「寺の鐘響き渡るや雲の峰」の批評
回答者 みつかづ
添削した俳句: 寺の鐘響き渡るや雲の峰
こんにちは。貴句、拝読しました。
単語の意味から入りますね。
響き渡る:「音や声が一面に響いて伝わる」を意味する単語です。
ですが、作者コメントは、「入道雲が沸いている中お寺の鐘が聞こえてきました」となっております。
つまり、響き渡らなくて良いのです。「空襲警報のサイレンかよ!?」となってしまいますので。
また、この三段切れは成功しているとは言いにくいかと思われます。
理由は、「上五+中七+下五=1つの情景(と心情)になっていない(2つの情景に分かれてしまっている)」からです。
入道雲の位置が実際はどこにあったのかにもよりますし、掘り下げた内容がコメントに全く書かれていませんので難しいですね。
季語「雲の峰」に作者の感動があるものとして、入道雲がお寺の上辺りにあるものとしてご提案いたしますね。原句は「響き渡る」が詠嘆されておりますので、それを加味するパターンをご用意いたします。
鐘鳴るや寺の上なる雲の峰
偶然韻になりましたが、そこは取り敢えず無視して、内容だけご覧いただければと思います。
最後に、「要望:厳しくしてください」と多くご希望ですが、作者コメントの内容があまりにも少な過ぎて、皆さんできないのだと思われます。なのでコメントが少ない。
作者コメントに書かれてある内容や思いと、句の字面で表現されている内容にどれだけの乖離があり、少な過ぎるならば言葉を「添」える、多過ぎるならば言葉を「削」る。
それが「添削」なのですが、作者コメントの内容が少な過ぎると、「どうやって過不足を判断したらいいの?」となる訳です。
ですので、作者コメントには「どの様な情景をどの様な気持ちで詠んだのか?」をしっかり具体的にお書きになる事をオススメいたします(前にも同じことを書いた気がいたします)
点数: 1