「昼中の蟻ひとさし指の無慈悲」の批評
回答者 北野きのこ
かぬまっこさんこんにちは。
俳句ポストの人選二句。
おめでとうございます!
「人選複数同時」達成ですね!
結果発表の時に自分以外の方の俳号でページ内検索するのも大きな楽しみになっています。
ハオニーさんのコメントに深くうなづいています。
私も客観視を求めている一人だという強い自覚があります。
人の俳句には好き放題言っている割には、自分の句に甘い気がしていて…(苦笑)
俳句ポストへも似た内容の句を投稿して、「どちらが良いか教えて下さい!」という使い方をしていたりします。
結果、両方没をくらったりするのですが…。
私なりの感想を述べさせていただきますね。
入選句は蟻についての描写がより丁寧である様に感じます。
「列」とあるだけで群を成した蟻が何か獲物を運んでいる事が伝わりますし、かたや「一匹の」では群を離れた蟻の様子に可愛らしさ、あるいは心細さを感じます。
より具体的な映像を想像させる力がこの辺りから湧いているのではないでしょうか?
「昼中の」がどの様な意図で斡旋されたのか…。
例えば上五が「夕暮れの」だったとしても読者の脳内に浮かぶ映像はそんなに変わらないような気がします。
必ずしもこの表現でなくても良かったのではないか、というのが私の感想です。
他の表現で蟻の様子、あるいは蟻を潰そうとしている人物の様子に迫れればより読者の想像を煽る句になったのではないでしょうか。
「無慈悲」から伝わる絶望についてですが、今回の兼題「蟻」への投句には暗い内容の句が多く寄せられていました。
入選句を明るい、暗いに二分するなら後者の方が多かったのではないかと思います。
ただ一直線にバッドエンドを迎えるだけではなく、一句の中に裏切りが含まれたり、作者の背景に思いを馳せてしまう余韻があったり。
ネガティブな内容も見せ方次第なのだなぁ、と色々勉強させて頂きました。
バッドエンド映画が結構好きな私は、選者が思わず選んでしまうような絶望的な句を詠んでみたいなと思ったりします。
点数: 1
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おはようございます🎵この句は松山俳句ポストで没になった句です。でも、私はこの句が一番自信がありました。入選句は
🔷蟻の列遮る石を置きにけり
🔷池の葉や一匹の蟻の狼狽
です。この二句と没の句と何が違うのか分かりません。
没の句は破調だからかな…。でも、内容からすると破調でもよいと思うのですが…。ご意見をお待ちしています。