小説のタイトル・プロローグ改善相談所『ノベル道場』

silicaさんの返信一覧。最新の投稿順1ページ目

元記事:幻想砂漠(仮題)

創作相談掲示板のほうにも投稿させていただきました、仮想現実を舞台にした話です。

ストーリーを語らずに見せる、スピード感のある文体を模索しています。
描写の過不足や場面の組み立てなどについて、ご意見をいただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。

上記の返信(幻想砂漠(仮題)の返信)

投稿者 silica : 0 投稿日時:

私は正直プロットなどなどは知りませんので、プロローグのみを見ての批評というか感想を書かせて頂きます

全体として、この勢いが死なない限りにおいてはとても面白そうな作品だな、とも思います。『ライトジーンの遺産』などが脳裏に浮かんでくる、面白そうなサイバーパンクモノとしての風格を持っていると思います。

その上で、気になることを幾つか。
①電脳空間内で物理的な距離や障壁を扱っていること
恐らく、この話はサイバーパンク系電脳世界モノの一種だと思うのですが、その中で明らかに物理的な距離や荒野が言われているのはどうにも違和感があります。この現実世界に重ねられる形で存在しているのなら、まだそれも理解できるのですが、どうにもそういう訳ではなく、現実世界と別に電脳世界が設定されているように見えます。もしそうだとしたら、そこにある距離は、『北回りルート』のような言葉で表現されるものとは違う道や距離なんじゃないかと思います。また、『未開発領域』に風景が設定されていることも違和感があります。本当に『未開発』なのであれば、そのような分かりやすい風景が設定されているとも思えません。また、荒野はそこまで人が通れない場所でもないでしょう。寧ろ、お宝が隠れているなどで良く人が入りそうな印象があります。逆に、未開発とされているだけなら、開発に関わっていた主人公が知らないとも思えません
②あまりにも発想が現実に寄りすぎている
①と同じですが、判断などがあまりに現実に寄せ過ぎているように感じます。アリスは少女の姿を取っている訳ですが、電脳空間においては姿なんてどうにでもなるので大した意味はありません。だと言うのにそれをもってガキと全員が認識しているのは違和感があります。また、リアルでは五十口径もあれば頭を吹っ飛ばすのには十分ですが、電脳空間内ではやはりその姿に大した意味は無いです。アリスが『シャフト』の一員であることを最初から認識しているのに、そのシャフトのシステムで対抗しようとしているのも違和感があります
③アリスの知識量
『シャフト』は『レーヴ』に深く関わっている企業なのでしょう。そのトップ周りの一員である人物が、『未開発領域』のようなレーヴの常識レベルの事を知らないとは思えません。世間知らずっぽさの演出にも出来ていません。また、主人公の過去を漁れているあたりからして『シャフト』内で冷遇されているために何も知らないと言うふうにも見えません。どうにもチグハグです。

1、2に関してはまとめて言ってしまえば、この邂逅はリアル側でこそなされるべきだと思います。電脳空間内での邂逅はまた違う性質を持っていると思います
3は人物造形に関する問題です。ここはある種アリスがどんな人かの説明にもなる部分ですので、そこで『知らない』行動を取ると、アリス『・シャフト』との噛み合いが悪くなってしまいます。これを私の受け取ったアリス感から直すとしたらこのような感じです
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「どうして未開発領域がああいう風景に設定されてるか、知ってるか? ま「ともな感性のやつが、ちゃんと二の足を踏むように、あんな場所に入ったら、無事に出てこれるわけがないと思わせるため、でしょ?」」
 クラウは、発言を奪われ憮然として振り返ると、そこにはしたり顔のアリスがいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
もちろんこれでは前後も変えなければなりませんが……。

長所。良かった点

やいのやいのと書いていますが、けしてつまらなそうとは思っていません。寧ろ、面白そう、続きが気になる、と思わせることに成功しているので、上げている問題点も、改めて考えたら思いつく、程度ですので、そこまで気にされなくてもよろしいかと思います

良かった要素

ストーリー 文章

スレッド: 幻想砂漠(仮題)

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元記事:凍った瞳

プロット相談掲示板の方に先に相談させて頂いた作品です。
投稿用あらすじ
『魔術師として、世界におきる問題を解決しながら、中学生活を送る少女、雲母凍華。彼女は、問題解決のため、調査をしている途中で、一人の、名前の無い少年と出会った。その出会いから、凍華の日常は色彩が豊かになっていた――』
あらすじの方もどうにも上手い言い回しが思い付かないので、アドバイスが欲しいです。設定が気になるという人は、お手数ではありますが、小説のプロット相談掲示板で同名タイトルにて相談していますので、そちらの方のご確認をお願いします

上記の返信(凍った瞳の返信)

スレ主 silica : 0 投稿日時:

カイト様、大野様、コメントありがとございます。

 まず、これだとまだプロットに見えるのですね、自分では割と書き足したつもりでしたが……。ただ、凍華の心理描写もこのあたりではあまり出来る部分が多くはないのですよね、良くも悪くも日常なので。そういう意味では、日記という形容は的を射ています。ただ、たしかに少なすぎると自分でも思いましたので、もっと足していきたいと思います。

 それから、設定及び人物の説明に関してはこれ(プロローグ扱いか1話扱いか悩み中)ではほぼ出すつもりがないので、そこに関してはまあ、仕方がない部分があります。何と言いましょうか、このあたりで読者に知って欲しいことは、主人公の凍華が中学生かつ魔術師であること、魔術師がいる世界線であること、姉が二人、妹が一人いること、友人がいることくらいなんですよね……。分からないところをわからないまま無視して読んで貰おうというのは駄目でしょうか?

 後、いっそ話を分割して、主人公が雲母凍華という中学生であること、魔術師などがいる(バトル物現代ファンタジー系の)世界線であること、凍華が魔術師であること、剱岳八重という友人が居ることに情報を絞ったプロローグを作り、1話で姉妹のことに触れつつ日常を描くというプランを考えたのですが、どう思いますか?

 あらすじに関しては……もっと色々考えてみます

スレッド: 凍った瞳

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元記事:機動装鎧トルクギア冒頭部分改稿版

 昨日、『小説の批評依頼!』の方に出した小説の冒頭部分について意見を頂いて、まだまだ意見が出そろってはいない状態なのですが、前々から気になっているところが数点あったので、冒頭部分の作り直しについて特に意見を賜りたくスレッドを立てました。
 タイトル通り、昨日中にもらった意見を反映して描き直したつもりです。なお、235ページ原稿の約40ページ分、1万7千文字/10万文字といったところです。でも、全文の許容量が1万文字までなので、お手数ですがURLからお読みください。

 あと、自分のタイトルセンスが破滅的な自覚はあるので、アイデアを募集します。

 なお、以下は昨日中に意見をくださった方に対して書くメッセージですが、一部キャラの登場やシーン・描写過多削減して本筋への入りを早めた形のものです。

上記の返信(機動装鎧トルクギア冒頭部分改稿版の返信)

投稿者 silica : 0 投稿日時:

こんにちは、silicaです。
正直、素で面白いなーと思いながら読んでいましたので、書くことも殆ど無いのですが、私の作品にコメントをしてくださっている以上素通りも良く無いかな、と思いましたので書かせていただきます。

とは言え、プロローグを読んでいた時に気になった部分は、特には無いです。敢えてあげるなら、web上だともう少し改行と空行を足した方が読みやすいのかな、とも思いましたが、趣味の問題ですし、これはそのままでも大丈夫だと思います。

後、このタイトル、「天元突破グレンラガン」っぽい感じで私は好きですよー。

長所。良かった点

なんというか、主人公がなんか凄い好きです。結構強かなところとかとても良いですね

良かった要素

キャラクター 文章

小説投稿先URL(別タブが開きます)
https://kakuyomu.jp/shared_drafts/14UhRqBDoZPR4LSKg5NvKBtuDrCmj2Ec

スレッド: 機動装鎧トルクギア冒頭部分改稿版

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元記事:凍った瞳

プロット相談掲示板の方に先に相談させて頂いた作品です。
投稿用あらすじ
『魔術師として、世界におきる問題を解決しながら、中学生活を送る少女、雲母凍華。彼女は、問題解決のため、調査をしている途中で、一人の、名前の無い少年と出会った。その出会いから、凍華の日常は色彩が豊かになっていた――』
あらすじの方もどうにも上手い言い回しが思い付かないので、アドバイスが欲しいです。設定が気になるという人は、お手数ではありますが、小説のプロット相談掲示板で同名タイトルにて相談していますので、そちらの方のご確認をお願いします

上記の返信(凍った瞳の返信)

スレ主 silica : 0 投稿日時:

カイトさん、返信ありがとうございます。

凍華を印象づける描写はたしかに必要ですね。この時点だと好きなものは妹と姉、時点で八重、嫌いなものは彼女ら、特に妹の火漣を傷つけられたりすること、なので、改稿される予定ではありますが、その辺を中心に加筆していきたいと思います。

で、魔術師とは何者か、を一行で触れるのは中々難しいんですよね……。敢えて説明するなら、超常現象ないしはオカルトと関わりがあり、ある程度干渉できる人々の総称、ということになるのですが、それは多分この場合相応しい説明ではないですね、分かりにくい表現なので。かと言って、「人類に仇なすオカルティックな存在と戦う特殊技能集団」というような表現ですと、この作品内では間違いではないのですけど、世界線全体として見た場合には明らかな間違いとなるのですよね……。「いわゆるオカルトに触れる人々」とかでも良いのかしら……。

火漣に関しては……たしかに性別触れてないですね。最初性別を決めずに作り始めていた名残でもありますが、それ以上に、音が「カレン」のつもりでしたので、カレンて音の男の子は居ないだろ、とか思ってた節が強かったですね、ちゃんと書かなければ。

頑張って描写というか説明というかを足しながら書き直して見たいと思います。

スレッド: 凍った瞳

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元記事:キトンブルー(仮題)

『青を厭うその国で、青の瞳に見下ろされる夢を見てダリアは目を覚ました。

見知らぬ男、女、そして鮮烈なまでのキトンブルー。繰り返し夢に登場する、少女の知らないなにもかも。異なる世界の記憶を持つダリアは学園への入学を契機に、様々な人間と出会い別れ、学び、そしてその全てはダリアすらも知らない記憶の糸を辿って自らの由来へと迫るために。』

あらすじは上記です。ノベル道場の利用自体が初めての人間ですので、もし何か誤ったことをしている場合などありましたらぜひお教えいただけると助かります。

相談したいのは正直全てなのですが、メインとしてはタイトルとあらすじについてを主にアドバイスいただけると嬉しいです。タイトルは既存の単語そのままという現在の仮題は避けたいと思っていますし、あらすじもいまいち特徴がなくどうにか修正できたらなと考えています。もちろん本文についても諸々拙いところばかりの作品ですので、遠慮なく感想・批評・改善案など何でもお待ちしています。
以下、タイトルあらすじを考えるにあたって必要かと思われますプロローグ後の展開、主軸についておおまかに。

・繰り返す夢は次第に輪郭を帯びていく。男と女は誰なのか、正夢か悪夢か。それとも?
・主人公は転生をする前の人生の記憶がなく、また    これはお察しかもしれませんが、次第に揺るがない事実だと思っていた己が『転生者』という事実の真偽さえも朧になっていきます。
・自らの記憶と、また学園ものですので学園で起こる事件や騒動など、それらがひとつに収束するようプロットを立てています。
・キトンブルーがキーワードです

上記の返信(キトンブルー(仮題)の返信)

投稿者 silica : 0 投稿日時:

こんにちは、silicaと言います。
取り敢えず思ったことを端的に。
タイトルに関しては今のままでも良いんじゃないかな、と思います。というより案がないのです。
プロローグの中身に関しては、面白そうだと思います。その上で、作者には幾つかの選択肢があります。今のプロローグは、(少々表現が過多なのを除けば)、小説としては面白そうな代物になっていると思います。テンプレを採用しつつも盛大に外しており、作者の色も出てきています。ただし、これはネットで読むには不向きかな、と思います。この文体を冒頭にポン置きすると、ライトな話を求めている人は逃げるかと。
なので、文体と表現をライトノベルに寄せて、キャッチーにするか、このままの方向にするかは考えた方が良いかと思います。
私の場合、このプロローグで読み続けるかは、その日の気分次第になってしまいますね。なんか面倒なことがあった日には多分逃げます。

長所。良かった点

何かが起こってそうな雰囲気がありつつも、日常にある感じが、なんとも先への興味をそそります。今の時点でも面白いと思いますよ

良かった要素

ストーリー 文章 オリジナリティ

スレッド: キトンブルー(仮題)

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現在までに合計8件の投稿があります。 5件づつ表示中。現在全2ページ中の1ページ目。

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元記事:覇道の本懐

タイトルも、プロローグも、どちらももう不安で不安で。なので批判などよろしくお願いいたします。長所もお願いします!

上記の回答(覇道の本懐の返信)

投稿者 ヘキサ : 0 投稿日時:

タイトル案はドラコンさんがいい感じのを出しているのでその辺で。
他にあるとしたら「鳥鳴国演義~」とか「○○の乱」とか、やっぱり中華ものらしいのがいいと思います。でも、サブタイトルが「覇王の本懐」なので、主人公の生き様を描きたい、と思えますので、それを活かすには主人公の名前がとりあえずよさげに思えます。

で、プロローグの点ですが、いちばん気にしてほしいのは「これって、時系列的にどこ?」ってことです。
というのも、漫画・アニメ・映画あたりを参考にしすぎている人が見落としやすい罠に「小説では、なるべく時点移動はしないほうがいい」という原則があります。

小説は映像媒体よりも読者に想像させる負担が高いため、わかりづらさを極力軽減していく必要があります。それが漢字の専門用語が多い中華ものでは尚更です。
そのため、原則「時系列を乱さない範囲で読者の目を引くシーンから」始めるのが推奨されます。

プロット相談掲示板で伺った限りでは「父母を殺されたシーン」もしくは「塔を脱出するシーン」あたりが適切ではないのか、と思えました……が、これは形と出会い、ラスボスに合っている状態。クライマックスもいいところのように思えるのですが。

つまり、それまでの過程を描いてもぜんぶネタバレになってしまい、読者が退屈する恐れがある。それだけならまだしも、「ちゃんと物語としてできているか不安」という人であれば本編を執筆していくうちに内容がずれ、このシーンにまで行きつかない可能性があります。そういう意味でこのシーンのチョイスはおすすめできません。

先程も言ったように、なるべく時系列の早い段階で、読者が退屈しないだろうと思えるシーンを選んでください。

あともうひとつ、これも映像媒体慣れしてる人にはなかなか言ってもわかってもらえない「視点」の問題。
……いちおう中華もの歴史ものは、神視点がギリギリ許容範囲のジャンルだと思っていますが、神視点というのはプロでも失敗する可能性の高い表現方法です。
推奨は三人称一元のシーン毎の切り替えなんですがねー……

この「視点・時点」に関して、一度ここの研究室のトピックを見たうえで、覚悟を決めて取り組んでください。ひとまずこのへんで。

スレッド: 覇道の本懐

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元記事:凍った瞳 改稿版1

以前に、ここで同名タイトルにて相談させて頂いた作品の、改稿版となります。設定などは何も変化してはいないので、そちらの確認もお願いします。
現在、プロローグを終われなくなってしまっていまして、どうにか切ってみたもののイマイチなので、どう終わらせたら良いかに関しても意見が欲しいです

上記の回答(凍った瞳 改稿版1の返信)

投稿者 ラ研の無惨 : 0 投稿日時:

どうもこんにちは。先日はプロット及び相談掲示板にレスをいただきありがとうございます。
プロローグを読ませていただきました。感想を書きます。

内容を読んだ限りでは、残念ながらあまり続きに興味を引かれませんでした。
時代背景などが直感的にわかりにくくて、最後の手前までローファンタジーだということに気がつくことすらままなりませんでした。
(魔法などの固有名詞から授業のシーンまで勝手に異世界ファンタジーだと思い込んでいました)

5w1hの内かなり重要性の高い「どこで」が抜けているのはかなり重たい問題点だと思います。
先の方の感想では「プロローグにしては説明が多い」というものがありましたが、それに補足する形で「重要性のある部分を把握できていない」のではないか?と私は思います。
まだ改稿を検討されているならこの部分は修正してほしいですね。

スレッド: 凍った瞳 改稿版1

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元記事:幻想砂漠(仮題)

創作相談掲示板のほうにも投稿させていただきました、仮想現実を舞台にした話です。

ストーリーを語らずに見せる、スピード感のある文体を模索しています。
描写の過不足や場面の組み立てなどについて、ご意見をいただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。

上記の回答(幻想砂漠(仮題)の返信)

投稿者 大野知人 : 1 投稿日時:

 読みました。
 スピード感はあると思うんですが、読者にとって初見の単語は流石に解説が居るかも。レーヴがVRMMOであること、セイクルスが場所の名前であること、未開発大陸とは何か、あたり。
 あと、『白血球』という言葉が一般的過ぎるので、せめて当て字で『白血球(監視プログラム)』って書くとかした方が良いかな。

 後半のクラウとエルの会話のシーン、『一つの台詞+一つのモーション』って言うのがずっと交互に入る構造になっていて、ちょっと短調すぎます。
 もう少しメリハリがあった方が良いかも。まあ、俺も上手く出来ないけど。 

 ちょっと思い付きで、『俺だったらこうする』版を作ってみました。参考までに。

ピクセルで構成された荒野を、データの風が吹き抜けていく。
《大陸》と呼ばれる広大なマップの端のまた端、何にもないような荒野にポツンと経つ小さな事務所の扉が今、開かれた。
「腕の良い運び屋を探してるんだけど」
入ってくるなり、少女はそう言った。
ステータスバーに表示されているのは『アリス』という名前のみ。ガキらしい口調に反して情報管理はしっかりしてやがるな。内心で考えつつ、クラウは皮肉で返す。。
「こっちが探してるのは依頼人だ。迷子じゃなくてな」
スクリーンの起動音。
クラウが顔を上げると、少女は無言のまま、目の前にバンクコイン(ゲーム内通貨)の残高証明を展開してみせる。
「おいおい、何の冗談ですかっての。それともアレ? どこぞの石油王が変声機(ボイチェン)まで使って美少女ロールプレイですか?」
嫌味を言いつつ、眺めていた端末をデスクに投げ出す。面倒そうながらも、真っ直ぐに少女を見つめる。
「で?」
クラウの態度が気に食わないのか、アリスはスクリーンを消して、端的な言葉だけで目的を述べる。
「セイクルスまで。期限は明後日の12時」
クラウは鼻で笑った。ここからセイクルスまでの距離もそうだが、問題はその時間設定だ。確実に大陸を横断するハメになる。海路ならまだしも、横断はヤバイ。
「知らないみたいだから教えてやる。〈レーヴ〉で未開発大陸を横切ろうとするのはな、監視プログラム(ハッケッキュー)に不正アカウント扱いでBANされたい自殺志願者と犯罪者(レッド)ユーザーに有り金スラれたいマゾヒストだけだ。……ああ、別に授業料はいらないぞ。ただの常識だからな」
「つまり、あなたには無理ってことね。ありがとう。他を当たるわ」
馬鹿にしたような言い様には、馬鹿にしたような返しが戻って来る。クラウの口元が引きつった。
だが、こっちは大人だ。すぐ余裕を取り戻してニッコリと笑みを浮かべる。
「もうひとつ教えてやるよ。俺たちみたいな小悪党を相手にする時は、言葉に気をつけたほうがいい」
「お互いにね」
向こうもまた嫌味に笑顔で返し、ログアウト。
少女の姿が現実空間へとかき消えると同時、クラウは小さく呟いた。
「エル」
「随分面白い目に遭ったみたいね」
入れ替わりにログインしたのか、それともステルス迷彩でも羽織っていたのか。若い女の声と共に一匹の黒猫がデスクの上に現れる。
「相手する気がないなら、最初から入れなきゃ良かったのに」
「許可してない。勝手に入ってきた」
「あらら」
そう言いながら、エルはデスクから飛び降りる。
塵ひとつない床を行ったり来たりしながら、
「いまログ見たけど、ダミーアカウントですらないみたいね。この短時間で痕跡を完ぺきに消すなんて、そんなことできるのかな? もしかすると……最初から実在してなかったりして」
「はぐらかすなよ。どうせ答えぐらい知ってるんだろう?」
「いえいえ、そうでもないわよ。私は消すのが専門だもの。直感的に見える事ならともかく、テクノロジーはそっちの専門。でしょ?」
返事はせず、クラウはデスクにスクリーンを展開する。
タタタタタタタン。めちゃくちゃなスピードでコンソールを叩いた。
「馬鹿馬鹿しい。脳みそのない幽霊が〈レーヴ〉にアクセスできるかよ」
滝のように流れる文字を目で追う。
少女との先程のやり取りが、0と1に分解されて再現された。
「ほーら。見えて来たぞ……」
エルが肘掛けに飛び乗ってきて、一緒になってスクリーンを見つめた。
やがて、ぴたりと手を止める。
タン!
「チッ。どーせ、そんなこったろうと思ってた」
どれどれ、という感じでエルが覗き込む。
素人はもちろん、一流のプロですら見落としそうなほど巧妙なやり方で、オフィスとはまったく別の座標が仕込まれていた。たかだか数十文字の、会話の中に。
「ここが次の面接会場ってわけだ」
「……で、行くの? 行かないの?」
クラウは座標をダウンロードし、スクリーンを消去する。
「分かってて言ってるだろ?」
「ええ、まあ。キーボードを叩く指が楽しそうだったもの。でも意外ね。こういうの普段なら嫌がるじゃない?」
「……おう、ちょっと思う所あってな」
エルは首をかしげ、ネコらしく後ろ足で首元を掻いた。
「あら意外。やっとお金の大切さがわかった?」
「お前と一緒にすんなよ」
そう言って、乱暴にコンソールを押しのけて立ち上がる。
窓の外に広がる荒野を一瞥する。
エルのほうに向き直り、余裕ぶった笑みを浮かべて言う。
「俺はな、ああいうクソガキが大嫌いなんだ」
ログアウト。

スレッド: 幻想砂漠(仮題)

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