俳句添削道場(投句と批評)

北野きのこさんの添削投稿の古い順の12ページ目

「鶏の声高らかに梅雨明の朝」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 鶏の声高らかに梅雨明の朝

塩豆さんこんばんは。
いつもお世話になっております。
九州の大雨特別警報のニュースを見て、とても心配しています。
現地の情報を見聞きする度に胸が苦しくなります。
塩豆さんもぜひお気を付け下さい。

腹胃壮さん北海道の私にも心配りを頂きありがとうございます。
私の住む地域は小雨程度の降雨しか無く、いたって平和です。
道内の離れた場所に住む友人の家の周りでは被害が出ているようですが…。
皆さん何卒ご注意下さい。

さて掲句の感想を述べさせて頂きます。
季語と聴覚に訴える表現の効果で作者の実感が伝わってきます。
きっと晴れ晴れとした気分で一日が始まるのでしょうね。

「高らか」「鶏」「声」「梅雨明け」「朝」…それぞれにややイメージの重なりがある気もしますが、削りすぎたり、ゴテゴテと言葉を盛ったりしてはすっきりとした雰囲気を損なうとも思いました。

すっきりと気持ちの良い印象を強調するために句またがりを回避してはどうでしょうか。

梅雨明や一番鶏の高らかに

先日塩豆さんが議論されていた「や」の後が体言止めで終わらないパターン。
しかも連用形にして、続く動詞を想像させる形ですね。
成功すれば余韻を作り出せると思っていて、私は嫌いではないのですがいかがでしょうか。

…と、ここまで書いてから掲句の「高らかに」は「声」を修飾するものではないのでは、という考えが浮かんできました。

鶏の声/高らかに梅雨明けの朝

という切れがあると考えると、後半以降を修飾していると考えるのが正解…?
「梅雨明けの朝が高らかにやってきました!」という内容だと仮定して、もう一案考えてみました。

高らかな梅雨明け空や鶏の声

どちらが正解かな?(どちらも不正解!?)
以上長々と失礼しました!

点数: 3

「指折りて二色足らずや虹薄れ」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 指折りて二色足らずや虹薄れ

なおこさん初めまして。
句の感想を述べさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いします。

「私にはどうしても虹は五色にしか見えない」とのコメント、とても面白いと思います。
俳句ポストにも「虹に何種類の色を見出すかは国や文化によって様々」という様な記述がありましたし、
「私にはこう見える!」という感覚の独自性を句の前面に押し出すべきだと思います。

また指折り数える様子を描写する事で場面にリアリティが生まれていると私は思います。
「私の国では虹は五色と言われているのです」
ではなくて、
「今私の目の前に虹があります!数えてみたら色は五種類でした!」
と言っている訳なので臨場感がずっと増すのだと思います。

この独自性と臨場感を大切にするのであれば、「数えた結果5色だった!」という瞬間に限定して描写を推敲すべきではないでしょうか。

俳句ポストの選者の夏井先生が以前
「短い俳句の音数の中に時間の経過を詠み込むのはとても難しい事です」
とおっしゃっていました。

掲句の下五の「薄れ」は読者の脳内に時間経過を想像させると思います。

「美しいはっきりとした虹を発見したので色を数えてみた」
→「数えてみたら五色でした」
→「そうこうしてる間に虹が薄れてきました」
という風に。
ここを推敲すべきだと私は思います。

指折れど二色足らずや遠き虹
指折りて数えど虹は五色なり

なおこさんの発想からは遠ざかりますが、何色が見えないのかはっきりさせるのも一つの手かな、と思いました。

橙と藍は無いよと虹睨む

点数: 3

「海の日や籠一杯のミニトマト」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 海の日や籠一杯のミニトマト

白井百合子さんお久しぶりです。
山本海苔のページでお名前を拝見して、嬉しい気持ちになっていました。

お互いマイペースに俳句修行を楽しみましょう!

掲句は「海の日」と畑の作物の取り合わせですね。
俳句ポストの兼題「海の日」に取り組んでいる時に「陸のものと取り合わせたらどうかなー」と考えたりしました。
中々難しかったのですが(苦笑
近過ぎたり、遠過ぎたり、なかなかちょうど良い距離に定まらないのですよね…。

私は海の日とミニトマトは遠すぎるかなと思ったのですが、
人によっては畑や山で過ごす海の日も勿論ある訳ですし…
トマトが異国からもたらされた経緯に思いを馳せてみたり…
困難ですが面白い試みだと思います。

また添削道場でお見かけできるのを楽しみにしていますね。
(私もいなくなりがちなのですが…)

点数: 3

「彷徨える鳥の住処は川の中」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 彷徨える鳥の住処は川の中

ままごとさん初めまして。
句の感想を述べさせていただきます。
よろしくお願いします。

一読した所では、ままごとさんが句で描こうとされた情景がうまく思い描けませんでした。
「川の中に住処がある鳥ってどんな鳥なのかな?」
「それで、その鳥はどうして彷徨っているのかな?」
という感じでした。

大雨に関するコメントを読んで
「河川の増水で鳥の住処の木が水没してしまい、鳥が彷徨っている」
という内容かなと想像しました。
間違っていたらごめんなさい。

やはり掲句の内容では「いつも通り川辺に行ってみたら、普段から水中に住んでいる鳥が彷徨っていた」と多くの人が読んでしまうと思います。
(多分そんな鳥は実在しないと思うのですが)

腹胃壮さんの「季語を詠み込む事」「五感に訴える事」というアドバイスに私も賛同します。
季語が入るだけで状況がグッと伝わるはずですし、
感覚(暑い?暗い?水音?…)が伝われば、きっと水害に直面している作者の不安感も伝えられるはずです。

点数: 2

「秋近し上川盆地の朝ぼらけ」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 秋近し上川盆地の朝ぼらけ

腹胃壮さんこんにちは。
ご無沙汰しております。

初めてお目にかかる皆さん、どうぞよろしくお願いします。

皆さんのご指摘、ご添削それぞれに深く頷いております。
掲句を一読して、上川地方の豊かな農地の光景が私の脳内には鮮明に再生されました。
私は北海道在住で上川地方にもこれまで色々な形で訪れています。
夜通しの長距離移動をして、明け方に上川辺りで美しい田畑を眺めた大昔の思い出が蘇りました。

ただ、映像が具体性を持つか否かはやはり固有名詞への親しみの度合いに大きく左右されてしまうと思います。
もしも東北の米所を詠んだ句であれば、私にはそれほど大きな共感やリアリティを得られなかったはずです。

そう言った意味でもより広い層に映像を届ける工夫は求められるのでしょう。
またそうする事が、固有名詞への関わりが比較的深い読者の心をより強く打つ句を目指す事にもなるのではないでしょうか。

「米」「田」「農夫」「トラクター」など具体的な映像化に寄与するワードを盛り込もうと試みましたが、音数調整が中々難しいですね。
私も「北海道の上川」である事は明示したい気がするので、なおさら困難です。
固有名詞の代替案として「宗谷本線」「道央道(道央自動車道)」なども考えてみましたが、ここまで来るとクイズの域に達してしまいそう(笑)

以上を踏まえてハオニーさんの「品種名」という発想には大変驚きました。
舞台が北海道である事を押さえつつ、五感にリアルに訴える内容だと思います。

私からは感想しか申し上げられず、恐縮です。
今後も勉強させていただきます。

点数: 3

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