俳句添削道場(投句と批評)

北野きのこさんの添削最新の投稿順の8ページ目

「切り株に芽吹きたるは幼き葉」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 切り株に芽吹きたるは幼き葉

非才の与太郎さんおはようございます。
才能も知恵も努力も足りない未熟者ですが、感想を述べさせていただきます。
私の句にもぜひコメントをしてくださいね。

さて掲句の描いている光景ですが、「蘖(ひこばえ)」という季語が表す光景とほぼ同じかなと思います。
私もつい最近こちらに投稿された句でこの季語の存在を知ったばかりなので、偉そうな事を言う資格は無いのですが…
https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/haiku/corrections/view/969
こんな難しい漢字、機械が変換してくれなければ絶対に書けません(笑)

また「芽吹いて来る葉と言えば、そりゃぁ幼い葉なのだろうな」という与太郎さんご自身の指摘もごもっともだと思います。
適切な語を選択する事と、意味の重複した部分を削る事で、音数がかなり節約できそうですね。
季語を提示して読み手に切り株の光景を想像させた上で、イメージを広げるフレーズを追加してはいかがでしょうか。

切り株もしくは葉の質感や色をクローズアップしてみるとか…
切り株を見ている人物の状況にせまってみるとか…

私だったら「直接には切り株と関係無いけれど、切り株と同じように困難を乗り越えて芽を出そうともがいている人」を読み込みたい気がします。

点数: 1

「包丁を研ぐ指先や冴返る」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 包丁を研ぐ指先や冴返る

腹胃壮さんこんばんは。

佐保姫の句にコメントを頂き、ありがとうございました。
確かに「佐保姫」とあれば「山」は不要な気がして来ました。

動詞に関しては実は推敲前に「触るる」の句も作っていたんです。
無理に推量を盛り込む必要も無いかな?
もう少し考えようと思います。

さて掲句ですが、緊張感をヒリヒリ感じさせる素敵な句だと私は思いました。
包丁を研ぐ指先はどんな様子なのかしら、と思わせてからの季語「冴返る」でドキリとしました。

ただの「まだまだ寒いなあ」ではなく、「一旦は温もりを感じたのに…」ですよね。
包丁に触れる指の感覚、冴返った水や空気や床から伝わる冷たさを想像すると、この人物は果たしてどんな気持ちなのか、ひょっとして研いだ包丁で何かとんでもない物を捌くつもりなのじゃないか…と不穏な気持ちすら感じました。
「この指先にはきっと何か強い思いが篭っているのに違いない」という私の読みは腹胃壮さんの意図通りでしょうか?

意図通りなのだとすれば、提示されたページの句の類想にあたるのかどうか少し疑問です。
「刃物に添えられた指先」という絵は確かに同じですが、そこに込められた人物の背景や季語の働きが全然違うと私は思うのですが。

もし私がこのレベルの内容のかぶりで「類想だ!」と誰かから指摘されたらちょっと不服かもしれません…。

添削するとしたら、クローズアップする点を変えつつより不穏な感じにします。

冴返る素足のままで研ぐ包丁

でも掲句のままの方が私は好きです。
ここまですると奇行なので(笑)

点数: 2

「初蝶の貪る空や地鎮祭」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 初蝶の貪る空や地鎮祭

酔いどれ防人さんこんにちは。
いつも私の句へコメントを頂きありがとうございます。

それぞれの単語がそれぞれの効果を存分に発揮していると感じました。

「初蝶」で新たな季節を迎えた喜びや高揚感、おめでたさが見えます。
「地鎮祭」で作者の状況や心情が見えてきます。

この気持ちが「貪る」でさらに強調されますね。
一瞬「他の晴れ晴れとした要素の中にマイナス要素を含む動詞を配するのはどうなのかな?」とも思ったのですが、作者の状況を考えればなるほどと思わされます。
動詞に託す事で感情がこんなにリアルになるのですねぇ…!

蝶の様子から空へ光景を広げてからの切れ字でカットが切り変わり、地鎮祭へ続く展開も鮮やかだと思います。
読み終えて、春の空の下で地鎮祭を迎えた人物の心情がしっかり余韻として残りました。

どこか添削してやる、と意地悪な気持ちで見ても切り崩せませんでした(笑)
とても素敵な句ですね。

点数: 2

「阿蘭陀渡りスマホ片手のお取り寄せ」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 阿蘭陀渡りスマホ片手のお取り寄せ

腹胃壮さんこんにちは。
孕み鹿の句へ添削を頂き、ありがとうございます。
印象的な光景から作句すると、どこをどう切り取るかとても悩ましいんですよね…。
「殿」も交えてもう一捻り頑張ります!

細雪の句の時にも薄々と感じていたのですが、どうやら土地繋がりのご縁があるようですね!
件の群れの雄達も立派な角を持っていたので、もうすぐ生え変わりの時期を迎え、袋角にもお目にかかるだろうと思います。

さて「阿蘭陀渡り」!
いかにも難しそうな季語ですね…。
今回調べて初めて意味を知りました。

しかし季語の意味さえ分かってしまえば、「江戸時代の阿蘭陀渡りと現代の物流の対比」という句意を全体から理解するのは難しくない気がします。
引っかかったのは読み進めた際に「阿蘭陀渡り」で江戸の献上行列の光景を想像してから、「スマホ」で現代人の生活へ移行する展開の急さでしょうか。

展開の緩急については私自身まだ自信が持てていないので感覚論になってしまい恐縮なのですが、掲句に関して私は置いてけぼり感を味わいました。

季語としての力は死滅してしまうと思うのですが、「現代の阿蘭陀渡りです」と明示した方が読み手には親切なのではないでしょうか。

スマホ一つ現代の阿蘭陀渡り

あるいは阿蘭陀渡り寄りの描写の割合を多くするか…

スマホ無き世や遠き阿蘭陀渡り

掲句からは離れすぎかなー…

点数: 1

「ひこばえや出産時刻は明け方」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: ひこばえや出産時刻は明け方

かぬまっこさんこんにちは。
私の句へ添削を頂き、ありがとうございました。
毎度助詞は悩み所なんですよねー。
難しいです。

恥ずかしながら「ひこばえ」という季語を今回初めて知りました。
あの現象にこんな名前が付いていたとは…。
樹木が命を繋ぐ様子と、妊婦のイメージが重なって味わいのある句になっていると思います。

腹胃壮さんが既に御指摘ですが、報告句っぽさが「〜は明け方」辺りから発生している気が私もします。
「時刻」と「明け方」も意味に重複があるので推敲できそうかな。

私は「分娩」と「ひこばえ」の対比をより押し出す方向で考えてみました。

明け方のお産中庭の蘖
朝露のひこばえ産科の喧騒

点数: 0

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