俳句添削道場(投句と批評)

北野きのこさんの添削得点の低い順の14ページ目

「秋近し上川盆地の朝ぼらけ」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 秋近し上川盆地の朝ぼらけ

腹胃壮さんこんにちは。
ご無沙汰しております。

初めてお目にかかる皆さん、どうぞよろしくお願いします。

皆さんのご指摘、ご添削それぞれに深く頷いております。
掲句を一読して、上川地方の豊かな農地の光景が私の脳内には鮮明に再生されました。
私は北海道在住で上川地方にもこれまで色々な形で訪れています。
夜通しの長距離移動をして、明け方に上川辺りで美しい田畑を眺めた大昔の思い出が蘇りました。

ただ、映像が具体性を持つか否かはやはり固有名詞への親しみの度合いに大きく左右されてしまうと思います。
もしも東北の米所を詠んだ句であれば、私にはそれほど大きな共感やリアリティを得られなかったはずです。

そう言った意味でもより広い層に映像を届ける工夫は求められるのでしょう。
またそうする事が、固有名詞への関わりが比較的深い読者の心をより強く打つ句を目指す事にもなるのではないでしょうか。

「米」「田」「農夫」「トラクター」など具体的な映像化に寄与するワードを盛り込もうと試みましたが、音数調整が中々難しいですね。
私も「北海道の上川」である事は明示したい気がするので、なおさら困難です。
固有名詞の代替案として「宗谷本線」「道央道(道央自動車道)」なども考えてみましたが、ここまで来るとクイズの域に達してしまいそう(笑)

以上を踏まえてハオニーさんの「品種名」という発想には大変驚きました。
舞台が北海道である事を押さえつつ、五感にリアルに訴える内容だと思います。

私からは感想しか申し上げられず、恐縮です。
今後も勉強させていただきます。

点数: 3

「リクルート輝くスーツ君眩し」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: リクルート輝くスーツ君眩し

Beginnerさん初めまして。
よろしくお願いします。
感想を述べさせていただきます。

私もこの句は無季なのかなー、と思います。
街中なら年中リクルートスーツの学生さんを見かける気がしますし…。
無季にする積極的な意図が無いのであれば、季語を入れるだけで光景を鮮明にできるかと思います。

コメント欄にリクルートスーツについての言及がありましたので、句の中の「リクルート」と「スーツ」もまとめてみてはいかがでしょうか。
「recruit」ひと単語だけだと「新人、新入生、新兵」といった意味ですし、会社名が思い浮かぶ人も多い気がします。

リクルートスーツの君や風光る

上五中七の内容からもっと離れたイメージの季語を取り合わせて、大胆な場面転換にしても面白いかもしれませんね。

点数: 4

「思ひ過ぐ柳は風に揺るものと」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 思ひ過ぐ柳は風に揺るものと

東次郎さんおはようございます。
句の感想を述べさせて頂きます。
よろしくお願いします。

一読して「面白い目の付け所だなぁ」と思わされました。
コメントの通りに「風があって初めて柳は揺れていたのだなぁ。」と無風の今日を感じている作者が思い浮かびました。
揺れる柳を描写している訳ではないのに、作者を取り巻く季節を想像させられます。
「確かに大した感動もなく、揺れる柳を眺めてしまっていたなぁ」と読者もハッとさせられる句だと思います。

ご自身でもおっしゃられている様に上五に苦心の跡が滲む気がしますね。
私も文法や語彙に自信が無いので調べつつのコメント作成なのですが…

「思ひ過ぐ」は辞書によると「思う気持ちがなくなる。忘れる。(デジタル大辞泉)」という意味です。
なので掲句の倒置を解消して、散文に変換すると以下の様な内容になると思います。

「柳が風によって揺れるものであるという事を忘れる」

一方で東次郎さんが表現したかった内容はこんな感じだったのではと私は想像します。

「柳が風によって揺れるものであるという事を忘れていた」

「(忘れ)ていた」となれば「過去の時点から現時点まで忘れていました」と読者に伝えられると思います。
東次郎さんは忘れていた事柄を今日の光景から発見した、という感動を読み込もうとされたのではないでしょうか?

…さて、このニュアンスを古語の助詞で表現しつつ、17音に収めなければならない訳ですが(笑)

私の能力では動詞を変えなければ難しそうです。
東次郎さんの発想からずれてしまっていたら申し訳ありません。

思ひ出す柳は風に揺るものと
凪に知る柳は風に揺るものと

以上、長々と失礼しました!

点数: 4

「木々流る車窓に虹のうすれ際」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 木々流る車窓に虹のうすれ際

かぬまっこさんこんにちは。
俳句ポストの人選おめでとうございます!

掲句ですが、上五の「流る」が気になりました。
終止形が切れを生じさせると思うのですが、木々が流れていくのも虹が薄れ際を迎えているのも車窓から望む景色ですよね。
切れの前後で視点が行ったり来たりする感じを受けました。

「流るる」と連体形にしたとしてもやはり景色→窓→景色という行ったり来たりは読者が映像を思い描く作業を妨害すると思います。

また読者によっては濁流に流される木々を想像するかも…(私は想像しました)

乗り物の種類や走っている場所を記述するのはどうでしょうか?
虹を見ている人物の状況や、虹の様子がより具体的になると思います。

森を抜け車窓に虹の薄れ際
峠越ゆ車窓に虹の薄れ際
ケーブルカー窓に夕虹薄れ行く

点数: 4

「蒼天やあか勝てしろ勝て梅の花」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 蒼天やあか勝てしろ勝て梅の花

森教安さん初めまして。
句の感想を述べさせて頂きます。
よろしくお願いします。

梅が競い合うように咲いている光景ですね。
競い合う様子を描写する事で、梅の木が複数ある事、溢れるばかりに咲き誇っている事が読み手に伝わると思います。
実は私はまだ今シーズンの梅を拝めていないので、大変羨ましく思います。

一方で情報が沢山盛り込まれているので、やや窮屈な印象も受けました。
「蒼」「あか」「しろ」と続くと、賑やかになり過ぎるのかなと思います。
また「蒼天」を春の季語としている歳時記もあるようです。
https://www.weblio.jp/content/%E3%82%BD%E3%82%A6%E3%83%86%E3%83%B3

「蒼天」を使った春以外の季節の句もあると思うので、正直気にしなくて良いとも思うのですが…

色彩の重なりを解消して情景をすっきりできないかな、との考えで作った添削案です。
空の青さについては、読み手が想像してくれる事を期待しました。

空に梅弾けるあか勝てしろも勝て
梅薫る空は紅白合戦場

点数: 5

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