「始業ベル走る校庭桜しべ」の批評
回答者 みつかづ
こんばんは。貴句、拝読しました。
先輩の皆さんが既にお書きですが、誤解が無い様に一応念の為。
三段切れはダメだと皆さん仰られている訳ではありません。
江戸時代の俳人である山口素堂の有名な俳句「目には青葉山ほととぎす初鰹」は三段切れ、且つ季語3つの季重なりです。
又、もしダメならば、拙句の以下の2つが三段切れですので三段切れを解決を主にする様な添削が入る筈なのですが、入っておりません。
窓の外ながめしとしと散らぬ花
https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/haiku/corrections/view/24848
増す陽気おむつ卒業パンツの夜
https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/haiku/corrections/view/24625
↑これは季語に対して「力が弱いのではないか?」という点から幾つもの添削が入っており、結果として添削句は三段切れが解決されておりますが、三段切れにそのものについての指摘は少数でした。
繰り返しますが、ダメなのではなく「成功させるのが難しい技術である」と先輩方はご存知なのです。「1つの光景や感情を描き出したいけど、三段切れにしないと誤読されたり読者を迷わせてしまう危険性が高い」様な場合、避けようが無いので仕方なく使う、という感じ、でしょうかね。
擬人化、比喩、季重なり・季違い、動詞の多用についても同じですが、ご自身の心に嘘をついてまでそれらをタブー視するのも又、良くないですし。
さて、前置きが長くなりましたが本題です。
「桜蘂」という季語については、どちらかというと儚さ等の印象を読者は抱くので、季語を変えるのは一案としてあるのではないかと私は思いました。
作者コメントだけでは誰が遅刻したのか、1人なのか複数人なのか、小学校、中学校等のどの位か分かりませんけども、取り敢えず提案句。
・朝東風(あさごち)の駆け込む子らに始業ベル(遅刻したのが児童・生徒の想定)
・春眠の教師の遅刻始業ベル(遅刻したのが教師の想定)
1点アドバイス。
上達する上では失敗は避けられません。先輩方も何度も失敗なされてはそこから学び取り、糧になさって現在に至っておられる訳です。その際、添削においては「この句で作者が何を伝えたいのか?」を具体的に詳細にお書きになりませんと、添削ではなく改作しかできなくなります。作者コメントと句にどれ程の乖離があるのか判断できませんからね。
又、作者コメントをご自身でしっかりお書きになりますと、作者コメントの要約が句として成立しているか?という観点を持てる様になっていく訳です。
以上、長文失礼致しました。一緒に励みましょう。
点数: 2
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遅刻して始業ベルが鳴る中桜しべの校庭を走ります。