「包丁を研ぐ指先や冴返る」の批評
回答者 北野きのこ
添削した俳句: 包丁を研ぐ指先や冴返る
腹胃壮さんこんばんは。
佐保姫の句にコメントを頂き、ありがとうございました。
確かに「佐保姫」とあれば「山」は不要な気がして来ました。
動詞に関しては実は推敲前に「触るる」の句も作っていたんです。
無理に推量を盛り込む必要も無いかな?
もう少し考えようと思います。
さて掲句ですが、緊張感をヒリヒリ感じさせる素敵な句だと私は思いました。
包丁を研ぐ指先はどんな様子なのかしら、と思わせてからの季語「冴返る」でドキリとしました。
ただの「まだまだ寒いなあ」ではなく、「一旦は温もりを感じたのに…」ですよね。
包丁に触れる指の感覚、冴返った水や空気や床から伝わる冷たさを想像すると、この人物は果たしてどんな気持ちなのか、ひょっとして研いだ包丁で何かとんでもない物を捌くつもりなのじゃないか…と不穏な気持ちすら感じました。
「この指先にはきっと何か強い思いが篭っているのに違いない」という私の読みは腹胃壮さんの意図通りでしょうか?
意図通りなのだとすれば、提示されたページの句の類想にあたるのかどうか少し疑問です。
「刃物に添えられた指先」という絵は確かに同じですが、そこに込められた人物の背景や季語の働きが全然違うと私は思うのですが。
もし私がこのレベルの内容のかぶりで「類想だ!」と誰かから指摘されたらちょっと不服かもしれません…。
添削するとしたら、クローズアップする点を変えつつより不穏な感じにします。
冴返る素足のままで研ぐ包丁
でも掲句のままの方が私は好きです。
ここまですると奇行なので(笑)
点数: 2