「復興を支える重機能登の春」の批評
こんばんは。
句以外に対してのコメントはマナーとしてはどうかな?荒れる元かな?と思いつつも、私も句以外のところへ意見してしまいます。
【詠み直し】
私は本人がやろうと思ったらやった方がよいと思います。このサイトへの投句は自主的なものですし、詠み直したら前の句が消えるわけでもないですし、推敲の練習として「比べてみてどうでしょうか?」という問いかけもできますよね。
(詠み直しで一人が大量投句すると他の人の句が流れてしまう・・というのはありますが、竜子様はそんなことしていませんし)
特に今回は意見を【肯定的】にとらえての詠み直しなので、ご自身もすっきりするのではないかと思います。
で、せっかくなので両方拝見します。
A 思い出を壊すキャタピラ能登の春
B 復興を支える重機能登の春
区別のために「A」「B」付けます。単なる記号です。
下五は同じ「能登の春」で、季語
は同じ「春」
A句は、やはり「壊す」が心情として強く出ており、「思い出の何かが重機によって更地になっていく」ことへの詠嘆が強く感じられます。2024年の句と知らなければ「再開発のための解体」などの映像になりそうです。たとえば旧母校解体とかですね。
「悲嘆」なのか「事実の受け止め」なのかは断定しづらいですが、「壊す」という単語が強いので、ややマイナスの気持ちが感じられやすいとは思います。
ですが、俳句
によくある「哀しい寂しいつらい出来事を、俳句という客観描写へ吐き出すことで受けとめようとする思い」という点が感じられる句です。
B句は「重機は復興のために働いているもの」という肯定を詠んだものです。これは事実だと思いますし、竜子様の中でもこちらの意見が正解だと判断した、ということだと思います。
ですが「正しいものを正しく説明しよう」という意識が強めに出てしまって、やや説明溢れる句になってしまったのではないかと思います。
「重機」に対する気持ちはB句が正しいと思いつつも、本来は今年の能登の「悲哀」「寂寥感」「復興への道」を詠みたかったのでは?
なので私の意見として、推敲ポイントは
◆「壊すキャタピラ」など、否定的に見てしまうような強い単語を遠慮する
◆映像の中に「重機」の説明が必要かどうか検討する
◆大切なのは「能登の復興を丁寧に詠むこと」
たとえばこれらの方法かな?と思いました。
・思ひ出の解体されて能登の春
・復興の道路はきれい能登の春
(余談ですが、選者の先生がいるような俳句募集に対して詠み直しを投句するのは「その前に推敲して絞り込みなさい」というツッコミを受けます。竜子様ではなく他の初心者様向けの余談でした)