「水引や日の丸の如き彼岸花」の批評
回答者 なお
添削した俳句: 水引や日の丸の如き彼岸花
笙染さん、こんにちは。
御句拝読しました。珍しい光景をお詠みになったのですね。
ただ、私たちはコメントがあるからいいのですが、このコメントはどのように使うかと言いますと、コメントがなくてもコメントのような意味がつたわるだろうか?という尺度として読ませていただいています。
その点も含めて、御句について四点お伝えさせてください。
一点め、やはり、水引草と彼岸花の季重なりです。どちらも秋の季語で、それはいいのですが、俳句の読み手は、この作者の感動の中心は?と考え、そのヒントは季語になります。その意味からも、季語は一つにした方がいいと思います。そのために、片方は脇役になってもらうといいです。
二点め、「水引」ですが、これはこのままですと、植物だとは読んでもらえず、ご祝儀袋やのし紙のあのヒモのことだととられるのではないかと。
三点め、日の丸の如きですが、中八と言って、中の句の字余りはできるだけ避けるように言われています。「日の丸のごと」とすれば簡単に解消します。
四点め、その「日の丸のごと」ですが、これで、誰でもが、「白地の中に赤い丸いものが一つある」と、単に旗のデザインと読んでくれるとは限らないと思います。日の丸というのは、結構色々な意味を象徴していますから。
長くなりましたが、私は赤い彼岸花が30数年ぶりに咲いたことに感動なさっていると思いますので、そのことをお詠みになればいいと思います。
・日の丸や白き花壇に彼岸花
うーん、偉そうに長々と言った割には冴えない提案句で申し訳ありません。
ポイントは、彼岸花と比較したら圧倒的に馴染みのない水引草は入れずに考えてみたということです。よろしくお願いします。
点数: 1