僕と幼なじみとそれから……の批評の返信の返信
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今後のためにも是非聞かせてください。よろしくお願いします。
あ、でも、あんまり、強い口調で言われると、メンタルが……
僕と幼なじみとそれから……の批評の返信の返信
投稿者 手塚満 投稿日時: : 1
早速のご回答、ありがとうございます。お言葉に甘えて感想を申し上げようと思いますが、他の掲示板などでの自分の書き方はきついでしょうか。自分では普通のつもりでして、例えば、少なくとも貶すために貶すとかは、厳に慎んでいるつもりではあります。
御作につきましても、「ここはやはりちょっとマズいよ」という点を申し上げるわけですが、根底は全て「ここまで書けている、ここまで設定してあるのに、これを放置しているらしいのは非常にもったいない」というものです。
とりあえず、まずその点を申し上げてみます。もしお気に障る等ありましたら、お捨て置き頂くか、こらえかねる点をご指摘いただきますと、大変に助かります。
惜しいと思う点ですが、簡潔に申せば「描写されていないキャラクターの動向が考慮されていない」というものです。そのことに触れますと、どうしてもラストの衝撃のオチに触れないわけには参りません。注意書きを付しますので、ご容赦をお願いいたします。
――――――【注意】以下、ネタバレを含みます――――――
冒頭で語られているのは、主人公の幼なじみが死んで数か月から物語が始まり、物語中でもそこそこの時間経過があります。その間、主人公はほとんど部屋に引きこもっている。少なくとも自宅から出ていなさそうであり、作中のほとんどの描写と合致します。
ラストで明かされるのは、実は主人公も既に死んでいたということですね。これは実にいいオチですし、いったん幼なじみの件の落としどころから、真のオチに持っていく速度感やタイミングも非常にいい感じです。いったん緩めてからのショック、という点でも効果的ですよね。
この主人公の死亡は作中では、冒頭から既知の事象のはずです。だから、幼なじみが主人公の死を悔やむあまり、自殺したわけですよね。しかし、主人公だけが気が付いていない。
では、主人公の自宅では何が起きるはずか。描写されているキャラクターについては問題点は見えません。ですが、例えば両親はどうでしょうか。大騒ぎするのではないでしょうか。死が判明し、遺体も発見されたなら、まず通夜があるはずです。葬式の準備も為されます。変死ですから警察もやって来るはず。
死体の発見が遅れたとしても、夜半に至っても帰宅しない主人公を両親は心配するはずです。学校、警察に通報もするでしょうし、やはり大騒ぎになるはず。
いかにに部屋に引きこもっているとしても、主人公が気が付かないのはおかしな感じがしてしまいます。
その後も、主人公が生きている他人から見えるのか(実体がある)、見えないのか(幽体など)で多少異なりますが、どちらにしてもおかしなことが起こるはずです。主人公が他人から見えないなら、主人公が気が付くはずです。
少なくとも両親は同居しているわけですよね。例えば主人公が自分の食事が用意されない、両親に話しかけても反応がないといったことは起こります。既に主がいないはずの主人公の部屋で、ゲームが動いている不審にも気づきそうです。
もし主人公が他人から見えているとしたら、それはそれで大変です。死んだことは分かっているわけですから。もし他人から死後の主人公が見えるとしたら、主人公の死は知られていないとするしかなさそうです。
主人公の死が作中で知られている点の影響はまだあります。「ガキ大将」に対する悪魔の仕打ちと結果です。「殺人容疑」とあります。幼なじみは自殺であることは、作中の警察等にも既知でしょう。この「殺人容疑」は、主人公が殺害されたことのはずです。
地方紙にそのことが書かれないというのは不自然です。もし主人公が殺害の被害者が自分だと気づけば、その時点でこの物語ののオチを知ってしまいます。もし仮名が使われていて、自分だと気が付かないなら、主人公は驚くはずです。誰か殺してたのか、と。いずれにしても、作中の主人公の反応は不自然です。
以上のように、両親や地方新聞社の社員や警察の刑事等々、直接は物語には登場していないけれど、物語の出来事からすると必然的に動いているはずのキャラクターの動向が、物語に反映されていないようなんです。少なくともそういう疑問が生じ、オチの見事さを減じるリスクがあります。
そうしたことを回避できそうなキャラクターが、物語には存在していますよね。悪魔です。あまり便利に動いてもらっても不自然ですが、多少超自然的な動きを見せてもおかしくはないでしょう。むしろオチを受け入れるための下地作りができるし、現状でもそういう雰囲気を出しています。
短い尺ですから、この悪魔にはもう少し役割を与えてもいいかもしれません。例えば、少しプロット的にいじらなければなりませんが、悪魔は既に「幼なじみ」との契約、依頼は済んでいて、それが「主人公を無事にオチへ導く」ことだったとかです。その場合、そのことが明らかになれば、悪魔が主人公の頼みにいろいろ条件をつけるのも自然にできます。
発端も、例えば、幼なじみが先に主人公の部屋をのぞき見し、いないはずの主人公に気が付いたとします。幼なじみが召喚した悪魔の契約条件は「精力」ではなく「生命」で、既に自殺を考えていた幼なじみが乗ってしまった、とかもできそうです。
以上は、この場の思い付きでベタ過ぎますが、いろいろ思いつける可能性を示したいということで、ご容赦を願えればと思います。作中のキャラを深く知る作者さんなら、もっと自由自在に、読者には思いがけなくて、しかし自然な運びを思いつけるはずです。
なお、細かい点で文章については、既に良感想で多少指摘がありますね。自分が気が付くものとしては、例えば「幼なじみは僕にとって、兄妹みたいな存在である」のような表現があります。これは「幼なじみは僕にとって、妹みたいな存在である」か「幼なじみと僕は、兄妹みたいな関係である」などでであるべきでしょう。
ですが、細かいことです。文字、単語レベルの最後の推敲でなんとでもなりますし、その程度のことで御作の面白さが削がれるわけでもありません。
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