あさきゆめみしの批評の返信
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あさきゆめみしの批評(元記事)
カイトさん
楽しく読ませていただきました!とても読みやすい文章でした!
「ボコボコにしてください」とのことで、(自分のことは棚に上げて)かなり細かく批評致します。
全体的な印象ですが、「小説と言うより体験談」と感じました。
登場人物の心の成長があったり、作品のテーマがあったり、作者の「意図」があるのが小説だと僕は思っています。(個人的な意見です)
ですが、登場人物の心がどう変わっていったのか、そしてカイトさんが作品を通して何を言いたかったのかをうまくつかみ取れませんでした。
ですので、小説ではなく素敵な体験談、と言う印象となりました。
まずは、ナギちゃんの心理描写についてです。
冒頭で、
>華燭の典がお開きになると、私は現実に引き戻されました。
>後ろ髪を引かれながらも帰るしかありませんでした。
とあるので、ナギちゃんが今の生活に不満や悩みを持っているということが示唆されます。
なのですが、中盤、ナギちゃんは「自分は幸せ」とヒロくんにはっきり言ってしまっています。
あれ?悩んでるんじゃなかったの?と僕は思ってしまいました。
さらに後半で、
>>「だってナギちゃん、放っといたらホームに飛び込みそうやったやん」
と言うヒロくんの言葉があります。
やっぱりナギちゃんには深い悩みがあったのか!とどんでん返しを食らう訳です。
「ヒロくんに会うために自殺する」ことを表現したかったのかとも考えたのですが、すでに今、ヒロくんと会っているんですよね。
そう考えると、この線は薄いです。
この時点で、ナギちゃんの心境を見失ってしまいました。
また、自殺を考えるほどの悩み、それは何なんだろう、と言うのも気になりますが、最後まで読んでも、ナギちゃんの悩みは分からずじまいでした。
結局、悩みがあったのかなかったのか。ナギちゃんの心境の変化をとらえるのが難しかったです。
ラストの表現も、読者を混乱させかねないかな、と思いました。
>胸ポケットを空にして微笑む彼の写真に、私は小さく突っ込み、笑いながら涙をぬぐいました。
ヒロくんのハンカチが無くなっていることを表現したかったのは分かるんですが、この描写でカイトさんが何を言わんとしているのかが少しボケていると感じました。
「涙をぬぐいました」と言う描写があるので、ヒロくんのことを引きずっているようにも思えます。
でも、ナギちゃんは今幸せなんですよね。話の流れからは「吹っ切れた」と受け止めた方が自然です。
「吹っ切れた」のか「引きずっている」のか、少し中途半端な表現に思えました。
「吹っ切れた」と言いたいのであれば、笑顔だけで泣かないほうがいいでしょうし、
「引きずっている」と言いたいのであれば、ナギちゃんが「青いハンカチ」で涙をぬぐっていると明示した方がいいと思いました。(今の表現ですと、最後の一文で青いハンカチは登場していないです。)
ヒロくんの心理も同様に、追いかけるのが難しいです。
>>「…このまま、一緒にいけたらな」
と言って、序盤はナギちゃんを道連れにすることを仄めかしているわけです。
でも、そのあとすぐに、ナギちゃんの手を引っ張って、電車に飛び乗ります。
後で「だってナギちゃん、放っといたらホームに飛び込みそうやったやん」と言っていたことから、ナギちゃんを助けようとしたのが分かるんですが、道連れにする心境と矛盾を感じます。
この時点では、ナギちゃんから「今幸せ」宣言は出ていないはずです。
なぜ急にヒロくんが心変わりしたのかを読み取れませんでした。
総じて、物語を通してカイトさんが何をどう描写しようとしたのかが少しボケてしまっているように感じてしまいました。
・結局、「ナギちゃんが死んだヒロくんのことを吹っ切れた」というストーリーだったのか、そうじゃなかったのか
・ナギちゃんの心境の変化をどう描きたかったのか
・ヒロくんの心境の変化をどう描きたかったのか
申し訳ありませんが、僕には読み取れませんでした。
ですので、素敵な出来事を描いた「体験談」という印象になってしまいました。
他のカイトさんのご質問にお答えします。
・以前より伏線を入れたつもりですが、効果が出ているかどうか。
上述したように、読者を混乱させてしまう伏線が多かったように感じます。
・スペースを多めに開けてみましたが、読みやすさはどうでしょうか
お話はとても読みやすかったです。スペースもちょうどいいと感じました。
あさきゆめみしの批評の返信
スレ主 カイト 投稿日時: : 0
武井トシヒサさん
読んでいただき、ご批評もありがとうございます。
伏線で読者の方を混乱させてはいけませんよね。もっと練り直す必要があったと反省しています。
ですが、披露宴が終わってナギが「現実に引き戻された」「後ろ髪を引かれながら」という心境になるのは、別に彼女が現状に不満を持っている伏線などでは全然なく、ごく当たり前の(ディズニーランドから帰るのを嘆くのと同じような)感情のつもりで書きました。既婚子持ちの女性が学生時代の仲間再開して楽しい時間を過ごせば、そういう感情になるのは当たり前かと思ったのですが、どうでしょう? その辺で、性別や年代別の齟齬があのかもしれませんね。
それから、ヒロの心理がよくわからなくなってしまったのはご指摘の通りです。読み返して自分でも「あんた何しに出てきたん?」と思いました。実は、「ヒロ(の幽霊)はナギによる妄想の産物で、ナギは自身で自分を癒した」というストーリーも考えていたので、その影響もあるかと思います。
ナギの心理についてはですね… 批評に反論するわけではないのですが、「ヒロのことを引きずっているのか、吹っ切れたのかわからない」ままで通したいと自分では思っています。
人の心ですから、何かのきっかけできっぱり思いきれるものではないと思うからです。よく「揺れる女心」といいますが、その言葉通り、泣きながら笑ってかつての恋人の姿を見つめるラストが自分では気に入っています。
ではなんのための今回の出来事か、という話になるのですが、自分の中では「ふとしたきっかけで発作的に後を追おうとする危うい恋心から解放される」ための物語だと思っています。
でも、それを十分に表現できていないということですよね。まだまだ精進したいと思います。
ご批評ありがとうございました。今、貴作を読ませていただいているところですが、次はどうなる⁈と気になってページを開いています。また全部読み終わりましたら、お邪魔しますね。