「目で見るか音で感じる夜風かな」の批評
うううるさん初めまして。
つちや郷里と申します。
よろしくお願いします。
まず、「夜風」は季語なんですかね?私が調べた限りでは季語として出てきませんでした。「夏至夜風」という夏の季語はありましたが、「夜風」だけでは季語にならないと思います。
季語と詠んでいる季節は別にしても良いのかとのことですが、どの季節の季語を使って詠むかは個人の自由です。
しかし、基本的には今の季節の季語を使った俳句を詠むのが原則です。こういった、人に評価してもらう場では特に。
春前の夜風をテーマに詠んでいるとのことですが、「夜風」を夏の季語として詠んでいるみたいなので、矛盾が感じられます。
季語のことに関してここまで厳しく言うのは、俳句を詠むなら季語を一番に大切にしてもらいたいからです。
それと、読み手によって解釈がわかれる俳句もありますが、作者が伝えたいことと読み手の解釈が乖離してしまうのは避けた方がいいと思います(この句がそういう句だとは一概には言えませんが)。
長くなりましたが、御句について
俳句は遠回しに言うよりもストレートに。感覚ではなく、映像を読者に伝える方が大事です。
俳句は十七音しかありませんし、季語で五音分ほど使うので、自分の伝えたいことを表現するには実質的に十二音ほどしかありません。その中に「目で感じるか耳で感じるか」という二つの要素を入れることは難しいです。
添削するにあたって、私は「夜風」を季語だと認識できなかったので、新たに季語を付け加えさせていただきます。春前とのことなので「春隣」という季語を使ってみます。
・『木々揺るる音や春隣の夜風』
これは「句またがり」という技法で、五・七・五というリズムで区切らずに、「木々揺るる音や」という風に上五から中七の途中まで句をまたがって、一旦区切った後さらに「春隣の夜風」と中七の途中から下五までまたがるという技です。
中級者クラスの技ですが、覚えると便利ですよ。
これからもよろしくお願いします。
俳句作り頑張ってください。