「秋墓参朗らか包む孫の声」の批評
回答者 イサク
添削した俳句: 秋墓参朗らか包む孫の声
こんばんは。
お気持ちの句なので、内容は受け取らせていただきます。
句についてのみ語ります。
◆「墓参」はそもそも秋の季語(お盆頃ですが)です。
「秋墓参」は季語としてはややおかしな使い方となります。
どうしても盆ではないことを入れたいなら「晩秋の墓参」とするなど複合季語にすることは可能ですが、あまりお勧めはしません。
◆「朗らか包む孫の声」
この語順で助詞が全くないことで、「朗らか(という何か)が、孫の声を包んでいる」と解釈しました。コメントでは全く違いますね。
意味が伝わらなくなってしまった理由は、字面では二つほど考えられまして、
1.「朗らか」なのは「孫の声」。ここを離してしまったことが意味が伝わりにくくなりました。語順が理由のひとつ。
2.コメントから、「包む(包んでいる)」のは「家族」とか「今の幸せ」とかのはずなのですが、その目的語が句の中にありません。文脈では「孫の声」を包んでしまっています。それが理由のふたつめ。
ですがそもそも、根本的な問題があります。
「朗らか」「包む」「孫の声」これで十二音。季語の五音を合わせて十七音。これらを全て句に入れてしまったので、助詞などを工夫して意味を伝えることも出来なくなっています。
どれかの言葉を削って、意味を伝える工夫をしたいです。
感覚的には「包む」を省略したいところ。「包む」を入れると包んでいるもの(家族・幸せなど)を入れなければならなくなるので、余計に音数が足りなくなります。
ひとまず、意味が通じるように語順と助詞を工夫して、提案句を置いていきます。
・朗らかな子ゐて家族の墓参かな
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