俳句添削道場(投句と批評)

ハオニーさんの添削最新の投稿順の21ページ目

湿気寒や担々麺に滾る赤

回答者 ハオニー

添削した俳句: 秋湿り担々麺の美しき赤

どうしてでしょう
この字面では辛いもの大好きな人が担々麺に感激しているように見えます
質問にも答えつつ、詳しく考察してみます

美しきを「はしき」と読んでいいのか?
いろいろな辞典を探しましたが、名前辞典に「美」を「はし」と読んでもいいとありました
名前辞典にあったのですから、人名への使用例もけっこうあったのでしょう
愛しきから美(い)しきは来ているようです

この句は取り合わせ?
この場合は取り合わせで、秋湿りで一度切れていると読むしかないでしょう
「秋湿り担々麺」と連体形で読むとは絶対に有り得ませんから

問題点と対策
しかし「秋湿り」では状況説明で終わっている感じがします
調べてみたところ「湿気寒(しけざむ)」という、ほぼ同義の季語がありました

「美しき」がこだわりかもしれませんが、ここを少し変えて「辛さ」や「目の前にしたときの熱さ」をしっかりと想像させることができます

基本スキル 対比
寒いことを季語で表現し、担々麺のHotな感じを出します

湿気寒や担々麺に滾る赤

外は寒いはずなのに、汗かきながら担々麺をすする人が見えてくるかもしれません
辛そうな担々麺に怯んで神妙な顔つきをしている人が見えるかもしれません
読み手が「私がこれを食べたら辛いのだろうな」と解釈してくれるよう託しました

ここから先は実験段階
担々麺は黒だと言われたとき用
→湿気寒や担々麺に沈む黒
担々麺は汁なしが普通と言われたとき用
→湿気寒をまぜゆく担々麺赤し
湿気寒が感じられるなんて店が寒い、店が狭いと言われたとき用
→(考え中)

点数: 5

曲がる背に籠ごろごろと弾む柿

回答者 ハオニー

添削した俳句: 曲がる背の籠にごろごろ弾む柿

籠に柿が転がっているような様子を、音やぶつかったときの振動を背中に感じている...
そのような句のようですね

気になるところは「曲がる背の籠に」です
籠に柿があったと直接書いてしまうのはもったいないです

「背負っている籠」と「ごろごろと弾む柿」という描写だけをして、読み手がこの2つの描写から関係性を探したくなるよう仕向ける方が詩的です

手を入れてみました
曲がる背に籠/ごろごろと弾む柿

この人は籠を背負ったまま、落とした柿を拾おうとしているのかもしれない
というような、別のシナリオも見えてきます

点数: 4

図書館に伸びゆく坂へ降る紅葉

回答者 ハオニー

添削した俳句: 本返す道のついでに紅葉狩り

この句の評価
季語が泣いています

季語「紅葉狩」は紅葉を愛でるものです
そこには秋の野山を楽しもうとする人達がいるとも考えられます
ある程度の山の広がりと高揚する心理が隠されている言葉です
それらをついでに、と脇役にするのならそれ以上の感動や驚きがないといけません

それらがないと判断されたため、この季語は噛ませ犬で終わってしまいます
だから受けがよくなかったのでしょう

紅葉狩を活かすなら
紅葉狩あの本返し忘れたよ
くらい砕けた句があります

「図書館の道」も「本返す道」も「紅葉狩」も具体的な映像とはいえません
私なら、本を返すという状況ではなく具体的な映像を補います
図書館に伸びゆく坂へ降る紅葉

綺麗に句をつくっておいて、「これ、図書館に本を返しに行ったときに思い付いた一句なんですよ」と言う方がお茶目だな、と最後に付け加えます

点数: 1

酒匂う布団を畳む神還

回答者 ハオニー

添削した俳句: 今頃は別かれを惜しむ神の旅

時期がちょうどいいのは確かにその通りです
しかし、イメージしやすい言葉がなく全体的にあいまいですね…
季語も気になります

この季語「神の旅」は「神のいる地方から、出雲大社へ向かう旅」、つまり「行き」を意味しています
この句を季語を信じて解釈すると、しばらく放心していたが、結局神様は私を置いて出雲大社へ行ってしまった… と気がついた
そのような感じです
「帰り」を表す季語は「神還(かみかえり)」「神迎(かみむかえ)」などがあります
もしかしたら、分厚い歳時記にはもっとあるかもしれません

そして、あいまいさは回避したほうがいいです
「別れを惜しんでいる」様子を表現できるモノに託したほうがよろしいかと思います
これは私なりに考えてみた方法ですが…
ちょっと酒の残り香のする布団、なんてものがあったとしたら「昨晩、宴をしていたであろう推測」はできそうです 「別れを惜しむ」神様もいらっしゃったかもしれない、と想像の範囲に入ってくるでしょう

今回は「神」が季語に関わってくるため、気構えた句になってしまいました
あまり自信がありませんが、これを手直しの提案とします

点数: 3

信濃路や湯気へ溶けゆく秋の雨

回答者 ハオニー

添削した俳句: 信濃路や湯気にとけいる秋の雨

お初にお目にかかります、ハオニーです
露天風呂でいい俳句の材料を見つけたようで
私も入浴中にいい句を思いつきます

信濃と湯気で、もしかしたら露天風呂かもしれない…
というのもありますし、違うものが出てくるかもしれませんが、ここで「信濃路や」を削ると、削作者さんの意図が分からなくなるので触れないでおきます

それよりも気になるのは「とけいる」という複合動詞です
「とけいる」という動詞は一般的ではないため、おそらく元の形だとうまく入らないから削ったと予想していますが…
秋の雨がまさに露天風呂の湯気に「溶けている」という現在進行形の様子なのか、長い時間降っている秋雨が露天風呂の湯気に「溶けゆく」様子を表現したいのか、どちらなのかが分からないです

「溶けゆく」の方が自然だと私はそう思いますので、これを直して手直しの提案とします

点数: 1

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