「風鈴の舌を甚振る野分かな」の批評
添削した俳句: 風鈴の舌を甚振る野分かな
ちゃんと私なりの答えを持ってきました
吹き飛ばす石は浅間の野分かな 松尾芭蕉
どう言えば分かってくれるか、割と時間がかかりました
こちらの句の「かな」は感慨深いです
野分は「野の草を吹き分けて通る風」が通説であり、「吹き飛ばす石」と言われると野分は出づらくなるものです
しかし作者自身は「浅間の野分」と言い切っています
ここに作者らしさが見えてきます
一句の軸は、野分の激しさではなく「浅間の野分とはこういうものなのか」という感慨深さにあります
よって「かな」が活きるのです
浅間の野分だからこそ、「吹き飛ばす石は」という表現を何度も推敲なさったのでしょう
推敲の跡があったことは、既にご存知かと思います
勢いを軸にするわけではないけど、勢いがないと「浅間らしくない」ですから
名句の鑑賞では、軸がどこにあるのかを考えるのが大事ですね
点数: 1