「炎天や別れの会の黒ネクタイ」の批評
なおじいさんこんばんは。
勉強させて頂きます。
先の提案句、認めて頂きありがとうございました。
今回の御句、非常に悩みました。普通で考えて、著名人のお別れの会ですからそれなりの身支度で参列します。黒ネクタイは当たり前。作者は、その当たり前の事を何故ことさらに詠まれたのか?
ここが問題でした。なおじいさんだから余計に悩みました。
ひとつ思ったのは、著名人のお別れ会と言うことは、会場はやはりホテルとかのきちんとした場所の筈、当然会場内は冷房がしっかり効いている筈です。
と言うことは、これは会場内の事ではないと思いました。
そうだ!作者は、公共交通で会場へ行ったんだ。とすれば当然に駅から会場までを、この炎天下を歩いた筈。作者はきっとその時の事を詠まれたのだと思いました。ならば納得出来ます。
炎天や胸に重たき黒ネクタイ
炎天の黒ネクタイの重きかな
炎天や黒ネクタイの忌ま忌まし
駅から会場までの、わずかな距離ではあったが、この炎天下にやけに足取りが重く感じられた作者は、それが黒ネクタイのせいだと思えた。
のだと思いました。
お葬式であれ、通夜であれ、お別れ会であれ、黒ネクタイに変わりはないので省略しました。
この句では、炎天と作者と黒ネクタイの忌々しい関係だけで充分かと思いました。
よろしくお願いいたします。