俳句添削道場(投句と批評)

イサクさんの添削最新の投稿順の1447ページ目

「恋猫がコンビニの灯に逃避せり」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 恋猫がコンビニの灯に逃避せり

おはようございます。

描写が足りず、作者の中での理屈が先んじている句、だと思いました。

◆恋猫の一物句なのですが、「一物を描写」ではなく「猫の気持ちを勝手に想像した」句ですので、俳句としてはなかなか厳しいことになっていると思われます。

季語「恋猫」をポンと置くだけでは、受け取り手は「恋に疲れた猫」という意味で受け取れないのでは・・季語の本意は「発情期の猫」で、そのままでは疲れてませんよね?
 コメントの意味で受け取り手にとらせるには、恋猫が「疲れている」という描写が必要なのでは。

◆擬人化の是非があります。
 この句の「逃避」は、コメントによれば擬人化された「逃避行動」的な意味で使われていますが、【猫】という動物に「逃避せり」とポンと置いただけでは「逃げた」という描写にしかならないのでは・・・と思います。

◆「恋に疲れた猫」だから「逃避した」という理屈がある句です。
 「恋に疲れた猫」の描写がないところに「恋猫の逃避」という意味が来るので「雌の取り合いのケンカに負けて逃げてきた」くらいなら辛うじて想像できますが、「休んでいる」という意味にはとれませんでした。

◆原案「コンビニの灯に憩ひけり猫の恋」
 こちらの句は「人間が(作者が)コンビニの灯りに休憩した/そのとき、猫の発情期の声が聞こえた(あるいは、発情した猫が目の前を通り過ぎた)」という取り合わせで観賞が成立する句です。
 その誤読を回避するために掲句では上五「恋猫が」としたのだと推測しますが、一物は難しく・・・

季語を説明する形の句、というのは難しいものだと思います。
描写ではなく「作者の想像」である【憩い】【逃避】を俳句のメインテーマにするなら、受け手を信頼して他の要素を一気に省略したいところです。

・コンビニに癒されをるか恋の猫

点数: 2

「公魚を天ぷらにして春の湖」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 公魚を天ぷらにして春の湖

とりいそぎ。

このサイトでも何度か言っていますが、
「山本山」は上五下五が主に名詞になっていて、中七が上五と下五のどちらを修飾するかわからない形のことです。

御句は「山本山」ではないです。
この句は、上五から「~を」で中七に明確に意味がつながっているので、山本山になりようがないです。

上五と下五が簡単に入れ替わる、というのはまた別の話ですし、御句は同じ理由(上五から「~を」で中七に明確に意味がつながっている)で、上五と下五が簡単には入れ替わりません。語順が倒置してしまうので。

とりいそぎでした。

点数: 1

「春寒しタグついたままワンピース」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 春寒しタグついたままワンピース

こんばんは。

いくつか意見が出ているようで、なるほどと思いながら、まだ出ていなさそうな意見を中心に書きます。

◆句だけでは、季語が近いか遠いかは気になりませんでした。

◆コメントを拝見したときに初めて「寒いからワンピースを着ない。着ないからタグがついたまま」という理由だとわかりました。
 これは「季語が近い」のではなく、「最初から季語を理由にして、中七下五を合わせて作られた句」という因果のある句だと思います。
 ただ、この因果はあまり気にはなりません。

◆コメントなしでは、因果を考えずに取り合わせで鑑賞し、なお様と同じような鑑賞になりました。「街で見かけたあの人、ワンピースにタグが付いたままじゃん!教えたらいいのかどうしようか?ああ、春はまだ寒い」という感じです。

◆句の作りとして気になったのは慈雨様と同じく、助詞のない中七が窮屈に見えます。
 それと「まま」は作者の感情を入れ過ぎに感じます。

ということで、私の中では近くはないです。ただ、因果があるので、推敲の際は後半の措辞の置き方に注意、という感じです。

コメントの句意を尊重した提案句は、

・春寒しクローゼットのワンピース

鑑賞してみてください。

点数: 2

「陽だまりの春匂はする一樹かな」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 陽だまりの春匂はする一樹かな

こんばんは。

季語は「春」、または「春匂う」ってあったっけな?という感じだと思います。

上五の「陽だまりの」が「春」「一樹」どちらにかかるかわからない感じで、ここで損をしているようです。
季語の「春」または「春匂う」にはどちらも明確な影像がなく、「陽だまり」「一樹」は影像があるため、取り合わせの句とするなら、影像は影像でしっかり確保した方がよいと感じます。

語順だけ調整します。

・陽だまりの一樹や春を匂はせり

点数: 2

「濃い薄い桃色おどる雛の菓子」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 濃い薄い桃色おどる雛の菓子

こんばんは。

桃色の種類。
「桃色は200色あんねん」とか誰か言い出しそうですね(笑)

御句、意味はわかりますが、工夫が先走って切れの位置がよくわからなかったり(よく見ると切れてないのに、上五でリズムは一旦切れてます)、「おどる」の擬人化が障っていたりを感じます。

るる様の気持ちを伝えるなら、もう少しシンプルでよいと思います。
コメントのお言葉をお借りして。

・雛菓子や桃色は何色あるの

点数: 1

イサクさんの俳句添削依頼

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