俳句添削道場(投句と批評)

イサクさんの添削最新の投稿順の1406ページ目

「秋墓参朗らか包む孫の声」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 秋墓参朗らか包む孫の声

こんばんは。

お気持ちの句なので、内容は受け取らせていただきます。
句についてのみ語ります。

◆「墓参」はそもそも秋の季語(お盆頃ですが)です。
 「秋墓参」は季語としてはややおかしな使い方となります。
 どうしても盆ではないことを入れたいなら「晩秋の墓参」とするなど複合季語にすることは可能ですが、あまりお勧めはしません。

◆「朗らか包む孫の声」
 この語順で助詞が全くないことで、「朗らか(という何か)が、孫の声を包んでいる」と解釈しました。コメントでは全く違いますね。
 意味が伝わらなくなってしまった理由は、字面では二つほど考えられまして、
1.「朗らか」なのは「孫の声」。ここを離してしまったことが意味が伝わりにくくなりました。語順が理由のひとつ。
2.コメントから、「包む(包んでいる)」のは「家族」とか「今の幸せ」とかのはずなのですが、その目的語が句の中にありません。文脈では「孫の声」を包んでしまっています。それが理由のふたつめ。

 ですがそもそも、根本的な問題があります。
 「朗らか」「包む」「孫の声」これで十二音。季語の五音を合わせて十七音。これらを全て句に入れてしまったので、助詞などを工夫して意味を伝えることも出来なくなっています。
 どれかの言葉を削って、意味を伝える工夫をしたいです。
 感覚的には「包む」を省略したいところ。「包む」を入れると包んでいるもの(家族・幸せなど)を入れなければならなくなるので、余計に音数が足りなくなります。

ひとまず、意味が通じるように語順と助詞を工夫して、提案句を置いていきます。

・朗らかな子ゐて家族の墓参かな

点数: 0

「廃線のバス停過ぎて星月夜」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 廃線のバス停過ぎて星月夜

こんばんは。はじめまして。
俳句ポストの「星月夜」は締切を過ぎましたけれど大丈夫でしょうか?

それなりに整った形の句です。

ご自身のコメントどおり「過ぎて」に違和感が残ります。
作者(作中主体)がバス停を(通り)過ぎたという意味に受け取りましたが、なぜわざわざ「過ぎて」と移動している状況を主張する必要があるのか?がわかりませんでした。

「廃線のバス停」なので「バスで過ぎた」とは受け取れませんでした。
他の手段(徒歩・マイカー・電車など)は句の中に出てきませんし、移動手段がわからないのですが、句の受け手は、「過ぎて」にどのような映像をキャッチすればいいのでしょうか?

という感覚でした。
「過ぎて」の理由がわからず、コメントにもないため、提案も「過ぎて」を外してあとは想像になりますが、以下の感じでどうでしょう?

・廃線のバス停の先星月夜

点数: 1

「庫裏前に銀杏干して一休み」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 庫裏前に銀杏干して一休み

こんばんは。

銀杏拾い!いいですね。
私は銀杏好きでも嫌いでもなく季節のものとして頂いてますが、家族が嫌いなので外食でしか食べる機会がありません。

御句、最後下五「一休み」で、突然作者が主人公として物語を主張し始めました。

「銀杏」あるいは「銀杏を干したこと」を句の主役として立たせたいですね。

・庫裏前に干す銀杏の列をなし
・銀杏を拾ひ洗ひて干しにけり

点数: 0

「鐘の音に歓呼遠のく秋の暮」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 鐘の音に歓呼遠のく秋の暮

おはようございます。

「歓呼消へつと粛なりし秋の暮れ」
「歓呼消ゆつと粛なりし秋の暮れ」
の推敲句ですね。

◆具体的な「鐘」の音、具体的な「歓呼」の声がそれぞれわかりません。
 特に「歓呼」は、前の句で私やなお(じい)様が子の声とわかりにくいと伝えているのですが、読者に理解させようという工夫が増えておらず、残念です。

◆「鐘」という単語は、教会の鐘や寺院の梵鐘の鐘など、実際に存在する「鐘」の音を想像させます。
 現代では時刻を知らせる「鐘」はあまり使われていないと思います(私の田舎では昔、夕刻に鳴らす寺がありましたが、うるさいというクレームが入ってやめてしまいました)。なので、「時刻を知らせる音」という意味で「鐘の音」と入れても伝わりにくい気がします。
 有線放送で流れる「チャイム・音楽・報せ」ならば、それと解るように書いた方が良いと思います。
 ちなみに「鐘」と言えば「音」という説明が不要こともあります。「チャイムの鐘」という言い方もありますね。

◆「遠のく」
 移動の意味が入ります。「自分が歓呼から離れて動く」か、「歓呼を出している人が【そのまま】声を出しながら離れて動く」か、がまず頭に浮かびます。
 御句は後者に近い意味ですが【そのまま】ではなさそう。「遠のく」は推敲の余地がありそうです。

◆「コト俳句」(出来事を説明する俳句)
 不尽様は「○○が○○した」という出来事の俳句を作ることが多いです。
 (チャイムが鳴って、子が帰った)(夕化粧が他の草よりも映えて見えた)(雑草が踏まれても立っていた)などですね。
 「コト俳句」はどうしても出来事の報告のため、説明的になりがちです。

 以前の句では、不尽様の「ちちろ近づくごとく」の句。句意はコト俳句ですが、上五は切れを入れて上手く足し算が出来ていて、後半は不尽様の感覚の描写に徹することができており、「モノ俳句」(モノを描写する俳句)に近づいていて、報告感が感じられません。
 この句程度に要素を削れればよいのですが・・

提案句は前にも出したので割愛します。

点数: 1

「名月や柏手をつひ打ちにけり」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 名月や柏手をつひ打ちにけり

おはようございます。

ひとつ

★十七文字にせんが為に、事実、実体、実態でないことを詠むことには、賛同致しかねます
十七文字ではなく「十七音」です、というツッコミはさておき

この部分、虚子の「客観写生」という単語の功罪ですね。
そういう俳句結社もあるようですし、否定はしませんが、

俳句は日記ではなく文芸なので、
事実、実体、実態でないことを詠む人は多数います。先人にももちろん多数います。
それは「十七文字にするため」ではなく「俳句を俳句として昇華するため」だと私は思っています。

今も待つ銀河に船出せし人を/上村占魚
我去れば鶏頭も去りゆきにけり/松本たかし

ご参考まで。

点数: 1

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