ものを言う目の尖りゆくマスクかな
回答者 南風の記憶
添削した俳句: 物を言う目の怖くなるマスクかな
かこ。様、こんばんは。
御句を目にした瞬間、思わず「おおっ」とうならされました。もしかこ。様が、この句を引っ提げて「プレバト」に出演なさったら、ダントツで才能アリ1位を獲れる句だと思います。決してお世辞ではありません。
なぜなら、御句はマスクという季語の「なかなか気づかない一側面」を、読み手に再発見させてくれるからです。その一側面とは、マスクは「目をクローズアップする」という点です。
相手の表情を判断する時、通常は顔全体を見ます。しかし、マスクをしていると、どうしても目だけを見ることになります。したがって、マスクの相手が少し険しい目をしたら、実際よりも険しく見えてしまいます。
ですから、私は「マスクをすると相手の目を(いつもより)怖く感じてしまう」というふうに読み、”確かにそういうことある!”と膝を打ったのです。
添削の余地があるとすれば、中七の「怖くなる」でしょうか。これをもっと客観的な描写、例えば”尖りゆく”などにすると、さらに読み手は想像を掻き立てられます。
いずれにしましても、かこ。様がご自身で思っておられる以上に素晴らしい句だということは、断言できます。当季雑詠句のネット応募等に出されても、十分入選を狙える一句とお見受け致します。
点数: 1