「焦げ跡の不死鳥めきて野焼かな」の批評
回答者 なお
添削した俳句: 焦げ跡の不死鳥めきて野焼かな
田上大輔さん、こんにちは。
御句拝読しました。それなりの実力のある方だと思いますので、個人的な意見ですがお伝えします。
私は、本句、あまり好きではないです。ごめんなさいね、いきなり。
理由は、
1. 「焦げ跡」という措辞が、野焼の本質をご存知ない素人の表現に読めます。火事とは違うのですから。
それに、焦げ跡では終わってしまった光景?この前の「一気に駈ける」という、目の前の迫力の描写の秀逸さと比べたら…。
2. 「不死鳥」、私は、焦げ跡が鳳凰のような形に見えるというような意味かと思いました。
そうしたら、もしかしたら、一旦は焼かれるがこのあと植物は不死鳥のごとく甦るという意味ですか?そうだとしたら、ちょっと大げさというか、やっている方々が、「別にそんなつもりじゃ…」とおっしゃりそうです。
3. 「かな」の前に切れが入っているように読めますので、一気に読み切りたいです。
4. 阿蘇が感じられません。焦げ跡とフェニックスの印象が強くて、ハリウッドの山火事みたいです。
と、さんざんこきおろして申し訳ありません。終わった後の感慨を詠むというのもありだとは思いますが、何かもっと、大輔さんなら目の前の光景をアクティブにしかも的確に描写できる方だと。
どうかご理解ください。よろしくお願いします。
点数: 1