俳句添削道場(投句と批評)

北野きのこさんの添削得点の高い順の4ページ目

「包丁を研ぐ指先や冴返る」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 包丁を研ぐ指先や冴返る

腹胃壮さんこんばんは。

佐保姫の句にコメントを頂き、ありがとうございました。
確かに「佐保姫」とあれば「山」は不要な気がして来ました。

動詞に関しては実は推敲前に「触るる」の句も作っていたんです。
無理に推量を盛り込む必要も無いかな?
もう少し考えようと思います。

さて掲句ですが、緊張感をヒリヒリ感じさせる素敵な句だと私は思いました。
包丁を研ぐ指先はどんな様子なのかしら、と思わせてからの季語「冴返る」でドキリとしました。

ただの「まだまだ寒いなあ」ではなく、「一旦は温もりを感じたのに…」ですよね。
包丁に触れる指の感覚、冴返った水や空気や床から伝わる冷たさを想像すると、この人物は果たしてどんな気持ちなのか、ひょっとして研いだ包丁で何かとんでもない物を捌くつもりなのじゃないか…と不穏な気持ちすら感じました。
「この指先にはきっと何か強い思いが篭っているのに違いない」という私の読みは腹胃壮さんの意図通りでしょうか?

意図通りなのだとすれば、提示されたページの句の類想にあたるのかどうか少し疑問です。
「刃物に添えられた指先」という絵は確かに同じですが、そこに込められた人物の背景や季語の働きが全然違うと私は思うのですが。

もし私がこのレベルの内容のかぶりで「類想だ!」と誰かから指摘されたらちょっと不服かもしれません…。

添削するとしたら、クローズアップする点を変えつつより不穏な感じにします。

冴返る素足のままで研ぐ包丁

でも掲句のままの方が私は好きです。
ここまですると奇行なので(笑)

点数: 2

「友人に別れのたびに朝顔を」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 友人に別れのたびに朝顔を

与太郎さんこんにちは。
色んな人が色んな事を言える場であれば素敵だなと思っています。
私も初心者も良いところなのですが、自分の勉強になるはずとコメントを残させて頂いています。
与太郎さんも、是非。

さて句の感想を述べさせて頂きます。
句から十分に花を送る光景を想像できると思いました。
贈り物が朝顔という点が新鮮に感じられました。
別れの朝に一輪摘み取ったのかな?
鉢植え?押し花?
花束やアレンジメントにも使われるのかな?

「朝顔の咲く季節の度に別れを迎える二人とはどんな関係なのかな?」
という想像を膨らませたりもしました。

また季語が時間情報を含んでいるので、朝に別れの言葉を交わす人物達の様子が鮮明に感じられます。
句の中でどこまで詳細に光景を描き、どこからを読み手に託すかの塩梅に私もよく悩むのですが掲句では時間情報を明示している点が成功していると思います。

気になっているのは普通の文章っぽさが感じられる点です。
「友人に別れのたびに朝顔を(贈ります)」
という文章から動詞以下を除いた形になっているからかな…?

切れ字を入れて2カットの映像にしてみてはいかがでしょうか?
友を見送る主人公の目線
→友人への贈り物の朝顔
という構成にしてみました。
見送る側の主人公の心情に読者を誘導しておいてから季語を打ち出す事で、季語に込められた思いを読者に想像させたいという目論見です。

加えて「たび」は漢字にした方が良いと思います。
読んでいて「度」か「旅」か迷いが生じる気がします。(私だけ?)

友の背や別れの度に朝顔を

点数: 2

「サングラス嘘で固めたシャイな奴」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: サングラス嘘で固めたシャイな奴

かぬまっこさんこんにちは。
どんな方を想って詠まれたのかな…。
末尾の「奴」に作者がこの人物に抱く思いが滲みますね。
「君」ともニュアンスが違ってきますね。

「サングラス」「嘘」「シャイ」辺りの語句にやや近しいイメージを感じるかもしれません。
「サングラス」は季語ですし…
「シャイな奴」を崩すとサングラスをかけた人物への純粋な罵りになってしまいそうな気もします…

中七を具体的な光景にしてみてはどうでしょう?
シャイな奴泳ぐ目線にサングラス

点数: 2

「サングラス嘘で固めたシャイな奴」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: サングラス嘘で固めたシャイな奴

かぬまっこさん連投失礼します。
私の蟻の句へコメントを頂き、ありがとうございました。

実はあの句は誕生日祝いの宴会の翌朝の光景を想定して詠んだものなのです。
「酔っ払って寝てしまい、目覚めると酒瓶に蟻がいた」というようなイメージです。

この句の原型は「二日酔い」「誕生日」「空き瓶」などの言葉で具体的な状況説明をした句なのですが、それをかなり弄り回した後にできたという経緯があります。
私の中にも「ここまでやると情景が伝わらないかなぁ」という心配があった句なので入選に自分で驚いています。

助詞「に」についてですが、この添削道場でも説明的になり過ぎるきらいがあると話題に上る事が多いですよね。
そんな指摘を読んで私も「に」の使用にはかなり慎重になってはいるのですが…。

今回の二句でも、上五が「瓶の蟻」の場合と「瓶に蟻」の場合とで、どちらが良いか悩みました。
「瓶の蟻」の方が「瓶の中の蟻が歳を食った」という誤読を招きやすいのではないかと私は考たのですが、こちらが選ばれたのですよね(笑)

ひょっとすると、選者の夏井先生にも私の意図は伝わっていないのかもしれません。
是非入選の意図を聞いてみたい所ですが、コメントを貰うには地選以上に食い込まなければならないのですよね…。
道は遥かだなぁ…(苦笑)

点数: 2

「チリンチリンアイス渡して片思い」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: チリンチリンアイス渡して片思い

塩豆さんこんにちは。
各地の皆さんとやりとり出来ている事がとても感慨深いです。
北海道より参戦の北野です。

チリンチリンアイス、花弁に見立てた形がとても愛らしいですね。
こんな名物があったとは今回初めて知りました。
私も夏空の下で楽しんでみたいです。

季語として考えた時には「アイスクリーム」が持つイメージに加えて、長崎県の夏を想起させる固有名詞としても機能してくれますね。
「チリンチリン」という語感も楽しい。
知っている人はもちろん、チリンチリンアイスを知らなかった人もこの単語の意味を調べた瞬間に長崎の夏の光景をリアルに想像させられると思います。

詩の中でとても強い存在感を放つワードなので、末尾に配置して読者の脳内にチリンチリンアイスの余韻を充満させる方が良いのではないかと私は考えました。

片恋の君へチリンチリンアイス

塩豆さんの発想から逸脱しますが、「片恋」と「君」の意味の重なりを解消して…

チャンス到来君へチリンチリンアイス(字余り)

という案も考えてみました。
塩豆さんの描かれた人物像に比べて、やや肉食系の主人公になってしまうかな…

甘酸っぱい句で頭を使うといつも以上に脳疲労を覚えます(笑)

点数: 2

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