俳句添削道場(投句と批評)

北野きのこさんの添削得点の高い順の2ページ目

「アポロビル件の葱の談義かな」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: アポロビル件の葱の談義かな

酔いどれ防人さん、こんにちは。

アポロビル!
私にとってはあの辺りは思い出の宝庫です。
子供の頃映画に連れて行って貰ったり…書店で参考書を買ったり…ゲームセンターで不良に絡まれたり…(笑)
この場でこんな単語に出会うとは予想だにしませんでした。

…ローカルトークに熱が入ってしまい申し訳ありません。
句の感想ですが、皆さんご指摘の通り句意の通りづらさが否めないと思います。

私の様に「アポロビル」という固有名詞に確かなイメージを抱く人間でも、「葱の談義」との距離を埋められませんでした。
私の知る限りアポロビルには葱に関連する要素がかなり薄いと思いますし…。
馴染みの無い方では尚更だと思います。

単純な関西の情報からもう一歩踏み込んで、「他の地方の人が関西にやって来た」と示す流れに持ち込むのはどうでしょう?
先の句でも提案されていた様に、東西対立(?)の様な状況を明確に伝えなければならないと私も思います。

アポロビル自体は遊戯施設や書店、飲食店などが入った総合商業施設であり、空港からのバスの発着点や鉄道駅も近い場所です。
色々な目的で訪れる人が行き交う場所なので、情景を絞り辛くなっているのではないでしょうか。

大阪に降り立ちざまの葱談義
新大阪駅あの葱談義の再燃

先述の通り、アポロビルは伊丹空港からも新大阪駅からも、まずまず行きやすい立地となっております。
近くには通天閣や仏閣、動物園も!
皆さまオフ会や吟行の際にはご贔屓くださいませ(笑)

点数: 3

「雪華降り頭に飾り歳をとり」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 雪華降り頭に飾り歳をとり

九造里子さん初めまして。
よろしくお願い致します。

私も北国住まいですので、他の皆さんの春の俳句を拝見して羨ましく思っています。
暦の上では春なので春の季語で作句しようと思うのですが、目の前が雪で真っ白だと難しいです(笑)

一方、北国ならではの春が詠めれば素敵かもなとも思ってもいます。

さて掲句の感想を述べさせていただきます。
一読してみて、省ける言葉が多くあるなと感じます。

「雪で髪が白くなった」という意味が伝われば
「雪が降ったこと」「頭を白く飾った」事は自明なので「降り」「飾り」は省けそうです。

また「雪華」という表現にも再考の余地があると私は思います。
美しい表現ですが、前後の内容や字面とマッチしていないとチグハグな印象を読み手に与えかねません。
字数稼ぎだと思われては勿体ないです。

髪が白くなった事を伝えられれば「歳をとり」も推敲できそうです。

極端な話「雪に白き髪」くらいでも掲句の内容を伝える事ができてしまうと思います。
空いたスペースで、九造里子さんなりのオリジナリティが出そうな単語を組み合わせられたら素敵ですね!
「言うは易し」ですが(笑)

私は「5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)からヒントを探すと良いよ」と教わった事があります。
九造さんの発想から離れるので、添削ではありません…

雪の街独り行く吾の髪白し
雪の朝忘れん坊の髪白し
雪の夜や駆け来る君の髪白し

長々と失礼しました!

点数: 3

「鶏の声高らかに梅雨明の朝」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 鶏の声高らかに梅雨明の朝

塩豆さんこんばんは。
いつもお世話になっております。
九州の大雨特別警報のニュースを見て、とても心配しています。
現地の情報を見聞きする度に胸が苦しくなります。
塩豆さんもぜひお気を付け下さい。

腹胃壮さん北海道の私にも心配りを頂きありがとうございます。
私の住む地域は小雨程度の降雨しか無く、いたって平和です。
道内の離れた場所に住む友人の家の周りでは被害が出ているようですが…。
皆さん何卒ご注意下さい。

さて掲句の感想を述べさせて頂きます。
季語と聴覚に訴える表現の効果で作者の実感が伝わってきます。
きっと晴れ晴れとした気分で一日が始まるのでしょうね。

「高らか」「鶏」「声」「梅雨明け」「朝」…それぞれにややイメージの重なりがある気もしますが、削りすぎたり、ゴテゴテと言葉を盛ったりしてはすっきりとした雰囲気を損なうとも思いました。

すっきりと気持ちの良い印象を強調するために句またがりを回避してはどうでしょうか。

梅雨明や一番鶏の高らかに

先日塩豆さんが議論されていた「や」の後が体言止めで終わらないパターン。
しかも連用形にして、続く動詞を想像させる形ですね。
成功すれば余韻を作り出せると思っていて、私は嫌いではないのですがいかがでしょうか。

…と、ここまで書いてから掲句の「高らかに」は「声」を修飾するものではないのでは、という考えが浮かんできました。

鶏の声/高らかに梅雨明けの朝

という切れがあると考えると、後半以降を修飾していると考えるのが正解…?
「梅雨明けの朝が高らかにやってきました!」という内容だと仮定して、もう一案考えてみました。

高らかな梅雨明け空や鶏の声

どちらが正解かな?(どちらも不正解!?)
以上長々と失礼しました!

点数: 3

「指折りて二色足らずや虹薄れ」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 指折りて二色足らずや虹薄れ

なおこさん初めまして。
句の感想を述べさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いします。

「私にはどうしても虹は五色にしか見えない」とのコメント、とても面白いと思います。
俳句ポストにも「虹に何種類の色を見出すかは国や文化によって様々」という様な記述がありましたし、
「私にはこう見える!」という感覚の独自性を句の前面に押し出すべきだと思います。

また指折り数える様子を描写する事で場面にリアリティが生まれていると私は思います。
「私の国では虹は五色と言われているのです」
ではなくて、
「今私の目の前に虹があります!数えてみたら色は五種類でした!」
と言っている訳なので臨場感がずっと増すのだと思います。

この独自性と臨場感を大切にするのであれば、「数えた結果5色だった!」という瞬間に限定して描写を推敲すべきではないでしょうか。

俳句ポストの選者の夏井先生が以前
「短い俳句の音数の中に時間の経過を詠み込むのはとても難しい事です」
とおっしゃっていました。

掲句の下五の「薄れ」は読者の脳内に時間経過を想像させると思います。

「美しいはっきりとした虹を発見したので色を数えてみた」
→「数えてみたら五色でした」
→「そうこうしてる間に虹が薄れてきました」
という風に。
ここを推敲すべきだと私は思います。

指折れど二色足らずや遠き虹
指折りて数えど虹は五色なり

なおこさんの発想からは遠ざかりますが、何色が見えないのかはっきりさせるのも一つの手かな、と思いました。

橙と藍は無いよと虹睨む

点数: 3

「海の日や籠一杯のミニトマト」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 海の日や籠一杯のミニトマト

白井百合子さんお久しぶりです。
山本海苔のページでお名前を拝見して、嬉しい気持ちになっていました。

お互いマイペースに俳句修行を楽しみましょう!

掲句は「海の日」と畑の作物の取り合わせですね。
俳句ポストの兼題「海の日」に取り組んでいる時に「陸のものと取り合わせたらどうかなー」と考えたりしました。
中々難しかったのですが(苦笑
近過ぎたり、遠過ぎたり、なかなかちょうど良い距離に定まらないのですよね…。

私は海の日とミニトマトは遠すぎるかなと思ったのですが、
人によっては畑や山で過ごす海の日も勿論ある訳ですし…
トマトが異国からもたらされた経緯に思いを馳せてみたり…
困難ですが面白い試みだと思います。

また添削道場でお見かけできるのを楽しみにしていますね。
(私もいなくなりがちなのですが…)

点数: 3

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