俳句添削道場(投句と批評)

長谷機械児さんの添削最新の投稿順の86ページ目

西瓜割一刀のもとすっぽ抜け

回答者 長谷機械児

添削した俳句: 西瓜割一刀のもと外す太刀

卯月さん、はじめまして。

・「西瓜割」俳句とは何と挑戦的な! 小中学校時分の夏休みの宿題俳句として、みんなが揃って同じようなイメージを散々熟考済みなので(割れた、割れなかった、全然違うところを叩いてる、割れ方が汚い、砂が混じってる、割ったけど食べなかった・・・・)、独自の句を提示しづらいものと思います。そして、滑稽句になりやすい・・・というか、このイベントがそもそも滑稽味しか狙ってない。御句も「一刀のもと」とバッサリ叩っ切る結果を予想させる言葉のあとに「外す太刀」という“落ち”を措いた滑稽句。
・「一刀」と言った後に「太刀」は要らないかと思います。真剣を使った訳でもないでしょうし。

提案句は、「太刀」の重複を回避してみたものです。「外したり」では弱いなあ、と大失敗の様をつけてみました。

あと、大仰に格好つけるだけつけさせて、「あー、どうせこいつ駄目だろな」と失敗を予感させる、というのは如何かと、考えてみました。夏休みの宿題のために捻っていた頃よりはマシな「西瓜割」俳句になっているかと。

 西瓜割我は天然理心流

今後とも、よろしくお願いします。

点数: 0

ユトリロの空行く夏のかもめかな

回答者 長谷機械児

添削した俳句: ユトリロの巴里の空のかもめかな

知世さん、はじめまして。

俳句は、結局“読み手本位”の文芸と思うのです。その地に合わせて解釈する人もいれば、歳時記の語感をそのまま解釈に持ち込む人もいる。読み手に委ねるしかないように思います。それを作者として許さないなら、海外詠に渡り鳥の季語は難しいのだろうと思います。ただ、そもそも「かもめ」は季語として一般的ではないのでは?(私の手元にある歳時記2種類に当たってみましたが「かもめ」は見つかりませんでした)
・私はパリに滞在したことがないので、パリの夏空がどんなものかよくわかっていないのですが。ユトリロの絵から得る印象からだと、この画家の描く街並みは曇り空が多く、画面全体はやや濁りのある白色が多い、という感じで受け取りました。どれだけの人が「淡い青」という色彩で読み取ってくれるかは、わかりません。

提案句は、「巴里」(ぱりー)の三音外して、「夏の」を加えています。季語として一般的でないなら「夏」と言い切ってよいと思いました。

今後とも、よろしくお願いします。

点数: 1

パドックに爪音を聞く秋の風

回答者 長谷機械児

添削した俳句: パドックの馬蹄の音や秋高し

げばげばさん、こんにちは。

・競馬場に感じる空気は解ります。私も何度か行ったことがあるので。いいですよね、特に中央競馬の芝コース。ダートも迫力はありますが、景色の良さは芝ですね。
・ですが、「秋高し」を、「パドック」で感じるでしょうか? 競馬場で空の高さを感じるのは、パドックよりも断然広い本馬場の景色のほうだと思います。
・一つ一つの蹄の音が聞こえる場所としては、レースよりはパドックになりますね。
・あと、助詞「の」が多すぎませんか?「波紋の底の底」句の「の」は狙いを感じますが、こちらはそれほど狙いがあるように見えません。

「秋高し」の句は本馬場で別に作られ、ここは別の季語に変えることを提案したいと思います。
提案句は、季語を変え、助詞「の」を減らす方向でまとめてみました。

今後とも、よろしくお願いします。

点数: 1

満天の星を指さす浴衣の子

回答者 長谷機械児

添削した俳句: 満天の星空仰ぐ藍浴衣

山田優さん、はじめまして。

・満天の星は、羨ましいです。私はずいぶん見てないなあ。
・「藍浴衣」は実景のようですが、「藍」の色はこの句にあまり必要がないように思います。
・主語がないので「藍浴衣を着た子」ではなく優さん自身の動作に見えます。
・動作の表現「仰ぐ」はちょっと大げさに思います。

あと、イサクさんの批評、添削を受けた者ではないですが勉強になります(今までの作句に、“重複表現”はあまり考えていなかった・・・)

提案句は、動作の主体「子」を入れることと、動作表現を少々大げさな割に頭しか動かしていない「仰ぐ」から、もう少し体に動きのある表現に変えました。「あの星が一番おっきい!」とか。

よろしくお願いします。

点数: 0

「茎の香の指に残れりトマト捥ぐ」の批評

回答者 長谷機械児

添削した俳句: 茎の香の指に残れりトマト捥ぐ

よし造さん、「トマト」取り合わせ句への批評ありがとうございます。

対句表現とのご指摘。他の添削の中でも時折「対句」という語を見かけたのですが、私は初めて目にする言葉(入門書レベルでは問題にされない?)なので、ご教示いただけたら幸いです。

とりあえず、“対句表現”と聞いて、思い浮かぶ名句は「鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし」(三橋鷹女)。なるほど、私の句も2つのフレーズを同じくらいの大きさにし、助動詞をそろえています。この形は、私の句では“偶然の産物”でしたが、これが自分が思っていた以上に効いてしまった感があります。

“偶然の産物”と申しますのは、お題「トマト」先にありきの取り合わせ作句だったために、「トマトや」とは始められず(これだといきなりの字足らず)、「赤茄子や」と始めるのは避けたく(投句2句目も「赤茄子」というのはちょっと・・・)、ということで、トマトの1フレーズを「トマトは○○○○○」で末尾に措くと先ず決めて作句に入った、ということです。これで、同じくらいの長さの2つのフレーズをぶつけ合うこととなりました。そして、「トマト」にぶつける語を「戦争」に決めました(前日にイサクさんの「八月十五日」句に接していたので、割と近くにあった言葉です)。二物衝撃とするからには、ぶつかる前に転倒してしまうような表現は避けたかったので、各フレーズは読み手がなるべく不自然さを感じない、いわば“当然”のものにし、形を整えました。

こういった経緯の作句なので、「戦争は愚かなのは当然だ、トマトが赤いのは当然だと読めます」というのは、ある意味ではその通りかもしれません。

さて、御句について。

・私自身はトマトを育てた経験はないので実感はないのですが、茎にも香があるものなのですね。
・形式的に気になるのは、語順でしょうか。「茎の香」と直接つながるのは「残る」、「指」とつながるのは「トマト捥ぐ(手)」で、それぞれ互い違いに登場している感じがします。

素直に一文に通せば

 トマト捥ぐ指に茎の香残りたり

といった感じになると思います。ただ、これを提案句にするのには躊躇があって、「トマト捥ぐ」という動作の主体は「手」で、「トマト捥ぐ指」は変か、と言って、「トマト摘む指」だとミニトマトみたいになるなあ、と。提案句は無しで批評のみ、とさせていただきます。

・・・と、投稿しようとしたところに、なおじいさんの提案句がありました。「トマト捥ぎ」で始まる提案句を推します。

今後とも、よろしくお願いします。

点数: 0

長谷機械児さんの俳句添削依頼

最新の投稿順に並んでいます。回答が付いた投稿が先頭に移動します。

清姫の鹹き恋さくら餅

回答数 : 3

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回答数 : 4

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地震止んで顔見合はせる雛かな

回答数 : 4

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回答数 : 6

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冬凪に鴉来てまた鴉来て

回答数 : 5

投稿日時:

長谷機械児さんの添削依頼2ページ以降を見る

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自粛下にデリの宇治丸十貫目

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梅雨明けのビールに枝豆阪神戦

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