「灯らざる工場や蜂来たるらし」の批評
回答者 長谷機械児
添削した俳句: 灯らざる工場や蜂来たるらし
イサクさん、こんにちは。
御句について。
蓑虫句のときの「灯らざる」は、蓑虫が灯らないということかと読んでいましたが(蓑虫は照明器具ではないから当たり前だけど、それをいけしゃあしゃあと言ってのける句として)、こちらの句の「灯らざる」は操業停止中の工場といった感じに受け取れる、より直接的な表現。
工場という場所にやってくる蜂となると、イメージするのは大きな巣をつくるためにやってくる雀蜂で、「来たるらし」となると、その巣が捨てられ蜂が居なくなったあとに漸く気づいたという結構な時間の経過があります。…随分長いあいだ人の寄りつかないこの工場、まとまった資金ができたら「再開」じゃなくて「更地」にしそうですね。
一句としては、助動詞が多くてまどろっこしい、と感じます。この句では蓑虫句と違って「灯らざる」でない言葉も選べるのではないかと(秋沙美さんの「廃工場」も一案。近々の更地確定)
休業の工場や蜂の恣
廃工場わが物顔の雀蜂
今後ともよろしくお願いします。
点数: 1