「三回忌うなじへぽたり春の雪」の批評
回答者 イサク
添削した俳句: 三回忌うなじへぽたり春の雪
こんばんは。
◆御句はいわゆる「山本山」です。
「三回忌(が)うなじへぽたり」という突飛な意味の可能性が発生しています。
意味だけを考えれば「うなじへぽたり春の雪」だろうなあ・・・と思うのですが、五音の季語の場合は季語だけ下五に置かれることもよくありますし、俳句
にはオリジナリティを求める作もありますので、「三回忌うなじへぽたり/春の雪」という読みの可能性が残ってしまって、句だけでは判断できず、作者でなければ否定できません。
これが山本山という形の欠点です。
◆で、山本山になってしまっている理由のひとつに、上五下五の両方が五音名詞のための三段切れっぽさ、というのがあります。
上五下五の両方が五音名詞の形の弱点、と言えます。
その形がダメなわけではありませんが、こういう弱点があるということは覚えておいた方が良いです。
この句の場合は中七と下五の意味が繋がっているので、中七と下五の間に助詞を置くか、上五を明確に切るか、まずはシンプルな回避方法と言えます。
・三回忌襟へぽたりと春の雪
・三回忌やうなじへぽたり春の雪
点数: 2