俳句添削道場(投句と批評)

ハオニーさんの添削得点の高い順に並んでいます

「鑑賞お願い致します」の批評

回答者 ハオニー

添削した俳句: 鑑賞お願い致します

さすがですよ、この句は
言葉がただ並んでいるわけではありません

麦わら帽子に太陽の跡ということは、日焼けしないようにと麦わら帽子をずっと被っていたということです
麦わら帽子が日に焼けると、もちろん色あせますね
これが大事なところです

海の痕ということは、海で以前に何かあった証がその麦わら帽子にあったのでしょう
麦わら帽子に海の砂がついていたか、潮の匂いがしたか、そこは詠み手の想像に託したようですね

これは作者自身が小さいときに、海辺で磯遊びをしていたところを「麦わら帽子」の「あと」で表現しようとしたのだと思いました

麦藁帽に太陽の跡海の痕
なら言葉の上では三段切れではありませんが、わざと三段切れに見えるようにしているのでしょう
その理由は三段切れの効果にあります

よく嫌われている三段切れですが、それの何がいけないかご存じですか?
それは「調べの滞り」が生じることです
調べが滞ると、俳句らしくなくなるのです

しかし、過去を回想するような途切れ途切れの記憶を演出するのなら、三段切れは有効です
色あせてしまった過去の思い出と、日に焼けて海へ行ったときの証のある麦わら帽子との親和性がきちんと成立しているのです

しかも「の跡」「の痕」のリフレインと、「う」の音でリズムを取り返しに来ています

これで三段切れの弱点を解消しつつ、三段切れのいい効果を引き出すことに成功しているのです

点数: 8

寝ぼすけの手におろしたる夏大根

回答者 ハオニー

添削した俳句: 大根で人を殴って殺すかな

俳句は詩の一種ですから、なんらかの詩的な言葉は入れていただきたいです
しかも、俳句の世界で大根は「だいこ」と読むのが一般的なため、俳句を知らない人の作品であることが透けてしまいます
「だいこん」と読むこともできますが、おそらく「だいこ」と読むことを知らなかったと推測しています

作者さんに質問しなければ分からないことばかりですが、ここはもうわたしがこうだと仮定します

大根で人を殴る
→何らかの喩えである
→大根の持っている辛さが鼻を殴るかのような刺激である

そして、大根は冬の季語であるため、なんとか夏の季語にしてみます
夏に冬の句を詠むには、それ相応の実力が必要です

殺す、という動詞が俳句に似合わないのは、この言葉は強烈なイメージを持っているからです
その言葉をもて余す人が多いため、敬遠されています
だから使うのはやめましょう

手直しした句、読み方は
ねぼすけの てにおろしたる なつだいこ
です

正直、「深い意味はない」と言われても、だいたいの意味すら分かりませんでした

点数: 6

鬼おろし妻の笑顔の焦げ秋刀魚

回答者 ハオニー

添削した俳句: 焦げ秋刀魚無言の妻や鬼おろし

焦げ秋刀魚は美味しくなさそうだ、という感想から逆にこういう句を持ってくるあたり、ユーモアに優れている方だなと思っています

新婚ゆえの失敗に気まずそうにしている幼妻、なんとかその失敗を取り返そうとする申し訳程度に丁寧に添えられた鬼おろし、そんな光景が目に浮かびました
怒っているのは夫、もしくは姑さんあたりで奥さんではないと感じました

「怒り」につながりそうな表現はあるけれど、妻の「怒り」としての効果は発揮できていません
むしろ妻の「申し訳なさ」が際立っています

怒りや怖さを出すテクニックとして、逆に「笑顔」を入れて「焦げ秋刀魚」という言葉とのチグハグ感を出すものがあります
手直しした句は、その方法を実験的にやってみました

しかしこれだと、作者さんの「怒っているようにみえて、いつも通りにしてしまった」という句意ではなく、「怒っていないようにみえて、実は怒っている」というものになっています

点数: 6

「わけもなく悲しくなりて濃紫陽花」の批評

回答者 ハオニー

添削した俳句: わけもなく悲しくなりて濃紫陽花

季語が動く理由は割と簡単です
季語を含まないフレーズが、狙い通りの季語を引き寄せられていないからです
わけもなく悲しくなるのなら、「原爆忌」も「七夕」もなんでも引き寄せます
少なくとも「紫陽花」である必然性がひとつは欲しいものです

紫陽花は濡れると魅力的な花です
ならば「涙」ではっきりと濡らしてみせましょう

わけのなき涙ありけり濃紫陽花

私ならこんな感じで距離感を調節します

点数: 6

ひぐらしに構うことなき日暮れかな

回答者 ハオニー

添削した俳句: ヒグラシもくそもあるかよ暮らせない

脇道とおっしゃっていた
「ヒグラシに構う暇はない日暮れ」
という句、なかなか味がありますね

ヒグラシが鳴けど日暮れはやってくる、ヒグラシの哀しさやら儚さやらを表現しようとしているいい句だと思っています
日暮れの中を寂しげにヒグラシが鳴く、わたしはこれが一番気に入りました

手直しはしましたが、自由律俳句ではないです
自由律は基本の型を知った上での挑戦です
ご検討を祈ります

点数: 5

ハオニーさんの俳句添削依頼

最新の投稿順に並んでいます。回答が付いた投稿が先頭に移動します。

カーナビのかすかな狂い遠花火

回答数 : 2

投稿日時:

行けど行けどトロッコ列車遠花火

回答数 : 4

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水温む三十八度線あたり

回答数 : 49

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陽炎や連敗後のホームゲーム

回答数 : 11

投稿日時:

添削の礎いずこ蝉時雨

回答数 : 18

投稿日時:

ハオニーさんの添削依頼2ページ以降を見る

その他の添削依頼

新緑や覆ひのなかにの宮大工

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子に全て飲まれてしまひ卵酒

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投稿日時:

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