小説のタイトル・プロローグ改善相談所『ノベル道場』

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元記事:幻想砂漠(仮題)

創作相談掲示板のほうにも投稿させていただきました、仮想現実を舞台にした話です。

ストーリーを語らずに見せる、スピード感のある文体を模索しています。
描写の過不足や場面の組み立てなどについて、ご意見をいただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。

上記の返信(幻想砂漠(仮題)の返信)

スレ主 柊木なお : 0 投稿日時:

ストーリーのほうを先に進めなきゃと思いつつ、せっかく良いアドバイスをいただいたのに放置するのもあれなので。意識した点は以下のとおりです。
・音を含め、もう少しリアルな質感を出すように
・導入なので、キャラクターの性格と背景をもう少し明らかに
・主人公がいずれ赴くであろう場所のヤバさを強調して、今後のストーリーに期待感を持たせる
・ひとつひとつのやり取りやアクションが味気なかったので、ちょっと増量
個人的な好みで言えばもっと書き込んでもいいのですが、今回はさくさくシーンを進めて、とにかくストーリーを追ってもらいたいので、これぐらいが限度でしょうか。
特にシーンのテンポや長さが適切かどうか(好みにもよると思うので、主観的な感想でも構いません)、ご意見をいただけるとありがたいです。
もちろん他のアドバイスもお待ちしています。

 ひな型から余分を削ぎ落とした、整然としたオフィス。
 革張りの椅子に深く沈み込み、クラウはいかにもやる気のない様子で、手元の端末をいじっている。
 ふと誰かの視線を感じて、顔を上げる。
 入室を許可した覚えもなければ、見たこともない少女が目の前にいる。
「腕の良い運び屋を探してるんだけど」
 いかにも良いとこのお嬢様。〈レーヴ〉風の活発なパンツスタイル。
 にこりともせず、深々と青い瞳でクラウを見つめている。
 ちょっとしたホラーである。
 が、裏稼業はビビったら負けだ。
 人差し指でさりげなくデスクを二回叩く。こつ、こつ。 
 つとめて何事もなかったふうを装って、手元の作業に戻る。
「こっちが探してるのは依頼人だ。迷子じゃなくてな」
 スクリーンの起動音。
 再び顔を上げたクラウの目と鼻の先で、シティ・バンクの残高証明が展開されていく。
 わざわざ数えるのも億劫になりそうな、天文学的数字の羅列。
 名義人は、空欄。一般市民には縁のない、クラウからすれば見飽きた、大なり小なりの犯罪者御用達の裏口座。
 ため息をひとつ。端末をデスクの上に投げ出し、面倒くさそうに少女を見やる。
「で?」
 スクリーンが消える。
「セイクルスまで。期限は明後日の12時」
 大陸の向こう側にある、海を望む大都市だ。
「北ルートなら5日、南ルートなら一週間。うちより早いところを見つけたら逆に教えてくれ」
 少女は首を傾げる。
「なんでわざわざ遠回りするの?」
 クラウは小馬鹿にしたように笑う。
「なんで?」
 ぐるりと椅子を回して、背後にある大きな窓を振り返る。
 そこに広がるのは砂が渦巻くばかりの荒野。悪意ある怪物のように蠢く。すすり泣きにも似た風切り音が、ガラス越しにかすかに聞こえてくる。
「どうして未開発領域があんな異様な風景に設定されてるか、知ってるか? まともな感性のやつが、ちゃんと二の足を踏むようにさ。あんなとこに踏み込んだら、二度と帰ってこれるわけがない……ってな」
 少女はため息をつく。
「要するに、どういうこと?」
「〈レーヴ〉で未開発領域を横断しようなんてのは、白血球にアカウントをBANされたい自殺志願者か、不整合データに脳みそをぐちゃぐちゃにされたい変態だけだってことだ。……授業料はいらないぞ。ただの常識だからな」
 少女はちょっと考えて、うなずいた。
「あなたには無理ってことね。他をあたるわ」
 クラウの口元が引きつる。
 が、すぐに余裕ぶった大人の笑みを浮かべ、
「まあ待て。とりあえず、理由を話してみろよ。俺だって鬼じゃない、次第によっちゃ相談ぐらいは乗ってやる」
 少女がにやりとする。
「できないんでしょ? 悪いけど、私も暇じゃないの」
 ログアウト。
 少女の姿がかき消える。
 ほっぺたを引っ叩きたくなるような、生意気な笑みの余韻を残して。
 舌打ち。しばし中空を睨みつけ、
「エル」
 じわりと滲み出すように、一匹の黒猫がデスクの上に現れる。
 普通はもっと部屋の隅とかに隠れてるもんだろ、とクラウは呆れる。とはいえ、その大胆さに正当な実力の裏付けがあることは、相方としてもちろん知っている。
 黒猫は楽しげに尻尾をひと振り。若い女の声で言う。
「ずいぶん面白い子に絡まれたね。相手する気がないなら、最初から入れなきゃ良かったのに」
「許可してない。勝手に入ってきた」
「あらら」
 エルはひょいとデスクから飛び降りる。
 足音もなく塵ひとつない床を行ったり来たりしながら、
「ごめんだけど、捕まえられなかった。というより……なんだろ、これ。ログ見るかぎりね、ダミーアカウントですらないみたい。でも、こんな完ぺきに痕跡を消すなんて、私でも……。あの子、ほんとに実在してるのかな?」
 クラウはデスク上にスクリーンを展開する。
 苛立たしげな音を立てて、めちゃくちゃなスピードでコンソールを叩く。
「馬鹿馬鹿しい。幽霊が〈レーヴ〉にアクセスできるかよ」
 入退室ログ。
 確かに、ゲストアカウントの記録はない。ざっと見たところ、不審な改ざんの痕跡もない。
 エルが肘掛けに飛び乗ってきて、一緒になってスクリーンを見つめる。
 手のほうは忙しなく動かし続けながら、
「そういやお前、やけに来るのに時間かかったな。かつあげでもしてたのか?」
 トラフィックの監視ツールに質問を送る。
 技術者資格を剥奪される前、まだ〈レーヴ〉の開発にいた頃に、白血球のソースコードをこっそりパクってきて流用したものだ。
「あたらないでよ。私はあなたの召使いじゃないし、追跡は専門外だし、頭を捻るのはそっちの仕事」
「さいですか」
 回答。少女が現れる前と後で、不自然な通信量の変化はない。
 クラウはぎしりと背もたれに寄りかかり、ため息をつく。
 なるほど、彼女は本当に幽霊なのかもしれない。
 ふと思いついて、自身の会話ログにコマンドを送ってみる。
 0と1に分解された少女とのやりとりが、スクリーン上で再現される。
 滝のように流れる文字を目で追う。
 それほど期待していたわけではない。
 が、その手がぴたりと止まった。
 スクロールを逆転。
 一時停止。
「……舐めくさってんな」
 どれどれ、とエルが覗き込む。
 まるっきり暗号めいた文字列の中に、それを見つける。
 素人はもちろん、一流のプロですら見落としそうなほど巧妙なやり方で仕込まれた、砂漠の街の展望台を指し示す座標。
「次の面接会場ってわけだ」
 エルはクラウを見上げる。目が笑っている。
「で、行くの? 行かないの?」
 クラウは物も言わず、座標をダウンロードし、スクリーンを消去する。
 目を閉じて、深々と息を吐く。
 ややあって、
「ちょっくらおめかしするか」
 そう言った。コンソールを押しのけて立ち上がり、そのまま出ていくのかと思いきや、窓のほうに歩み寄って、地平の彼方まで続く荒野を眺める。
 第二の現実を謳う、人々の夢と夢を繋いだ仮想空間〈レーヴ〉。
 クラウが自分好みに設計した、快適そのもののオフィスとは訳が違う。
 そう。
 窓の外に広がる砂が渦巻くばかりの荒野は、開発がクラッカー対策に放った白血球プログラムや、エラーまみれの悪夢の残滓がひしめく、前人未踏の未開発領域だ。
 エルは少し首を傾げ、
「あら意外。やっとお金の大切さがわかった?」
「お前と一緒にすんな」
 振り返る。
 憤懣やる方なしという表情には、どこか期待するような色も混ざっている。
「乗るかどうかは俺が決める。いくら積まれようが関係ない。が、それはそれとして……」
 再び荒野に視線を戻して、口の端を釣り上げる。
「クソガキにはお仕置きが必要だよな」
 ログアウト。

スレッド: 幻想砂漠(仮題)

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元記事:幻想砂漠(仮題)の返信

ストーリーのほうを先に進めなきゃと思いつつ、せっかく良いアドバイスをいただいたのに放置するのもあれなので。意識した点は以下のとおりです。
・音を含め、もう少しリアルな質感を出すように
・導入なので、キャラクターの性格と背景をもう少し明らかに
・主人公がいずれ赴くであろう場所のヤバさを強調して、今後のストーリーに期待感を持たせる
・ひとつひとつのやり取りやアクションが味気なかったので、ちょっと増量
個人的な好みで言えばもっと書き込んでもいいのですが、今回はさくさくシーンを進めて、とにかくストーリーを追ってもらいたいので、これぐらいが限度でしょうか。
特にシーンのテンポや長さが適切かどうか(好みにもよると思うので、主観的な感想でも構いません)、ご意見をいただけるとありがたいです。
もちろん他のアドバイスもお待ちしています。

 ひな型から余分を削ぎ落とした、整然としたオフィス。
 革張りの椅子に深く沈み込み、クラウはいかにもやる気のない様子で、手元の端末をいじっている。
 ふと誰かの視線を感じて、顔を上げる。
 入室を許可した覚えもなければ、見たこともない少女が目の前にいる。
「腕の良い運び屋を探してるんだけど」
 いかにも良いとこのお嬢様。〈レーヴ〉風の活発なパンツスタイル。
 にこりともせず、深々と青い瞳でクラウを見つめている。
 ちょっとしたホラーである。
 が、裏稼業はビビったら負けだ。
 人差し指でさりげなくデスクを二回叩く。こつ、こつ。 
 つとめて何事もなかったふうを装って、手元の作業に戻る。
「こっちが探してるのは依頼人だ。迷子じゃなくてな」
 スクリーンの起動音。
 再び顔を上げたクラウの目と鼻の先で、シティ・バンクの残高証明が展開されていく。
 わざわざ数えるのも億劫になりそうな、天文学的数字の羅列。
 名義人は、空欄。一般市民には縁のない、クラウからすれば見飽きた、大なり小なりの犯罪者御用達の裏口座。
 ため息をひとつ。端末をデスクの上に投げ出し、面倒くさそうに少女を見やる。
「で?」
 スクリーンが消える。
「セイクルスまで。期限は明後日の12時」
 大陸の向こう側にある、海を望む大都市だ。
「北ルートなら5日、南ルートなら一週間。うちより早いところを見つけたら逆に教えてくれ」
 少女は首を傾げる。
「なんでわざわざ遠回りするの?」
 クラウは小馬鹿にしたように笑う。
「なんで?」
 ぐるりと椅子を回して、背後にある大きな窓を振り返る。
 そこに広がるのは砂が渦巻くばかりの荒野。悪意ある怪物のように蠢く。すすり泣きにも似た風切り音が、ガラス越しにかすかに聞こえてくる。
「どうして未開発領域があんな異様な風景に設定されてるか、知ってるか? まともな感性のやつが、ちゃんと二の足を踏むようにさ。あんなとこに踏み込んだら、二度と帰ってこれるわけがない……ってな」
 少女はため息をつく。
「要するに、どういうこと?」
「〈レーヴ〉で未開発領域を横断しようなんてのは、白血球にアカウントをBANされたい自殺志願者か、不整合データに脳みそをぐちゃぐちゃにされたい変態だけだってことだ。……授業料はいらないぞ。ただの常識だからな」
 少女はちょっと考えて、うなずいた。
「あなたには無理ってことね。他をあたるわ」
 クラウの口元が引きつる。
 が、すぐに余裕ぶった大人の笑みを浮かべ、
「まあ待て。とりあえず、理由を話してみろよ。俺だって鬼じゃない、次第によっちゃ相談ぐらいは乗ってやる」
 少女がにやりとする。
「できないんでしょ? 悪いけど、私も暇じゃないの」
 ログアウト。
 少女の姿がかき消える。
 ほっぺたを引っ叩きたくなるような、生意気な笑みの余韻を残して。
 舌打ち。しばし中空を睨みつけ、
「エル」
 じわりと滲み出すように、一匹の黒猫がデスクの上に現れる。
 普通はもっと部屋の隅とかに隠れてるもんだろ、とクラウは呆れる。とはいえ、その大胆さに正当な実力の裏付けがあることは、相方としてもちろん知っている。
 黒猫は楽しげに尻尾をひと振り。若い女の声で言う。
「ずいぶん面白い子に絡まれたね。相手する気がないなら、最初から入れなきゃ良かったのに」
「許可してない。勝手に入ってきた」
「あらら」
 エルはひょいとデスクから飛び降りる。
 足音もなく塵ひとつない床を行ったり来たりしながら、
「ごめんだけど、捕まえられなかった。というより……なんだろ、これ。ログ見るかぎりね、ダミーアカウントですらないみたい。でも、こんな完ぺきに痕跡を消すなんて、私でも……。あの子、ほんとに実在してるのかな?」
 クラウはデスク上にスクリーンを展開する。
 苛立たしげな音を立てて、めちゃくちゃなスピードでコンソールを叩く。
「馬鹿馬鹿しい。幽霊が〈レーヴ〉にアクセスできるかよ」
 入退室ログ。
 確かに、ゲストアカウントの記録はない。ざっと見たところ、不審な改ざんの痕跡もない。
 エルが肘掛けに飛び乗ってきて、一緒になってスクリーンを見つめる。
 手のほうは忙しなく動かし続けながら、
「そういやお前、やけに来るのに時間かかったな。かつあげでもしてたのか?」
 トラフィックの監視ツールに質問を送る。
 技術者資格を剥奪される前、まだ〈レーヴ〉の開発にいた頃に、白血球のソースコードをこっそりパクってきて流用したものだ。
「あたらないでよ。私はあなたの召使いじゃないし、追跡は専門外だし、頭を捻るのはそっちの仕事」
「さいですか」
 回答。少女が現れる前と後で、不自然な通信量の変化はない。
 クラウはぎしりと背もたれに寄りかかり、ため息をつく。
 なるほど、彼女は本当に幽霊なのかもしれない。
 ふと思いついて、自身の会話ログにコマンドを送ってみる。
 0と1に分解された少女とのやりとりが、スクリーン上で再現される。
 滝のように流れる文字を目で追う。
 それほど期待していたわけではない。
 が、その手がぴたりと止まった。
 スクロールを逆転。
 一時停止。
「……舐めくさってんな」
 どれどれ、とエルが覗き込む。
 まるっきり暗号めいた文字列の中に、それを見つける。
 素人はもちろん、一流のプロですら見落としそうなほど巧妙なやり方で仕込まれた、砂漠の街の展望台を指し示す座標。
「次の面接会場ってわけだ」
 エルはクラウを見上げる。目が笑っている。
「で、行くの? 行かないの?」
 クラウは物も言わず、座標をダウンロードし、スクリーンを消去する。
 目を閉じて、深々と息を吐く。
 ややあって、
「ちょっくらおめかしするか」
 そう言った。コンソールを押しのけて立ち上がり、そのまま出ていくのかと思いきや、窓のほうに歩み寄って、地平の彼方まで続く荒野を眺める。
 第二の現実を謳う、人々の夢と夢を繋いだ仮想空間〈レーヴ〉。
 クラウが自分好みに設計した、快適そのもののオフィスとは訳が違う。
 そう。
 窓の外に広がる砂が渦巻くばかりの荒野は、開発がクラッカー対策に放った白血球プログラムや、エラーまみれの悪夢の残滓がひしめく、前人未踏の未開発領域だ。
 エルは少し首を傾げ、
「あら意外。やっとお金の大切さがわかった?」
「お前と一緒にすんな」
 振り返る。
 憤懣やる方なしという表情には、どこか期待するような色も混ざっている。
「乗るかどうかは俺が決める。いくら積まれようが関係ない。が、それはそれとして……」
 再び荒野に視線を戻して、口の端を釣り上げる。
「クソガキにはお仕置きが必要だよな」
 ログアウト。

上記の返信(幻想砂漠(仮題)の返信の返信)

スレ主 柊木なお : 0 投稿日時:

プロットの変更に伴い、全面的に改稿しました。
引き続き、アドバイスをいただけるとありがたいです。

==

 電脳空間レーヴ。人々の夢と夢を繋いだネットワーク上に創られるのは、誰もが自由を楽しめる世界のはずだった。

 ※

「運び屋を探してるんだけど」
 入ってくるなり、少女はそう言った。
 ひな形から余分を削ぎ落とした整然としたオフィス。真ん中に置かれた幅広のデスク。
 皮張りの椅子に沈み込んでいたクラウは面倒くさそうに顔を上げ、風変わりな闖入者を観察する。
 ゆるやかなウェーブのかかった赤髪、いかにもお嬢様然とした雰囲気。
 レーヴで流行りの活発なパンツスタイルは良家の子女には相応しくないかもしれないが、少女の勝気な瞳を見れば、それはそれで似合っていると言えなくもない。
 すぐに興味を失って、手元の端末に目を落とす。
「こっちが探してるのは依頼人だ。迷子じゃなくてな」
 スクリーンの起動音。
 クラウの目と鼻の先に、シティ・バンクの預金通帳が展開されていく。
 桁を数えるのも億劫になりそうな天文学的残高。
 しかしそれ以上にクラウの目を引いたのは、左上に表示されている名義人の欄だった。
 アリス=シャフト。
 偶然ではないだろう。忘れもしない。シャフト社といえば、レーヴの開発に初期から関わっていて、今や世界有数の規模に成長した複合企業だ。
「それで?」
 言いながら、デスクの引き出しに手が伸びそうになる。
 そこには文房具でもグラフ用紙でもない、装填済みの五十口径が鎮座している。前の職場にいたときに詳しい同僚に聞きながら設計したもので、威力は折り紙つき。使いどころは難しいが、たとえば至近距離で誰かの頭を吹っ飛ばしたい気分になったときにはちょっと便利かもしれない。
 少女――アリスは落ち着き払っている。淡々と依頼内容を告げる。
「セイクルスまで。期限は明後日の正午」
 大陸の反対側にある、海を望む大都市だ。
「北ルートなら5日、南ルートなら一週間。うちより早いところを見つけたら逆に教えてくれ」
 アリスは首を傾げる。その視線はクラウの背後に向けられている。
「なんでわざわざ遠回りするの?」
 クラウはせせら笑う。
「なんで?」
 椅子を回して、大きな窓を振り返る。
 そこに広がるのは砂が渦巻くばかりの荒野だ。すすり泣きにも似た風切り音が、ガラス越しにかすかに聞こえてくる。
「どうして未開発領域がああいう風景に設定されてるか、知ってるか? まともな感性のやつが、ちゃんと二の足を踏むようにさ。あんな場所に入ったら、無事に出てこれるわけがない……ってな」
 そう言って、アリスのほうを振り返る。
 アリスは訝しげに眉をひそめる。
「よくわかんないけど。あなたには無理ってこと? なら他を当たるわ」
 ひとつめ。生意気な少女の顔を胡乱げに眺めながら、そっと引き出しの把手に触れる。仏の顔も三度までだ。あとふたつ舐めた口を利いたら脳みそをぶち撒けてやろう、と心に決める。
 どうせ夢の中だ。本当に死ぬわけではないのだ。ショックは本物だし、トラウマぐらいは残るかもしれないが。
「とりあえず理由を話してみろよ。相談ぐらいは乗ってやらんでもない」
「できないんでしょ? 私も暇じゃないの」
 ふたつめ。
「できないとは言ってない。だが、うちの方針で客は選ぶんだ」
「報酬の話?」
 クラウは鼻で笑う。
「何でも金で解決できると思ってるなら、さすがとしか言いようがない英才教育だな」
 アリスはクラウをじっと見つめ、
「お金だけじゃないとしたら?」
「あ?」
「腕は一流だけど頑固だって聞いてたから。調べさせてもらったの、あなたの経歴。私はあんまり知らないけど、ワールドメイカー……だっけ? レーヴの開発部にいたのよね。で、不祥事で追い出された。そうでしょ?」
 みっつめ、どころの騒ぎではなかった。
 ワールドメイカー。今や世界中の人々が日常的に利用するようになったレーヴの基礎を築き上げ、その発展を担っている公認の技術者たち。かつてクラウが理想のために身を粉にして働いていた場所。
 いきなり現れて、他人の過去に土足で踏み入る傲慢さ。ついでに鼻持ちならない大企業の娘となれば、気持ちとしては十回殺してもまだ足りないぐらいだ。
「失せろクソガキ。さもないと」
 半ば本気で引き出しを開け、
「開発部に戻れるようにしてあげる。それが今回の報酬」
 その手が止まった。引き出しを元に戻す。
「……なんだって?」
 アリスは言う。
「もちろん、私自身に権限があるわけじゃないけど。それができる人に紹介してあげるわ。あなたが何をやらかしたのか知らないけど、多分どうとでもなるんじゃない?」
 もちろんそのとおりだ。シャフト社の威光が通用しない場所など、現実世界にもレーヴ上にもそうそうない。だが、
「ガキの言うことなんて真に受けると思うか?」
 アリスは肩をすくめる。
「信じるのも信じないのもあなたの勝手。これは純粋な取引だもの」
 舌打ち。純粋な取引などこの世に存在しない、とクラウは思う。そこにあるのは打算と妥協と、歴然とした力関係だけだ。
「……エル」
 クラウの呼びかけに応えて、デスクの真ん中の空気が揺めいた。しなやかな黒猫が滲み出るように姿を表す。完璧な迷彩。
「わ」
 アリスが目を丸くする。先ほどまでとは打って変わって、年相応に隙だらけの表情を見せる。
 黒猫――エルは尻尾をひと振り、広々としたデスクをとことこ横切って、端っこで置物のように丸くなる。顔だけクラウのほうに向け、
「お金がもらえるなら、私はどっちでも」
 若い女の声でそう言うと、あとは任せたとばかりに目を閉じてしまう。
 ため息をひとつ。
 そんなふうに割り切った態度で物事を見ることができたらどんなに楽だろう、とクラウは思う。
 ふとアリスのほうを見やれば、まだポカンとしてエルを眺めている。
 なんだか急に毒気を抜かれてしまった。
「おい」
 アリスが振り向く。
「さっきの話、本当だろうな?」
 気を取り直したように、
「……もちろん。約束は守るわ」
 クラウは背もたれに深々と身を沈めた。椅子を半分回して、窓の外に視線を向ける。
 地平の彼方まで続く荒野。
 目的地の街との間に横たわっているのは、ただの砂が渦巻くばかりの荒野ではない。開発部がクラッカー対策に放った白血球プログラムや、エラーまみれの誰かの悪夢の残滓がひしめく、前人未踏の未開発領域だ。
 クラウはしばらく無言で荒野を眺め、悩みに悩んだ末に、ようやくアリスに向き直る。
 まるで物怖じしない少女を見返して、投げ出すように言った。
「まずは打ち合わせから。契約の話はそのあとだ」

スレッド: 幻想砂漠(仮題)

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元記事:幻想砂漠(仮題)の返信の返信

プロットの変更に伴い、全面的に改稿しました。
引き続き、アドバイスをいただけるとありがたいです。

==

 電脳空間レーヴ。人々の夢と夢を繋いだネットワーク上に創られるのは、誰もが自由を楽しめる世界のはずだった。

 ※

「運び屋を探してるんだけど」
 入ってくるなり、少女はそう言った。
 ひな形から余分を削ぎ落とした整然としたオフィス。真ん中に置かれた幅広のデスク。
 皮張りの椅子に沈み込んでいたクラウは面倒くさそうに顔を上げ、風変わりな闖入者を観察する。
 ゆるやかなウェーブのかかった赤髪、いかにもお嬢様然とした雰囲気。
 レーヴで流行りの活発なパンツスタイルは良家の子女には相応しくないかもしれないが、少女の勝気な瞳を見れば、それはそれで似合っていると言えなくもない。
 すぐに興味を失って、手元の端末に目を落とす。
「こっちが探してるのは依頼人だ。迷子じゃなくてな」
 スクリーンの起動音。
 クラウの目と鼻の先に、シティ・バンクの預金通帳が展開されていく。
 桁を数えるのも億劫になりそうな天文学的残高。
 しかしそれ以上にクラウの目を引いたのは、左上に表示されている名義人の欄だった。
 アリス=シャフト。
 偶然ではないだろう。忘れもしない。シャフト社といえば、レーヴの開発に初期から関わっていて、今や世界有数の規模に成長した複合企業だ。
「それで?」
 言いながら、デスクの引き出しに手が伸びそうになる。
 そこには文房具でもグラフ用紙でもない、装填済みの五十口径が鎮座している。前の職場にいたときに詳しい同僚に聞きながら設計したもので、威力は折り紙つき。使いどころは難しいが、たとえば至近距離で誰かの頭を吹っ飛ばしたい気分になったときにはちょっと便利かもしれない。
 少女――アリスは落ち着き払っている。淡々と依頼内容を告げる。
「セイクルスまで。期限は明後日の正午」
 大陸の反対側にある、海を望む大都市だ。
「北ルートなら5日、南ルートなら一週間。うちより早いところを見つけたら逆に教えてくれ」
 アリスは首を傾げる。その視線はクラウの背後に向けられている。
「なんでわざわざ遠回りするの?」
 クラウはせせら笑う。
「なんで?」
 椅子を回して、大きな窓を振り返る。
 そこに広がるのは砂が渦巻くばかりの荒野だ。すすり泣きにも似た風切り音が、ガラス越しにかすかに聞こえてくる。
「どうして未開発領域がああいう風景に設定されてるか、知ってるか? まともな感性のやつが、ちゃんと二の足を踏むようにさ。あんな場所に入ったら、無事に出てこれるわけがない……ってな」
 そう言って、アリスのほうを振り返る。
 アリスは訝しげに眉をひそめる。
「よくわかんないけど。あなたには無理ってこと? なら他を当たるわ」
 ひとつめ。生意気な少女の顔を胡乱げに眺めながら、そっと引き出しの把手に触れる。仏の顔も三度までだ。あとふたつ舐めた口を利いたら脳みそをぶち撒けてやろう、と心に決める。
 どうせ夢の中だ。本当に死ぬわけではないのだ。ショックは本物だし、トラウマぐらいは残るかもしれないが。
「とりあえず理由を話してみろよ。相談ぐらいは乗ってやらんでもない」
「できないんでしょ? 私も暇じゃないの」
 ふたつめ。
「できないとは言ってない。だが、うちの方針で客は選ぶんだ」
「報酬の話?」
 クラウは鼻で笑う。
「何でも金で解決できると思ってるなら、さすがとしか言いようがない英才教育だな」
 アリスはクラウをじっと見つめ、
「お金だけじゃないとしたら?」
「あ?」
「腕は一流だけど頑固だって聞いてたから。調べさせてもらったの、あなたの経歴。私はあんまり知らないけど、ワールドメイカー……だっけ? レーヴの開発部にいたのよね。で、不祥事で追い出された。そうでしょ?」
 みっつめ、どころの騒ぎではなかった。
 ワールドメイカー。今や世界中の人々が日常的に利用するようになったレーヴの基礎を築き上げ、その発展を担っている公認の技術者たち。かつてクラウが理想のために身を粉にして働いていた場所。
 いきなり現れて、他人の過去に土足で踏み入る傲慢さ。ついでに鼻持ちならない大企業の娘となれば、気持ちとしては十回殺してもまだ足りないぐらいだ。
「失せろクソガキ。さもないと」
 半ば本気で引き出しを開け、
「開発部に戻れるようにしてあげる。それが今回の報酬」
 その手が止まった。引き出しを元に戻す。
「……なんだって?」
 アリスは言う。
「もちろん、私自身に権限があるわけじゃないけど。それができる人に紹介してあげるわ。あなたが何をやらかしたのか知らないけど、多分どうとでもなるんじゃない?」
 もちろんそのとおりだ。シャフト社の威光が通用しない場所など、現実世界にもレーヴ上にもそうそうない。だが、
「ガキの言うことなんて真に受けると思うか?」
 アリスは肩をすくめる。
「信じるのも信じないのもあなたの勝手。これは純粋な取引だもの」
 舌打ち。純粋な取引などこの世に存在しない、とクラウは思う。そこにあるのは打算と妥協と、歴然とした力関係だけだ。
「……エル」
 クラウの呼びかけに応えて、デスクの真ん中の空気が揺めいた。しなやかな黒猫が滲み出るように姿を表す。完璧な迷彩。
「わ」
 アリスが目を丸くする。先ほどまでとは打って変わって、年相応に隙だらけの表情を見せる。
 黒猫――エルは尻尾をひと振り、広々としたデスクをとことこ横切って、端っこで置物のように丸くなる。顔だけクラウのほうに向け、
「お金がもらえるなら、私はどっちでも」
 若い女の声でそう言うと、あとは任せたとばかりに目を閉じてしまう。
 ため息をひとつ。
 そんなふうに割り切った態度で物事を見ることができたらどんなに楽だろう、とクラウは思う。
 ふとアリスのほうを見やれば、まだポカンとしてエルを眺めている。
 なんだか急に毒気を抜かれてしまった。
「おい」
 アリスが振り向く。
「さっきの話、本当だろうな?」
 気を取り直したように、
「……もちろん。約束は守るわ」
 クラウは背もたれに深々と身を沈めた。椅子を半分回して、窓の外に視線を向ける。
 地平の彼方まで続く荒野。
 目的地の街との間に横たわっているのは、ただの砂が渦巻くばかりの荒野ではない。開発部がクラッカー対策に放った白血球プログラムや、エラーまみれの誰かの悪夢の残滓がひしめく、前人未踏の未開発領域だ。
 クラウはしばらく無言で荒野を眺め、悩みに悩んだ末に、ようやくアリスに向き直る。
 まるで物怖じしない少女を見返して、投げ出すように言った。
「まずは打ち合わせから。契約の話はそのあとだ」

上記の返信(幻想砂漠(仮題)の返信の返信の返信)

投稿者 大野知人 : 0 投稿日時:

 まず最初に。あんま俺の意見ばっかり反映された状態になるのは良くないと思うので、これ以降このスレッドへの返信は控えます。

 その上で言うのもアレなんですが、正直言うと『プロットをどう変更したかわからないから、意見出来る事が少ない』というのが現状ですかね。

 設定、キャラともに分かりやすく、テンポも良いので『続きが気になる』良いオープニングだったと思います。
 
 一方、『アリスがシャフト社の名前をかたっている可能性が無い/シャフトの名前を名乗ることに制限があるという描写が無い』事から、『クラウはどうしてアリスを信用したのかな?』と思う部分も。

 また、拳銃の実効性(仮想空間においてどれくらいの効力を持つか)や『そもそも仮想空間内に『距離』の概念があるのか』などの設定説明がやや雑であるように感じました。
 ただ、こちらの設定説明についてはオープニング以外の場所で紹介してもいいので、参考までに。

 総評として言うと、かなり出来の良いプロローグだったと思います。
 この調子で、執筆頑張ってください。

スレッド: 幻想砂漠(仮題)

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元記事:幻想砂漠(仮題)の返信の返信

プロットの変更に伴い、全面的に改稿しました。
引き続き、アドバイスをいただけるとありがたいです。

==

 電脳空間レーヴ。人々の夢と夢を繋いだネットワーク上に創られるのは、誰もが自由を楽しめる世界のはずだった。

 ※

「運び屋を探してるんだけど」
 入ってくるなり、少女はそう言った。
 ひな形から余分を削ぎ落とした整然としたオフィス。真ん中に置かれた幅広のデスク。
 皮張りの椅子に沈み込んでいたクラウは面倒くさそうに顔を上げ、風変わりな闖入者を観察する。
 ゆるやかなウェーブのかかった赤髪、いかにもお嬢様然とした雰囲気。
 レーヴで流行りの活発なパンツスタイルは良家の子女には相応しくないかもしれないが、少女の勝気な瞳を見れば、それはそれで似合っていると言えなくもない。
 すぐに興味を失って、手元の端末に目を落とす。
「こっちが探してるのは依頼人だ。迷子じゃなくてな」
 スクリーンの起動音。
 クラウの目と鼻の先に、シティ・バンクの預金通帳が展開されていく。
 桁を数えるのも億劫になりそうな天文学的残高。
 しかしそれ以上にクラウの目を引いたのは、左上に表示されている名義人の欄だった。
 アリス=シャフト。
 偶然ではないだろう。忘れもしない。シャフト社といえば、レーヴの開発に初期から関わっていて、今や世界有数の規模に成長した複合企業だ。
「それで?」
 言いながら、デスクの引き出しに手が伸びそうになる。
 そこには文房具でもグラフ用紙でもない、装填済みの五十口径が鎮座している。前の職場にいたときに詳しい同僚に聞きながら設計したもので、威力は折り紙つき。使いどころは難しいが、たとえば至近距離で誰かの頭を吹っ飛ばしたい気分になったときにはちょっと便利かもしれない。
 少女――アリスは落ち着き払っている。淡々と依頼内容を告げる。
「セイクルスまで。期限は明後日の正午」
 大陸の反対側にある、海を望む大都市だ。
「北ルートなら5日、南ルートなら一週間。うちより早いところを見つけたら逆に教えてくれ」
 アリスは首を傾げる。その視線はクラウの背後に向けられている。
「なんでわざわざ遠回りするの?」
 クラウはせせら笑う。
「なんで?」
 椅子を回して、大きな窓を振り返る。
 そこに広がるのは砂が渦巻くばかりの荒野だ。すすり泣きにも似た風切り音が、ガラス越しにかすかに聞こえてくる。
「どうして未開発領域がああいう風景に設定されてるか、知ってるか? まともな感性のやつが、ちゃんと二の足を踏むようにさ。あんな場所に入ったら、無事に出てこれるわけがない……ってな」
 そう言って、アリスのほうを振り返る。
 アリスは訝しげに眉をひそめる。
「よくわかんないけど。あなたには無理ってこと? なら他を当たるわ」
 ひとつめ。生意気な少女の顔を胡乱げに眺めながら、そっと引き出しの把手に触れる。仏の顔も三度までだ。あとふたつ舐めた口を利いたら脳みそをぶち撒けてやろう、と心に決める。
 どうせ夢の中だ。本当に死ぬわけではないのだ。ショックは本物だし、トラウマぐらいは残るかもしれないが。
「とりあえず理由を話してみろよ。相談ぐらいは乗ってやらんでもない」
「できないんでしょ? 私も暇じゃないの」
 ふたつめ。
「できないとは言ってない。だが、うちの方針で客は選ぶんだ」
「報酬の話?」
 クラウは鼻で笑う。
「何でも金で解決できると思ってるなら、さすがとしか言いようがない英才教育だな」
 アリスはクラウをじっと見つめ、
「お金だけじゃないとしたら?」
「あ?」
「腕は一流だけど頑固だって聞いてたから。調べさせてもらったの、あなたの経歴。私はあんまり知らないけど、ワールドメイカー……だっけ? レーヴの開発部にいたのよね。で、不祥事で追い出された。そうでしょ?」
 みっつめ、どころの騒ぎではなかった。
 ワールドメイカー。今や世界中の人々が日常的に利用するようになったレーヴの基礎を築き上げ、その発展を担っている公認の技術者たち。かつてクラウが理想のために身を粉にして働いていた場所。
 いきなり現れて、他人の過去に土足で踏み入る傲慢さ。ついでに鼻持ちならない大企業の娘となれば、気持ちとしては十回殺してもまだ足りないぐらいだ。
「失せろクソガキ。さもないと」
 半ば本気で引き出しを開け、
「開発部に戻れるようにしてあげる。それが今回の報酬」
 その手が止まった。引き出しを元に戻す。
「……なんだって?」
 アリスは言う。
「もちろん、私自身に権限があるわけじゃないけど。それができる人に紹介してあげるわ。あなたが何をやらかしたのか知らないけど、多分どうとでもなるんじゃない?」
 もちろんそのとおりだ。シャフト社の威光が通用しない場所など、現実世界にもレーヴ上にもそうそうない。だが、
「ガキの言うことなんて真に受けると思うか?」
 アリスは肩をすくめる。
「信じるのも信じないのもあなたの勝手。これは純粋な取引だもの」
 舌打ち。純粋な取引などこの世に存在しない、とクラウは思う。そこにあるのは打算と妥協と、歴然とした力関係だけだ。
「……エル」
 クラウの呼びかけに応えて、デスクの真ん中の空気が揺めいた。しなやかな黒猫が滲み出るように姿を表す。完璧な迷彩。
「わ」
 アリスが目を丸くする。先ほどまでとは打って変わって、年相応に隙だらけの表情を見せる。
 黒猫――エルは尻尾をひと振り、広々としたデスクをとことこ横切って、端っこで置物のように丸くなる。顔だけクラウのほうに向け、
「お金がもらえるなら、私はどっちでも」
 若い女の声でそう言うと、あとは任せたとばかりに目を閉じてしまう。
 ため息をひとつ。
 そんなふうに割り切った態度で物事を見ることができたらどんなに楽だろう、とクラウは思う。
 ふとアリスのほうを見やれば、まだポカンとしてエルを眺めている。
 なんだか急に毒気を抜かれてしまった。
「おい」
 アリスが振り向く。
「さっきの話、本当だろうな?」
 気を取り直したように、
「……もちろん。約束は守るわ」
 クラウは背もたれに深々と身を沈めた。椅子を半分回して、窓の外に視線を向ける。
 地平の彼方まで続く荒野。
 目的地の街との間に横たわっているのは、ただの砂が渦巻くばかりの荒野ではない。開発部がクラッカー対策に放った白血球プログラムや、エラーまみれの誰かの悪夢の残滓がひしめく、前人未踏の未開発領域だ。
 クラウはしばらく無言で荒野を眺め、悩みに悩んだ末に、ようやくアリスに向き直る。
 まるで物怖じしない少女を見返して、投げ出すように言った。
「まずは打ち合わせから。契約の話はそのあとだ」

上記の返信(幻想砂漠(仮題)の返信の返信の返信)

投稿者 ふじたにかなめ : 0 投稿日時:

お疲れ様です!
私もプロットをどう変更したのか分からないから、残念ながら踏み込んだ発言はできない感じですね。
でも、全体的にテンポよく、分かりやすく書けていると思いました。

電子空間での距離感について他の方がご指摘されていましたが、私はこの場面で「電子空間でも距離の概念がある」前提で話していると察することができたので気にはなりませんでした。なので、ここの場面ではなく後で詳しく踏み込んだ説明があるといいのでは?って思いました。

ただ、「どうせ夢の中だ。本当に死ぬわけではないのだ。ショックは本物だし、トラウマぐらいは残るかもしれないが。」とあるので、「前人未踏の未開発領域だ。」と危険を語られても、「本当に死ぬわけじゃない」という設定があるため、どうしても危機感が弱まってしまうかなって思いました。なので、死んだら「ペナルティーで残高が減る」「死亡情報が管理者に届くので、解雇された人間がレーヴにいるとバレやすくなる」みたいな主人公にとって致命的な何かがあると、ハラドキが維持されやすいかもしれないですね。

あと、若干ですが文章で一部気になる点がありました。たぶんテンポを意識して主語をわざとカットしているのだと思いますが、一瞬誰のことを説明しているのか戸惑う箇所がいくつかありました。
例えばですが、「すぐに興味を失って、手元の端末に目を落とす。」の「すぐに興味を失って」の部分ですが、それまで少女のことを主人公が話していたので、「すぐに興味を失って」の主語が一瞬少女のことかと私は勘違いしました。流れで主人公のことだと気づきはしたのですが、読んでいる最中に行ったり戻ったりはあまりしたくはなかったかなと。
たぶん、文章の感性が柊木様のほうが鋭いので、わずかな違いに気づきやすいから主語がなくても気づけると思うのですが、私みたいに文章に対して大雑把な感性だと、一瞬迷いやすいかな?って思いました。なので書いてあった方が分かりやすくて良かったかな?って個人的に思いました。

あくまで個人の意見なので、合わない場合は流してくださいね。
何か参考になれば幸いです。

スレッド: 幻想砂漠(仮題)

この書き込みに返信する >>

元記事:幻想砂漠(仮題)の返信の返信の返信

 まず最初に。あんま俺の意見ばっかり反映された状態になるのは良くないと思うので、これ以降このスレッドへの返信は控えます。

 その上で言うのもアレなんですが、正直言うと『プロットをどう変更したかわからないから、意見出来る事が少ない』というのが現状ですかね。

 設定、キャラともに分かりやすく、テンポも良いので『続きが気になる』良いオープニングだったと思います。
 
 一方、『アリスがシャフト社の名前をかたっている可能性が無い/シャフトの名前を名乗ることに制限があるという描写が無い』事から、『クラウはどうしてアリスを信用したのかな?』と思う部分も。

 また、拳銃の実効性(仮想空間においてどれくらいの効力を持つか)や『そもそも仮想空間内に『距離』の概念があるのか』などの設定説明がやや雑であるように感じました。
 ただ、こちらの設定説明についてはオープニング以外の場所で紹介してもいいので、参考までに。

 総評として言うと、かなり出来の良いプロローグだったと思います。
 この調子で、執筆頑張ってください。

上記の返信(幻想砂漠(仮題)の返信の返信の返信の返信)

スレ主 柊木なお : 0 投稿日時:

大野様

ありがとうございます。

> その上で言うのもアレなんですが、正直言うと『プロットをどう変更したかわからないから、意見出来る事が少ない』というのが現状ですかね。

プロットと絡めて考えるとオープニングは本当に難しいですね。考えないといけないことが多すぎて。あまり情報を詰め込んでも仕方ないので、
現時点では
・レーヴという電脳世界の話であること
・主人公の職業と過去の匂わせ
・物語の目的(大陸横断)
だけ確実に押さえて、あとはキャラクターや関係性に費やせたらなと思っています。

>一方、『アリスがシャフト社の名前をかたっている可能性が無い/シャフトの名前を名乗ることに制限があるという描写が無い』事から、『クラウはどうしてアリスを信用したのかな?』と思う部分も。

同じように感じたので、今回のラストでは主人公は最終的な判断を保留にしました。打ち合わせで気を引いている間に相方に裏を取らせる展開があとに続きますが、分かりにくいですね。
「主人公が依頼を引き受けた」で終わってしまうと(読者にそう受け取られてしまうと)流れが途切れてしまうので、上手くつながるようにセリフを変えるか、地の文を入れようと思います。

その他細かい設定についても、どこでどう出すかいろいろ考えてみたいと思います。

大野様をはじめ、たくさんの方からアドバイスをいただくことができたので、そろそろ執筆に専念しようかと思います。
ありがとうございました。

スレッド: 幻想砂漠(仮題)

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元記事:魔王の馬鹿息子(六歳)が高等学校に入学するそうです

 お久しぶりです。何てかこうか? です。早速ですがリンク先は前作となっています。本作はまだ未投稿です。空欄のままっていうのも味気ないと思って入れています。なので本編を期待した方にはすみませんがまだ執筆中です。
 これが仕上がるのもだいぶ先になりそうです。
 それにしてもタイトルに年齢を入れるアイディアをくれた人、年齢が入り一連の作品とわかるつくりができて、更に新作タイトルとしても扱える。素晴らしいアイディアです。

力を入れた部分
 主人公の成長、紳士属性を手に入れて大迷惑するヒロインという話のつかみです。

不安な点・およびコメント
 二作目になりますが、一作目がわかってないとわからないところがあるんだろうなと思っています。そこをどうしたらいいか教えて欲しいです。どうしても一作目を踏まえた話になりがちになって、この文やネタがわからないと言うところを教えて下さい。説明をいれるよりは削った方がいいのですかね?
 また、悪役が中盤以降(ほぼ終盤)にしか出てきません。物語的には最初の頃からちょこちょこ出すべきとは思うのですが……終盤で出てくる都合の良い悪役になってしまった。

 投稿時には三分割を目安に分割します。大体一万字ぐらいなので三千字ぐらいにします。現状の執筆量は三分の一ぐらいで四万字ぐらいになってます。

プロローグの狙い
 主人公のおバカ具合を前面に出して読者に”面白い馬鹿”がいるぞと思わせること

本作のあらすじ
 魔法帝国に魔王の子供のカテイナ(主人公)が訪れる。自尊心の塊の彼は「魔法技術を身につけるのだ!」と意気揚々とオリギナ魔法学校に入学しようとする。
 ところがどっこいそうはいかない。魔法の素質だけは学校始まって以来なのだが、年齢が足らない! 知力が足らない! 協調性がない! と落第点をつけられてしまう。
 納得のいかない彼は裏口入学を試し、極悪非道の三者面談(親(現・魔王)を呼んでの逆圧迫面接)まで到達するが、それでも落第してしまう。
 魔王シヲウルが呆れて帰ってしまう最中、特別臨時講師補佐という、よくわからない称号を得て潜り込むことに成功する。
 召喚術の授業でやらかし(強暴なドラゴン(シャッカ)を召喚する)、魔法攻撃における実技でもやらかし(競技場の一角が消滅する)、座学でもやらかし(魔力結晶の大爆発を起こす)、わずか一日で“死人が出なかったのが奇跡”と言われ、即日で無期限出勤停止をくらう。
 無期限出勤停止を解くためにカテイナは能力制限を受ける。
 平凡な授業しかできなくなったカテイナ。しかし日常はそのまま進んでいく。
 そんな時、現皇帝の統治十五周年祭が開かれる。
 魔法学校の生徒、教員も祭日の警備のため町中に駆り出される。
 カテイナの目の前を各国の贈り物が通り過ぎ、当然の様に彼はこれを欲しいと思う。
 夜、単身で皇帝居城に潜り込み、贈呈物保管庫にたどり着く。
 プレゼントに耳を当てて盗むものを品定めし、唯一音が出ているプレゼントを外に持ち出す。
 喜び勇んでプレゼントを開封するカテイナ。そして大爆発を起こしてしまう。
 それは皇帝暗殺をたくらんだものの時限爆弾だったのだ。しかしそこは次期魔界王、爆心点で爆風に耐えきる。そのうえフラフラになりながらも現場から逃げ出してしまう。
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 クラウディア・ニアフロント 引き続きヒロイン枠。十六歳に見合った行動をするし、頭もいい。カテイナから解放されたと思いきや、さらに深く巻き込まれる。学校におけるカテイナの監視役に大抜擢されて胃がよじれたとかなんとか。歳はカテイナの方が誕生月が早いため。

 シヲウル カテイナの母、バカ息子に頭を痛めている。作中実力ナンバーワン。名前の由来は“死を売る”より。オリギナ皇帝相手に仕掛けられた時限爆弾をカテイナが加速させて爆発させたと聞いたとき、般若の形相をしていた。真相が明らかになった後、すっきりした顔で国を一つ地図上から消した。

 シュンカ・シュウトー 魔法学校校長、名前は春夏秋冬より。常識人ではなく、魔法学における狂人。知識欲に目がくらんでしまうことが多々ある。六十越えのおばあさんだが、あと十年は校長の座に居座る気でいる。魔法の技量はオリギナでの上位0.001%の内に入る。

 オン・スコア クリミナ王国の王子様、傲慢である。ノー・スコア王の命令でオリギナ皇帝の贈り物に時限爆弾を仕掛けた人。まさかカテイナが盗み出して加速させるとか思わない。そしてシヲウルが出てくるとか予想外だった。本来では皇帝暗殺を成功させて故郷に凱旋するつもりだった。シヲウルの大魔法「EATING」により親子ともども亜空間に消える。

 以下は六歳以降のおおまかなプロット、カテイナの人生です。もし興味があれば読んでください。

 七歳 アテナ襲来 母の大ピンチ。クリミナ王国を消した責任を問うためにアテナが襲来する。母を圧倒するアテナにビビりまくるカテイナ、現魔王と次期魔界王の二人がかりで何とか追い返すことに成功する。

 八歳 初めての魔王 姫(エル・オリギナ)をさらって大イベント 世界に宣戦布告する。
 オリギナの皇女(八歳)をさらって俺の力を示すのだ。一都市を丸々改造してダンジョンを作り人類を待ち構える。姫は姫で日ごろの殺人的なレッスンに嫌気がさしていたため、カテイナの自分をさらうと言うのは渡りに船であった。意気結託した二人は大人に対して反旗を翻したというのが事の真相である。しかし、大誤算はブチ切れしたシヲウルが襲撃したことである。カテイナが魔法で作ったホーククイーン、ビーフキング、スライムマスターの三大幹部はシヲウルに瞬殺されてしまった。その上、本人達は逃亡に失敗した。さあここからが地獄の始まり。微笑む般若面の母シヲウルを相手にエルが卒倒し、カテイナはスライディング土下座をする。

 九歳 人間の国を諸国漫遊。いろんな国があるなぁ。
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 十歳 最後のしり叩き! “好きにしろ”ってどういう意味?
 十一歳 修行開始(主に料理の)! 夢のステーキを焼けるまで!
 十二歳 アテナ襲来再び もう子供じゃない! 
 十三歳 不治の病、厨二病発症! 恐らく死ぬまで治りません!
 十四歳 魔界最強の座、シャッカとのプライドをかけた戦い

 十五歳 魔法学校再入学 とらえた姫(エル・オリギナ)は今、同級生!?
 再びオリギナの学校に入ったカテイナ。まあ今回はトラブルを起こさないかなと思っていた矢先にトラブルがやってきた。エルと再会する。過去のやらかしを人質に取られてエルの尻の下に敷かれる。

 十六歳 世界料理人選手権大会 俺の力を見せてやる。初めての挫折。十一歳から五年かけて学んだ料理の腕を試す時が来た。鼻良し! 舌良し! 技量良し! ふはははは、俺が負けるわけがない! 決勝戦で天才料理人の前に敗れ去る。敗因は傲慢な料理を作ったこと。相手を殴りつけて屈服させるような料理を出したことで、天才料理人の優しい家庭料理(いつでも支えてくれる思い出の原点の味)を前に敗北する。カテイナは母の手料理を全く知らずに育ったことが敗因であった。(ついでに彼は負けた理由が理解できなかった)

 十七歳 異世界転生の勇者が来た! チート能力なら負けねぇよ! 大勇者排除の巻

 十八歳 カテイナ、魔王になる。 シヲウルの大魔王引退(そして超魔王へ)
 コンプレット王国王子ルドルフと決戦を行う。魔法技術と剣技を併せ持つルドルフに人の希望を見る。エルが敵にまわり、魔法道具でパワーアップしたルドルフを相手にぞくぞくするほどの危機を覚える。ああ楽しい! この強敵を粉砕し、エルを奪い取る! 俺は俺こそが魔王なのだ!! 興奮の最中、痛烈な横槍が入り。ついにブチギレする。この戦いを人類の未来のためとかいうくだらない理由でじゃまされたのだ! 人前では決して見せることのなかった大魔王としての顔を見せる。それはいつぞやのブチ切れした母の顔だった。
 最後の戦いにおいて大暴れをし、オリギナ帝国全近衛兵による大結界により力を封じられ、ルドルフの閃光石火により腹をぶち抜かれ、オリギナ皇帝の超重力魔法により動きを封鎖されて、エルの零点凍結により、ついにカテイナが沈黙。氷柱に封印されてEND
 後日、シヲウルにより拘束を解かれて出てくるが、全く反省していない態度だったという。

上記の回答(魔王の馬鹿息子(六歳)が高等学校に入学するそうですの返信)

投稿者 たはらさん : 0 投稿日時:

6歳。こんなアホかな。見てて疲れる。…分かり易くて最後まで読めました。こどもを主人公にしない!の意味が分かりました。

小説投稿先URL(別タブが開きます)
https://www.alphapolis.co.jp/novel/968426873/174186199

スレッド: 魔王の馬鹿息子(六歳)が高等学校に入学するそうです

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元記事:凍った瞳 改稿版1

以前に、ここで同名タイトルにて相談させて頂いた作品の、改稿版となります。設定などは何も変化してはいないので、そちらの確認もお願いします。
現在、プロローグを終われなくなってしまっていまして、どうにか切ってみたもののイマイチなので、どう終わらせたら良いかに関しても意見が欲しいです

上記の回答(凍った瞳 改稿版1の返信)

投稿者 カイト : 0 投稿日時:

silicaさんこんにちは。カイトです。
今回も読ませていただきました。
登場人物や状況について、グッとわかりやすくなったと思います。バトルシーンも臨場感があってよかったです。三人称に変わった点も、個人的にはすごく読みやすくて好みです。

プロローグはどこまでが適当か、とのことですが、自分は「夜が明け、徹夜であるにもかかわらず、中学生の凍華は学校に行かなければならない」というところで一度切っていいかなと思いました。凍華が中学生であることはプロローグで明かしておきたい、とのことだったので。
戦いの緊迫感と並行して、学業もこなさなければいけない悲壮感、みたいなのを、ちょっとコメディっぽく表現してみてはいかがでしょう。

ただ、魔術師協会の内情というか、深夜組早朝組云々はまだいらない情報だと思いました。
あと細かいところですが、八重の武器が「刀」なのか「剣」なのか、両方記載があるのでどちらかに統一した方が。(ちょっと読んだイメージでは、今のところ「刀」かな)

少しでも参考になれば幸いです。

スレッド: 凍った瞳 改稿版1

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元記事:オズの毒薬

プロローグ相談

 いつもお世話になっています、左野冠です。
 異世界風未来世界のファンタジーを書いています。旧掲示板で一年前くらいにプロット相談に乗っていただいたやつの改良版です。おかげさまで話の流れはだいぶ自然になったのですが。
 世界観の描写とヒロインの登場スピード、どちらを取るかで困っています。
 どっちも取れりゃいいんですけど、ヒロイン登場後すぐに主人公が意識を失うので、世界観の描写を減らさないとヒロインが早く出てきません。
 世界観の描写も詰めすぎるとただの説明だし、描写にしようとするとどうしても文字数増えちゃって。さっさとヒロイン登場させたいのですがなかなかうまくいきません。

 また、この話は、異世界に見せて実は未来世界なのですが、話の途中でうまく描写できるか不安で、A(後述)の一文を最初に入れるか入れないかで迷ってます。

 プロローグをABCの三つの部分に分けます。Aが「これが異世界に見えるけどただの未来世界だよ」と説明する一文、Bが「主人公のいる場所は簡単に言うとこんな感じです」と描写している散文、Cが「ヒロイン登場の場面」を描写する散文です。
 Cは絶対入れるのですが、ABは不要ですかね。B頑張って書いたんですけど主人公暴行シーンで始まるのもちょっとなあ、とも思っていて。

上記の回答(オズの毒薬の返信)

投稿者 田中一郎 : 2 投稿日時:

Aはあってもいいけど無いほうがはるかに良い。描写で伝えるのがベスト。
冒頭で大事なのは「どんな世界なのか」を伝えることであって、「どうしてそんな世界になったのか」ではないので、前者が伝わればそれでOK。
後者に関しては、後々細々と遺物なりを描写して匂わす程度で良いと思う。
Bは不要。いじめっ子への復讐物でヘイト稼いでおきたいなら別だけど。
Cパート内の記述で足りてると思います。

あと、クリスマスってのは異世界と見せた未来物で安易に使って良い用語なんですかね? ちょっと引っかかりました。世界観的に問題がなければ良いのですが。
逆に言えば、問題がないならこれを使って未来物だと伝えることも出来ますが。
例えば、「クリスマス――本来は五千年も昔の聖者の誕生を祝う祭りだったらしい」とかやれば、西暦5千年前後の話だと伝えられます(数字はテキトーです)

スレッド: オズの毒薬

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