俳句添削道場(投句と批評)

北野きのこさんの添削最新の投稿順の6ページ目

「サングラス嘘で固めたシャイな奴」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: サングラス嘘で固めたシャイな奴

かぬまっこさん連投失礼します。
私の蟻の句へコメントを頂き、ありがとうございました。

実はあの句は誕生日祝いの宴会の翌朝の光景を想定して詠んだものなのです。
「酔っ払って寝てしまい、目覚めると酒瓶に蟻がいた」というようなイメージです。

この句の原型は「二日酔い」「誕生日」「空き瓶」などの言葉で具体的な状況説明をした句なのですが、それをかなり弄り回した後にできたという経緯があります。
私の中にも「ここまでやると情景が伝わらないかなぁ」という心配があった句なので入選に自分で驚いています。

助詞「に」についてですが、この添削道場でも説明的になり過ぎるきらいがあると話題に上る事が多いですよね。
そんな指摘を読んで私も「に」の使用にはかなり慎重になってはいるのですが…。

今回の二句でも、上五が「瓶の蟻」の場合と「瓶に蟻」の場合とで、どちらが良いか悩みました。
「瓶の蟻」の方が「瓶の中の蟻が歳を食った」という誤読を招きやすいのではないかと私は考たのですが、こちらが選ばれたのですよね(笑)

ひょっとすると、選者の夏井先生にも私の意図は伝わっていないのかもしれません。
是非入選の意図を聞いてみたい所ですが、コメントを貰うには地選以上に食い込まなければならないのですよね…。
道は遥かだなぁ…(苦笑)

点数: 2

「サングラス嘘で固めたシャイな奴」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: サングラス嘘で固めたシャイな奴

かぬまっこさんこんにちは。
どんな方を想って詠まれたのかな…。
末尾の「奴」に作者がこの人物に抱く思いが滲みますね。
「君」ともニュアンスが違ってきますね。

「サングラス」「嘘」「シャイ」辺りの語句にやや近しいイメージを感じるかもしれません。
「サングラス」は季語ですし…
「シャイな奴」を崩すとサングラスをかけた人物への純粋な罵りになってしまいそうな気もします…

中七を具体的な光景にしてみてはどうでしょう?
シャイな奴泳ぐ目線にサングラス

点数: 2

「思ひ過ぐ柳は風に揺るものと」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 思ひ過ぐ柳は風に揺るものと

東次郎さんおはようございます。
句の感想を述べさせて頂きます。
よろしくお願いします。

一読して「面白い目の付け所だなぁ」と思わされました。
コメントの通りに「風があって初めて柳は揺れていたのだなぁ。」と無風の今日を感じている作者が思い浮かびました。
揺れる柳を描写している訳ではないのに、作者を取り巻く季節を想像させられます。
「確かに大した感動もなく、揺れる柳を眺めてしまっていたなぁ」と読者もハッとさせられる句だと思います。

ご自身でもおっしゃられている様に上五に苦心の跡が滲む気がしますね。
私も文法や語彙に自信が無いので調べつつのコメント作成なのですが…

「思ひ過ぐ」は辞書によると「思う気持ちがなくなる。忘れる。(デジタル大辞泉)」という意味です。
なので掲句の倒置を解消して、散文に変換すると以下の様な内容になると思います。

「柳が風によって揺れるものであるという事を忘れる」

一方で東次郎さんが表現したかった内容はこんな感じだったのではと私は想像します。

「柳が風によって揺れるものであるという事を忘れていた」

「(忘れ)ていた」となれば「過去の時点から現時点まで忘れていました」と読者に伝えられると思います。
東次郎さんは忘れていた事柄を今日の光景から発見した、という感動を読み込もうとされたのではないでしょうか?

…さて、このニュアンスを古語の助詞で表現しつつ、17音に収めなければならない訳ですが(笑)

私の能力では動詞を変えなければ難しそうです。
東次郎さんの発想からずれてしまっていたら申し訳ありません。

思ひ出す柳は風に揺るものと
凪に知る柳は風に揺るものと

以上、長々と失礼しました!

点数: 4

「昼中の蟻ひとさし指の無慈悲」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 昼中の蟻ひとさし指の無慈悲

かぬまっこさんこんにちは。
俳句ポストの人選二句。
おめでとうございます!
「人選複数同時」達成ですね!
結果発表の時に自分以外の方の俳号でページ内検索するのも大きな楽しみになっています。

ハオニーさんのコメントに深くうなづいています。
私も客観視を求めている一人だという強い自覚があります。
人の俳句には好き放題言っている割には、自分の句に甘い気がしていて…(苦笑)
俳句ポストへも似た内容の句を投稿して、「どちらが良いか教えて下さい!」という使い方をしていたりします。
結果、両方没をくらったりするのですが…。

私なりの感想を述べさせていただきますね。
入選句は蟻についての描写がより丁寧である様に感じます。
「列」とあるだけで群を成した蟻が何か獲物を運んでいる事が伝わりますし、かたや「一匹の」では群を離れた蟻の様子に可愛らしさ、あるいは心細さを感じます。
より具体的な映像を想像させる力がこの辺りから湧いているのではないでしょうか?

「昼中の」がどの様な意図で斡旋されたのか…。
例えば上五が「夕暮れの」だったとしても読者の脳内に浮かぶ映像はそんなに変わらないような気がします。
必ずしもこの表現でなくても良かったのではないか、というのが私の感想です。

他の表現で蟻の様子、あるいは蟻を潰そうとしている人物の様子に迫れればより読者の想像を煽る句になったのではないでしょうか。

「無慈悲」から伝わる絶望についてですが、今回の兼題「蟻」への投句には暗い内容の句が多く寄せられていました。
入選句を明るい、暗いに二分するなら後者の方が多かったのではないかと思います。

ただ一直線にバッドエンドを迎えるだけではなく、一句の中に裏切りが含まれたり、作者の背景に思いを馳せてしまう余韻があったり。
ネガティブな内容も見せ方次第なのだなぁ、と色々勉強させて頂きました。

バッドエンド映画が結構好きな私は、選者が思わず選んでしまうような絶望的な句を詠んでみたいなと思ったりします。

点数: 1

「堪え難き挫折の朝を亀鳴けり」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 堪え難き挫折の朝を亀鳴けり

ハオニーさん雷鴫の句に添削を頂き、ありがとうございます。

上五についてですが、場所を斡旋する案もあったのですが、報告句の色が強くなると考えこれは除外しました。

句を詠むにあたって、まず雷鴫の飛ぶ様子を具体的に描写したいと考えました。
ところがその描写が雷鴫の生態の説明になってしまう危険を感じたのです。
「昼間に急降下する鳥なんだよー」と言っているだけになりそうで…。
ここに来てさらに上五に実景を加えるとなると、よほど印象的で雷鴫のイメージと響く言葉を選ばなければ句に広がりが出ないと考えました。

そこで、心情に思い切り寄せるフレーズを上五に斡旋した次第です。
実景の描写と心理の描写の両方として中七下五が作用してくれる事を期待しました。

また「雷鴫が俗情に染まる」とも
「俗情に染まった対象に向かって雷鴫が落ちる」とも読める様にしたいと考えました。
ただこれが表現全体をぼんやりとさせてしまった気もしています。

場所を斡旋する是非は再考するとして、私の投稿からあの短時間で「式場」が出てくるハオニーさんに脱帽です。
意外性を含みつつ、式場にいる人々の状況や心情に思いが至りますね…。

大変勉強になります。
今後もどうぞよろしくお願いします。

点数: 1

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