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海賊の話(仮)の批評の返信

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海賊の話(仮)の批評(元記事)

 更新分全て読みました! 全体の感想に移る前に、まずs.s様が挙げられたご質問についてお答えしますね。

1.物語は冗長でないか
 自分は全く感じませんでした。

2.面白いか
 面白かったですよー! 物語に引き込まれるような要素作りと、それを出すタイミングがとてもお上手だと感じました。

 冒頭は以前述べたので割愛して、その後漂流した時に折角助けた少年が死んでしまい、悲観にくれる主人公……からの補食未遂はディストピア感が漂っていてゾクゾクしました。

 海賊のせいでランブータン船長を始めとする仲間が死んでしまったのに、その事件と無関係とはいえ、海賊に命を助けられることになるのも皮肉が効いていて良いなと思います。その後半ば強制的に海賊の仲間入りを果たしますが、おそらく航海経験が浅く(または順風満帆の航海しかしてこなかった)、また仲間を失ったばかりの主人公には過酷な現実ですよね。でも耐えるしかない。そんな中で亡きランブータン船長が見つけたロストトレジャーを手に入れるという夢が持てたのは、主人公にとってひとつの希望になったんじゃないかと思います。

 座礁した船を物色するシーン、最近座礁した、王国の船というワードから嫌な予感はしていたのですが、案の定ランブータン船長のスコップが出て来て、「ああやっぱり……」と絶望させられました。
 かつての仲間が一人もいない、変わり果てた姿の船を見つけるというだけでも悲劇なのに、その上船を襲った連中と同じ海賊という立場で、ハイエナの如く船を荒らしていただなんてあんまりですよね。こういう展開大好きです(笑)呆然とスコップを見つめる主人公のすぐ側でパパイヤ海賊団が宝に浮かれているのも対比になっていて良いなと思いました。

 そして現れる百人の怪物。最初は「一周三十分位の小さな島に、化物百人+パパイヤ海賊団が押し寄せたらぎゅうぎゅうにならない?」と一瞬思ったのですが、そんなことは別に良いですね。面白いから。百人はくだらない怪物たちが、森の中でこちらに目を光らせながらひしめきあっている……もう絶対勝てないじゃないですか。絶対勝てないと思えるからこそ、主人公がこの状況をどう打破していくのか期待が持てました。これが十人程度だと、なんとなく頑張ったら勝てそうな感じがしてダメですね。この場面だけでなく、こういうお話の盛り方加減が全体を通して絶妙だと思います。

 化物との戦闘シーンではランブータン船長の形見であるスコップが大活躍していましたね。チェリー少年を助けた時にスコップが持つ不思議な力について触れていたので、何らかの形で伏線回収されるのかなと思っていたのですがここで活きてくるんですね。化物船長が死んだ?時はスカッとしました!

 このままだとただのファンの感想になってしまうので、面白いと思った理由を自分なりに考えてみました。

 思えば、全体的に1シーンが短めで終わっていましたね。そして各シーンに「主人公が決断を迫られる展開」が練り込まれていました。その結果「主人公がこの状況をどう打破していくのか」に注目しながらサクサク読み進められたため、ダレることなく楽しめたのではないかと思います。

 「主人公が決断を迫られる場面」が無いのは、船上での暮らしや世界の掃溜にいたシーンでしょうか。でもこれらのシーンはそれぞれ「どん底にいる主人公がこれからどう這い上がるのか」「主人公と少女が今後どうやって和解するのか」が気になる構造になっているため、楽しく読めました。

 また、キャラクターの性格描写もお上手だったと感じました。怯えるチェリー少年を落ち着かせるため、ランブータン船長を真似て頭を撫でる主人公は、船長のことを本当に慕ってるんだなと感じさせられましたし、少女が冷ややかな対応を見せてくる主人公に言った「バディーは助け合いでしょ」という一言にも、少女のさっぱりとした性格が現れていて良いなと思いました。他にも随所でそのキャラを好きにさせてくれるシチュエーションが練り込まれており、キャラをきっかけに物語に引き込ませてくれるような構造になっていたと思いました。

 そして5話目までの全体を通した感想ですが、「多少荒削りかなと感じた部分はあれど、全体的にスピーディーで、かつ読んでいて楽しい。キャラも好き」と思いました。

 本当に面白かったですよ(*^^*) その上で3番目のご質問、気になった点なのですが、正直どこまで突っ込んだことを言っていいのか……。自分は詳しく書こうとするとどうしても、人様の作品に土足で踏み込んでいるような批評になってしまうのですが、これは単なる一個人の感想なので、あまりお気になさらないで下さいね。あと土足とはいえ、一応玄関先あたりで踏み止まれている筈……! 次より気になった点です。一度区切ります。

海賊の話(仮)の批評の返信

投稿者 いーぴん 投稿日時: : 0

 続きです。
①主人公の目標について
 主人公の目標として挙げられている「ロストトレジャーを見つけること」ですが、明確な動機を持たせた方が良いかなと思いました。今のままだと「見つけなくても特に支障はないけれど、何となく気になるから見つけたい」ように捉えられてしまう恐れがあります。

 何故動機付けを言及したのかというと、物語が主人公の目的に向けて動いている時、そこに動機があるとお話全体に説得力が増すと自分は考えているからです。
 例えばですが、今後この夢のために飛び越えなければならないハードル(化物との殺し合い等)が立ち塞がった時、気になるから見つけたいという好奇心だけでは不自然に感じられます。

 肝心の動機をどうするかについて、s.s様が今後の展開をどうしていくかにもよりますが、自分なら「死んだランブータン船長の恩に報いるため」と動機付けするでしょうか。「もし宝を見つけたら、真の冒険家として認めてやるよ」からの「死んだ船長の背中にいつか追い付きたい。宝を見つけて、自分は誰もが認める冒険家になれたのだとここまで自分を育ててくれた亡き船長に見せてあげたい」みたいな……。
 他にも「復讐」「愛」「命」など動機はいくらでも考えられますが、説得力さえあれば何でもいいと思います。
 海賊との一騎討ちで、主人公が「僕は世界の謎を解かなくてはならないのだから」と叫びますが、ここに説得力が生まれると、ビシッと決まってより格好良くなると思いますよ!
 
②海賊の設定について
 この世界において海賊とはどのような存在なのか、それがもう少し分かりやすいといいかなと感じました。
 パパイヤ海賊団に強制加入させられる時に誓約書を書かされますが、海賊というと海の荒くれ者という印象だったので、一般企業のような手続きを踏まされることにギャップを感じました。自分は海賊ものは尾田先生の漫画「ONE PIECE」くらいしか読んだことが無いくらい海賊を良く知らないので「海賊ってこういうものだよ」と言われてしまえばそれまでなのですが、自分としては「海上では船長が法律だ!」みたいなイメージがあったため、このシーンが浮いてみえました。

 それと合わせて、タチバナの「キャプテンがうるさいだろうし、俺は海賊になっとくのが無難だと思うよ」というセリフも、厳しい見方をすると「お互いの背中を預ける仲間を受け入れるのに、こんな『将来の夢が決まってなければ、私は理系に進んどくのが無難だと思うよ』みたいな学校の進路選択のようなノリで入団させても良いのだろうか」と個人的に感じました。
 また主人公が「略奪はいけないことでは」と言っていたのですが、自分は「船乗りで、かつその中で略奪を行うのが海賊」だと思っていたので、この台詞にも違和感がありました。(仮に主人公が海賊というものを良く知らなかったとしても、誓約書で配当の話が出た段階で気づいてもおかしくないのではと感じました)

 ここまでで「この物語の海賊は結構ライトな感じの集団なのかな」と感じたのですが、訓練のシーンは実戦をバリバリに想定したものですし、命より誇りという物騒な価値観が浸透していますし、略奪は日常茶飯事ぽいので、この世界における海賊のイメージが掴みにくいなと感じました。

 これはどちらかに統一してあげると良くなると思います。自分なら「略奪先の船が、実は自分たちの船だった」という面白いシーンは残しておいて、それに繋げるため、違和感を覚えさせる契約書やタチバナのセリフはカット。海賊団に有無を言わさず入団させられた主人公が、生きるために仕方なく略奪した結果、ランブータン船長のスコップが……という風に変えます。これはs.s様がどのようなお話を描かれたいのかで変わってくると思います。

③パパイヤ海賊団について
 パパイヤ海賊団が怪物と出くわすシーンについて、うろたえ過ぎかなと思いました。
 勿論、初めは化物とやり合うつもりだったが、いざ本物と対峙すると怖じ気づいてしまったというのも分かります。ですが、パパイヤ海賊団は初めから怪物と一戦投じる気でしたし、航海をする者の信念が命より誇りを重んじるならば、もっと頑張って欲しいなとも思いました。これはパニックのレベルを引き下げると良いかと思います。

 また、自分たちの海賊船を奪われた時にパパイヤ船長が言った「ちょっくら行って取り返してこいよ」という無茶振り。率直にいうと、パパイヤ海賊団(特に船長)がちょっと情けなく見えてしまいました。
 パパイヤは船が奪われた時点で詰みだということは分かっていた筈。それを負傷しているとはいえ味方がまだ半数も残っている時点で放棄し、更には新入りであるライチに全責任を負わせて船の回収に向かわせるのはちょっとなと感じてしまいました。

 でも主人公の見せ場である怪物船長との一騎討ちには持っていきたいですよね。どうしましょうね。自分なら、主人公に自分から死地へと向かわせます。
 前の船ではランブータン船長が自分を庇って死に、また彼に託されたチェリー少年も結局助けられなかった訳ですよね。 そして今、ビワが自分を庇って死に、バディーであるベリィが海賊に捕まっています。ここでベリィを助けなければ、あの時と同じ過ちを繰り返してしまうのではないか。主人公が立ち上がるに十分な理由だと思います。ただ、このままだとベリィを助ける動機が弱いので、主人公を庇ったことで彼女が連れ去られた等しておくと自然に見えるかと思います。

 ここまで書いておいて何なのですが、ここはs.s様がパパイヤ船長をどうキャラ付けしたいのかによるでしょう。自分としては、チェリー少年の件でパパイヤ船長が見せた不器用な優しさがとても良いなと感じたので、こちらに性格路線を合わせたいと思って上記のようなことを書きました。

 ストーリーに大きく関わる部分で自分が気になったのはこのくらいです。ここで挙げていない気になる点については、細々としたもの(視点、描写、文章など物語に直接影響のないもの)なので大丈夫だと思いますよ!
 色々書きましたが、海賊ものはよく知らないいーぴんでも楽しめている時点で凄いと思います。新人賞に応募予定とのことで、あまりプレッシャーはかけたくないのですが、陰ながらに応援しています。

スレッド: 海賊の話(仮)

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