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真飛幽利は一人で暮らしたかった。第3話 全4話で完結

真飛幽利は一人で暮らしたかった。の第3話

作者 匿名 得点 : 2 投稿日時:


 退魔業とは、悪霊となった霊を成仏させたり、現の世に迷い混んだ妖怪をものと場所へと強制的に送り返す生業の事である。
 ユーリの一家は代々その家業を行っていた。
 悪霊や妖怪は家屋やビルに憑くこともあるので不動産やとのパイプのあるのだ。
 ユーリは幼い頃に一度父に連れられて退魔の現場を見たことがある。
 その時は自殺した女性の霊の退魔であったが、現場に行く前に見た美しい顔と悪霊と化して皮膚がただれ髪も乱れ目から血を流しながら、この世への不満をぶちまける姿におののいた。
 人は、恨み辛みでああも変わってしまうのかと、退魔後はしばらく気持ちが塞いだ。
 退魔業は人の暗部をみることとなる。
 ゆえに関わりたくなかった。
「不安は分かるよ。でも一度見てみてくれないかな。思ったのとは違うかもしれない」
 壮子から優しい目を向けられて、父から何か聞いているのかもしれないとユーリは感じた。そしてこの初老の男性は、物腰柔らかでありながらどこか否を言いにくい雰囲気を醸し出していた。
 他に行くあてもない。
 ユーリは不安を抱えながらも、新生活をはじめることとした。

 そして、生活しはじめて一週間。
 あぐらで納豆かけごはんをばくばく食べる座敷わらしを横目に見つつ味噌汁をすすった。
 食欲旺盛、大雑把で生命力の塊のような女。
「もう一杯、おかわり!」
 確かに思っていたのと大分違う。話を聞けばこの世に恨み辛みもなく、人を騙したりするためでなく、うまい飯と、楽しいゲームと、刺激的なネット世界のために、この部屋から離れたくないのだという。
 どうしたら元の世界へ帰るのかと聞けば、もちろんうまい飯と、楽しいゲームと、刺激的なネット世界がこの世からなくなれば帰ると答える。
 もちろん強制的に帰す方法は知っている。
 しかしその方法は言わば暴力のようなもので避けたかった。
「いってらっしゃい~」
 高校へと出るユーリに座敷わらしはゲーム機をセットしながら、ひらひらを幸せそうに手を振った。
 彼女がここにいて被害が出るとすれば、ユーリの金銭的な問題である。
「この世に迷惑かけてないのなら、働いてせめて自分の食費ぐらい稼いでくれないかなぁ」
 ひきこもりの子どもを持つ親の様だとユーリはため息をついた。
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