最近では「プロになりたい人」でも、
まったくアドバイスが伝わらないと感じているので、
どのみち、伝わらないなら、「意見を欲しがっている方に」と思い、書きました。
ご要望に、応えられるといいのですが・・・・しばし、おつきあいください。
あと、大前提ですが、前作を読まずに、このプロットだけの判断となります。
・単純に面白そうか→
つまらないです。
それは、物語を作る「基本のルール」を、まだ理解されていないからです。
どう表現すれば、うまく伝わるか分かりませんが、
「構成」というか、「物語の流れ」がダメです。これは後ほど。
・小野寺という過激なキャラクターが受けるかどうか→
キャラが弱過ぎ。もっとヤなキャラに大振りすべきです。
ただし、最後は、超いい奴だと反転させるので、その部分を意識して作りましょう。
・掲載するなら前作と結合させてまとめた一つの作品にするべきか→
合わせない方がいいです。
テーマが違うものを結合すれば、物語の軸がブレて、破綻するのは明らかです。
・有名人が名前の由来のキャラクターをこんな待遇で扱っていいのか→
まんまでなければ大丈夫だと思います。
しかし、作者が気にしているようなので、やめておきましょう。
トラブルの元は、早めに摘んでおくに限ります。
さて、なぜ、つまらないのか?
このプロットの最大の欠点は、
南条瑞華の問題を、
洋久の叔母がしゃしゃり出てきて、
解決させてしまったトコです。
瑞華の「男性への苦手意識」は、
瑞華自身が、洋久と直接対峙して、
自分で解決しなければなりません。
彼女が、失敗に、失敗を重ねながらも、
男性への苦手意識を、自力で、克服していくのです。
第三者が出てきて、安易に解決させても、
読者には、何のカタルシスも与えられません。
要は、つまらない、ということです。
しかし、ほとんどの方が、
ここを逃げますし、書けません。
なぜなら、ここを考えるのは、難しく、面倒だからです。
二人を、しっかりと対峙させ、
解決させていく道のりは、決して容易ではありません。
まず、この物語を、冷静になって俯瞰してみましょう。
強い奴(洋久)に頭を下げさせるために、
さらに強い奴(叔母)が出てきて、力関係で謝罪させています。
この構図って、面白いですか?
面白く感じる構図とは、弱い奴(瑞華)が、
とても勝てないなさそうな強い奴(洋久)に挑戦せざるを得なくなり、
ボロボロになりながらも、最後は勝利を掴むことです。
では、この物語の本当の勝利とは、何でしょうか?
苦手な洋久に、謝らせることでしょうか?
瑞華が、男性への苦手意識を払拭することです。
つまり、引っ込み思案の瑞華が、
最後に、勇気を振り絞って、洋久に、声をかけることだと思います。
恋の告白まで行ってもいいと思いますし、
その手前でも、十分ではないでしょうか?
とりあえず、こんな感じだと思う、大雑把な流れを書いておきます。
こうしたらいいよ、というのではなく、
主人公が、自分で問題と対峙するって、こんな感じ?かな、という
例えだと思ってください。
そこで、理解しやすいかなぁと思い、設定を勝手に拝借しました。
もし、人の話を、勝手にイジ繰り回すな!と不愉快になられたら、すみません。
引っ込み思案な南条瑞華。
男性への苦手意識を治すために、荒療治としてメイドカフェへ勤めることに。
↑
この「メイドカフェ」という設定は、素晴らしいです。
なぜなら、引っ込み思案な彼女にとって、自ら動かなくても、
勝手に「個性豊かなお客様」が現れ、事件が起きてくれるからです。
ぜひ、個性的なお客様を創造し、瑞華を鍛えましょう。
ここだけで、十分面白い話が書けそうです。
そこに、瑞華の天敵、洋久が現れ、紅茶こぼすという、大失態をやらかす。
↑
この「瑞華」と「洋久」が、正反対の性格というのはイイです。
そして、個性的なお客様の頂点として、洋久を置き、ラスボスとします。
その失敗を機に、瑞華はメイドカフェを辞める。
↑
せっかく自信が付いてきた瑞華を、1回落とします。
しかし、常連さん達から励まされ、
「洋久に勝つこと」よりも、「自分を必要としているお客様のため」に復帰する。
↑
ここは、大切な部分です。
今まで、接客して来たお客様が、
まさか自分のことを、評価していたとはつゆ知らず、
その期待に応えようと、心機一転がんばる決意をします。
とはいえ、相変わらず、洋久のことは苦手で、
接客は他のメイドにまかせ、瑞華はそっと観察することにした。
そこから見えてきたのは、洋久の意外な一面だった・・・。
↑
洋久の意外な一面は、
まったく考えていませんが、ここが腕の見せ所です。
もしかして、嫌な奴だが、実はいい奴じゃないか?と、匂わす部分です。
ぜひ、面白いエピソードを熟考してみましょう。
また、ラストへの大きな伏線もここです。
そんなある日、店長から、洋久を接客するように命令が下る。
そして、再び、紅茶をこぼすという、大失態をやらかす。
しかし、洋久は怒らなかった。
それどころか、瑞華の火傷の心配を、本気でしてくれたのだ。
前の瑞華は、自分の一挙一挙動を美しく見せることに固執し、紅茶をこぼした。
しかし、今回は違う。ただのドジだ。
そして、熱い紅茶から、身を呈して洋久を守った。
同じように見えて、実は、本質は、まったく違っていたのだ。
洋久は、そういう部分を見抜いていた。
瑞華は、謝った。
洋久さんの一面だけを見て、ヤな奴だと、勝手に決めつけてました、と。
これをきっかけに、洋久も、自分の発言が原因で、
瑞華が、男性への苦手意識になったことを知り、謝るのだった。
そして、瑞華の口から、思いがけない提案がなされる。
大きな声で、お友達になりませんか!!と。
それは、瑞華が、生まれて初めて、男の人へ、アプローチした瞬間だった。
↑
同じ失敗を、もう一度繰り返すのが定番です。
同じ失敗に見えて、実は、本質が全然違うエピソードを考えます。
そこで、洋久は、実は、いい奴だった、と確信に至る部分です。
主人公が、まず自分の非を認め、その流れで洋久も謝るようにします。
二人の間に、人を挟まず、面と向かって、二人を和解させます。
そして、最後は、主人公が成長した証を見せます。
ここでは、引っ込み思案の瑞華が、大声を出し、
苦手だった男性へアプローチする部分です。
もちろん、ここは、なんでもいいのですが、
オープニングと真逆にした方が、対比が見えていいと思います。
と言う感じでしょうか?
もっと辻褄合わせが必要だとは思いますが、まあ、こんな所で許してください。
そして、これを基本として、
いろいろな設定や、エピソードを足して、膨らませていくといいでしょう。
何かしらの、ヒントは見つかりましたか?
それとも、例えが悪くて、果てしない闇に
迷い込んでしまった気分でしょうか?
いずれにせよ、どこか一部でも、お役に立てば幸いです。
さる・るるる様、初めまして。レスを頂きありがとうございます。
>>単純に面白そうか→つまらないです。
どうやらここまでのレスをまとめるとつまらないというのが民意のようですね。
ただありきたりだから、という理由ではないから説得力を感じるご意見です。
(私はありきたりだから、というのはつまらない理由にならないと思っています。最初の回答者様に無礼な態度で返信を書いたのはそれが理由です)
>>キャラが弱過ぎ。もっとヤなキャラに大振りすべきです。
どうやら過激すぎて受けないというのは余計な心配だったようですね。
むしろ弱いとまで言われるなら、もっと不謹慎な方向へ振りたいと思います。
>>このプロットの最大の欠点は、南条瑞華の問題を、洋久の叔母がしゃしゃり出てきて、解決させてしまったトコです。
この欠陥に関しては田中一郎様も似たような指摘をしていましたね……
書いていた段階では小野寺が主人公を食っているとは少しも思っていませんでした。
>>では、この物語の本当の勝利とは、何でしょうか?
>>瑞華が、男性への苦手意識を払拭することです。つまり、引っ込み思案の瑞華が、最後に、勇気を振り絞って、洋久に、声をかけることだと思います。
そうですね。仰る通りです(汗)そちらの方が読む側も面白いと思います。
>>そこで、理解しやすいかなぁと思い、設定を勝手に拝借しました。
>>もし、人の話を、勝手にイジ繰り回すな!と不愉快になられたら、すみません。
いや、大変助かります。
奈波や美樹が全く出てこないところは少し気になりますが、キャラクターの設定を遵守した上で書かれているので、好感の持てるプロットです。
(キャラクターを遵守するのは当たり前のことかもしれませんが、私はその当たり前のことをできない人をサイト内外を問わずたくさん見てきましたので……)
あとメイドカフェの選定が素晴らしかったというご意見はありがとうございます。
メイドカフェは単純に私の趣味で選んだのですが、結果的に理にかなっていたようですね。
最後になりますがご意見をありがとうございます。
このメイドカフェ編はプロットを作り直すのが確定していたので、プロットの例文まで作っていただき大変助かりました。