「淡雪の舞ひて静けき墳丘墓」の批評
回答者 みつかづ
添削した俳句: 淡雪の舞ひて静けき墳丘墓
凡さん、おはようございます。貴句、拝読しました。
季語「淡雪」と墳丘墓(ふんきゅうぼ)の以下は読み解けました。
・色を含めて石塚の硬さと淡雪の柔らかさの対比
・淡雪はすぐ解けてなくなるけども、歴史上の人物か残した実績、
古墳は残り続けるとの対比
ただ、動詞「舞ふ」が季語「淡雪」の、形容詞「静けき」が名詞「墳丘墓」の
説明の域をそれぞれ脱し切れていない(=2つある事でクドい)ので、
少なくとも片方を削るのは如何でしょうか。私めなら両方削っちゃうかも。
私めからの添削提案は以下でございます。作者コメントに寄せる方向で3案。
A:淡雪や合掌に組む石の墓
B:淡雪や五百の石の合掌形
「こんなズルいやり方があるのか」という方法の提示でございます。字余りします。
C:淡雪や合掌形石室古墳
A案の特徴
・「合掌に組む」を動詞化した点が最大の特徴
・古墳を造る行為・祈りの意図まで読者に想像させる事ができる
・「舞ふ」、「静けき」を削り、情報過多を解消
・古墳が単なる対象物ではなく、人間の営為の痕跡として立ち上がる
A案の効果
・歴史的・文化的背景を読者が補完できる
・雪と石の対比(柔らかさ・硬さ)はやや背景に回るが、
行為の手触りで心理的奥行きを演出
・過去と現在の時間的重層感が出易い
A案で読者に立ち上がる情景
・春の淡雪が降る中、誰かが死者の為に石を組んだ跡が静かに残っている
・物理的景観+人間的感情の両方が暗示される
B案の特徴
・「数」を強調する事で、古墳群のスケール感を即座に提示
・具体的な数字で圧倒感を与えると同時に、全て合掌形であるという不思議さも演出
・行為や心理の描写は薄め、景としての存在感を重視
B案の効果
・視覚的印象が強く、読者は数の多さと秩序の美を感覚的に理解
・雪との対比や柔らかさ、硬さの質感は想像に委ねられる
・冬の静寂や時間の流れも暗示されるが、心理的奥行きより景色的効果が主体
B案で読者に立ち上がる情景
・広大な古墳群の雪景色
・500基の整然とした石の並びと淡雪の柔らかさの対比
C案の特徴
・「季語+対象」の最小構成。情報は極限まで削ぎ落とされる
・読者の想像力に依存する分、余白が最大
・元句の核(淡雪・古墳群・歴史性)は壊さない
C案の効果
・読者に自由に情景・心理・歴史を補完させる
・情報量を抑えた分、俳句としての「切れ」や余韻が強調される
・雪と石の対比、過去の人々と現在の観察者の視点も
読者の心の中で自然に立ち上がる
C案で読者に立ち上がる情景
・淡雪の中に立つ古墳群
・対比や歴史的文脈を読者の心で補う事で、俳句の余韻が深まる
総括
A:心理的・行為的奥行きがある、人物の痕跡を意識させる
B:視覚的・量的圧倒感が主体、景としての力強さがある
C:最小構成で余白を最大化、読者の想像力に委ねる伝統的俳句的アプローチ
Aは心理重視、Bは景、圧倒感重視の重視、Cは余白、余韻重視
アプローチが違いましたので、3案の提示とさせていただきました。
ご参考になれば幸いです。
次に、拙句「煙草の火消しし瓶なる薄氷」にコメント、ありがとうございます。
https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/haiku/corrections/view/33528
「私は数学が大の苦手で、文法も公式の様に見えてきて中々覚えられません。
ね・ね・ぬ・ぬる・ぬれ・ねよの内、文の流れに合うのはこれ…程度ですので…。
やはり文法もしっかり勉強しないとダメですね」とコメントなさっておいでですが、
ご心配には及びません。
何故なら、国語Ⅰ古典は一見すると覚える量が多くて大変そうに見えますが、
実は体系化して覚えようとする事で、覚える量自体は激減いたします。
流れで合わせるのではなく、意味で活用形を合わせる。これが大切です。
近々noteに書きますので、ご参考になれば幸いです。
本当に覚える量は少ないですから。
高校1年から29年経った私めでも未だに殆ど覚えている位ですから、
どれ程カンタンで少ない量なのか、ご想像いただけると思います。
以上でございます。お目通しいただき、感謝いたします。
点数: 1
