「笑ふても泪の零る花野かな」の批評
回答者 鈴蘭
添削した俳句: 笑ふても泪の零る花野かな
こんにちは、御句拝見しました。
強い悲哀がガツンと来ました。表現が直接的なぶん、パンチ力が出ているようです。
上五中七、具体的ではなくても、トラウマ級の出来事があったことが瞬間的に読み取れます。人の事など知らず美しい花野かもしれませんし、秋の寂し気な花野かもしれませんが、どうあれ響き合いますね。コメントを見て能登の状況と知り、心底納得しました。また、本歌取りの可能性も頭をよぎりました。よく花野の例句になっている「天渺々笑ひたくなりし花野かな」が関東大震災の後に作られた句であることが思い出されます。
以降は雑談ですが、「零るる」と「零る」で比較してみたところ、後者の奥行き感に驚きました。「金色の仏ぞおはす蕨かな」と似た構造ですね。終止形なので必ずしも花野での出来事とは言い切れなくなりましたが、それでこうまで違ってくるのかと非常に参考になりました。切字「かな」には軽い切れを使おう、と『20週俳句入門』に書いてあったのですが、未だに「軽い切れ」がなんとなくでしか認識できず混乱しています(金色の仏も例句になっていたので、活用の種類とは関係なさそう…)。
長くなりましたが以上です。またよろしくお願いいたします。
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