「行く秋や別れを惜しむ帰り道」の批評
回答者 なお
添削した俳句: 行く秋や別れを惜しむ帰り道
けーたさん、こんにちは。初めまして。
御句拝読しました。厳しくしてくださいとのこと、あらちゃんさんが簡潔に要点を突いています。私は似たようなことをお伝えするだけかもしれません。
まず季節ですが、厳しいルールがあるわけではありませんが、俳句は、「当季」と言って今の季節あるいは少し先を読むくらいにするのが一般的です。
「行く秋や」なんて言ってる場合ではない。行きすぎて、もうすぐ春になりますよ(笑)。
次に、俳句は、なんでもストレートに言えばいいというものではないです。ストレートは読み手にはダイレクトに伝わるかもしれませんが、逆に想像の幅が限定され、広がりのない句になってしまいがちです。
例えば御句、「別れを惜しむ帰り道」とある。そりゃそうでしょう。よほど嫌なヤツとなら早く別れたいと思うでしょうが、そんなの俳句にしたくない。だから誰だって帰り道は別れが惜しいのです。
それをそのまま口に出してしまってはそれだけのものでしかなくなります。
何か、ちょっと工夫をしたいです。
それには、作者自身の心情を詠むより、情景を詠むといいかもです。
※ここでは「行く秋や」はそのままにさせてもらいます。
・行く秋や角を曲がれば君の家
中七以降だけ読めば、「もうすぐ君の家だ!ワクワク!」と、ようやく好きな人の家にたどり着いたような感じにも読めると思います。
ただ季語が「行く秋や」です。浮ついた気分ではない。そこから、「ああ、もうあの角を曲がると君ともお別れだね」という読みになると思います。
長くなりましたが、またご投句なさってください!お待ちしてます。
点数: 2