。

④番組が公平性を欠いている
 主人公がゼウスと会話するシーンですが、説明しているのはゼウスの方ですよね? 望月君が痛々しい妄想をしていたとしても、痛々しい設定を喋ったのはゼウスの方ですよね。
 では、どうして番組内では「彼の考えた痛い中二病設定についていったあの神様役のおじいさん」なんていうセリフが出てくるのでしょう。一度、冷静になって考えてみてください。
 番組のコメントも遠回しに望月君をバカにしているように感じて不快です。放送されたら絶対コレ炎上しますよ。望月君は芸人じゃない一般人ですからね。一般人をバカにしたら視聴者の反感を買いますから。たまにはバラエティ番組を真剣に見てみてください。

⑤シーンはしっかり描写しよう
 主人公が書店に訪れたシーンはなんのために書いたのでしょうか。役割としては、主人公の現実と非現実の分岐点、と言えます。しかし、番組自体は主人公の目が覚めたところから始まっているので省略もできます。必要とも不要とも言える部分なんです。
 どうしても直前の主人公のシーンを入れたいのであれば、しっかりと書きましょう。中途半端が一番いけません。

◇原文抜粋◇
ーーーーーー
 いつも通り学校帰りに書店に寄り、一番の娯楽である異世界転生もの小説を買いに行った。
 入荷していた新刊に描かれた”金髪碧眼エルフ”に心を奪われていた俺は、背後から近づいてくる男に気づかなかった。
 その男に睡眠薬のようなものを飲まされて、目覚めたらそこはさっきまでの書店ではなく豪華絢爛の神殿だった。
ーーーーーー
↓お試し推敲

◇しっかり書く場合◇
ーーーーーー
 あの日、俺はいつも通りの行動をした。学校帰りに書店に寄ったのだ。俺にとって一番の娯楽である、異世界転生ものの小説を買うためだった。
 店内にて、新刊をチェックしていた俺の目を奪ったのは〝金髪碧眼エルフ〟の表紙だった。金糸のようで美しい髪。緑色の大きな瞳。耳たぶの先が尖った特徴的な耳。俺の大好物だ。幼い外見の可愛らしい少女であればなお良い。
 だから、いつものように本を手にとって眺めてしまった。背後に俺の様子をうかがっている誰かがいたというのに。
 美少女エルフちゃんを前に、頬もクチも緩んでいた当時の俺。俺の背後の男は、俺の明らかな隙を見逃さなかった。男の手によって口内に突っ込まれるラムネ状の固形物。薬か!? ドラッグ、毒薬、薬物、そういう言葉が頭の中に浮かんだ。
 男は手で俺のクチを覆った。開かないように男の手に力が入る。異物を放りこまれただけで気持ち悪かったのに。俺はより気分が悪くなった。吐き出したい。しかし、我に返った。金髪碧眼エルフの目の前じゃないか! いくらフィルムに包まれている本でもダメだ。水を吹き掛けたりしたら俺は俺が許せなくなる。だから、俺は錠剤も水も飲みこんだ。こうするしかないと判断した。今思えばバカだ。俺の意識はすぐに途切れた。
 寝ていた、ということに気が付いた時、俺は知らない場所にいた。不快感のない冷たい空気が場を満たしている。とても白い場所だ。視界に入るのは、白い石で造られたであろう、美しい彫刻・美術品。……豪華絢爛な神殿。ソレが俺の受けた印象だった。
ーーーーーー

 はい。かなりアレンジ加えちゃいました。
 主人公が睡眠薬だと知ってるわけがないので、曖昧に書きました。主人公の視点が行方不明だったため、未来の主人公が当時を思い出して語ってるように書きました。「あの日」「当時」「今思えば」で語り部との時間差を強調しました。薬だけ飲ませるのって難しくないか、と思って水を追加しました。

 ちなみに、書店のシーンを省略せずに、神殿から物語を始める方法もあります。

◇神殿から始める場合◇
ーーーー
 俺はある日突然、知らない場所で意識を取り戻した。
 あれ。寝てるのにいつもの布団じゃない。どういうことだ。
 目を開けた俺の目に飛び込んできたのは全く知らない内装の空間だった。神々を象ったであろう像、絵画、装飾の数々。注ぎ込んでくる柔らかな光。澄んだ清らかな空気。この場所を一言で表すなら神殿という言葉がぴったりだ。
 ちょっと待て、おかしいぞ。俺は本屋で『金髪碧眼エルフ』の本を探してたはずじゃ……。
(書店のシーンに続く)
ーーーー

 はい。結局、私が言いたいのは、色んな書き方があるよってことです。
 色んな書き方があるんですが、作者目線になっちゃうとおかしいところも出てくるので、冷静になりましょう。

 まあ、私から言えることは以上ですかね。

 最後に。熱意だけで書いた文章は、自己満足で終わりやすいです。自分と似たような人にしか伝わりません。色んな人が満足する、他者満足にするためには、冷静さと客観性が必要です。同じことをもっと色んな角度から見て表現してみましょう。それができれば今書いている作品ももっと素晴らしい表現で書けるはずです。
 期待しているので頑張ってくださいね。

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要望 : 欠点の指摘歓迎! スレッド: 僕たちの異世界転生はTV局に仕組まれていました〜最初の犠牲者は最強チート高校生!?〜

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元記事:引っ越してからの日々

序盤が冗長になっていると思います。それ以外は、まぁまぁだと思います。
エブリスタで開催されている、超妄想コンテスト応募作です。私はここのサイトの利用は初めてなので、間違っていたら指摘してください。
五千字ほどの掌握小説です。

上記の回答(引っ越してからの日々の批評)

投稿者 スイッチ : 1 投稿日時:

地の文が上手くストーリーに集中して読むことができました。
現実味のあるホラーで恐怖を身近に感じられるのがこの話の醍醐味だと感じました。
ただ3ページ目の「やっとこ帰ってくると、」の「やっとこ」はやっとのことでの誤字でしょうか。

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https://estar.jp/novels/25614735

要望 : たのもー!(ボコボコにしてください) スレッド: 引っ越してからの日々

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