「越えれないカナトコ雲も僕みたい」の批評
回答者 つちや郷里
添削した俳句: 越えれないカナトコ雲も僕みたい
Y太さんこんにちは。
受験生でいらっしゃったんですね。
それも偏差値の高いところに挑戦しているとのことで、お疲れ様です。
私みたいな偏差値の低い高校を出てのうのうと生きている人間には想像がつきません。
さて御句ですが
知識が必要なのはもちろんのこと、知識があろうとも句の本意を理解することは、この書き方では難しいです。
自分と季語を比較したり、重ね合わせたりする技法はありますが、非常に高度なテクニックです。
受験生でしたら、やはりその情報は入れた方がいいです。
「カナトコ雲」は絶滅寸前季語らしいですね。
だからといって使ってはいけないというわけではなく、逆にどんどん使っていった方がいいです。
ただ、季語は何かの意図がない限りは漢字で書きましょう。
例えば「カブトムシ」などと書くと昆虫図鑑みたいになってしまうので。
俳句はあくまで詩ですからね。
ちなみにこの句は非常に良いところもあります。
それは、「受験」と「金床雲」の取り合わせが抜群に良いというところです。
「取り合わせ」とは全く関係のないものを響き合わせるという俳句の重要なテクニックの一つで、私自身かなり苦手にしております。
「金床雲」はぜひ使いましょう。
・金床雲や偏差値の壁高し
七五五の「破調」という不穏な雰囲気を持つリズムで焦りの気持ちや絶望感を出してみました。
「や」という助詞はびっくりマークのような役割を持つと同時に映像や意味を切り替える働きをします。
季語を強調し、さらに季語とは関係のない言葉を取り合わせるのに便利です。
受験勉強などで忙しいでしょうが、無理しない程度に俳句作りもがんばってください。
応援してます。
点数: 2