俳句添削道場(投句と批評)

北野きのこさんの添削得点の高い順の11ページ目

「明易きマーフィ岡田の笑顔かな」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 明易きマーフィ岡田の笑顔かな

腹胃壮さんおはようございます。
句の感想を述べさせて頂きます。

句の中で「マーフィ岡田」が異彩を放っていますね。
私もどなたか分からず、ネットで調べてみて「あぁこの人ね!」となりました。
顔写真を見れば分かる方も多いのではないでしょうか。

こういった「調べなければ分からない人が多いであろう語句」を使う是非、私も作句の際によく考えます。
平易な言葉のみで構成された句に好感を覚える一方で、調べてもらってでも使いたい言葉があるのも確かだと思うのです。

固有名詞など特にそうです。
私にとっては季語の多くだって「調べなければ分からない語句」です。

ネットへの接続が容易な時代。
ある程度「読む際に調べてみてちょーだい」と投げ掛けるのは私はありだと思うのです。
その気が無い読者にスルーされてしまうのは覚悟した上で。

その上で、この句については「マーフィー岡田」以外の部分で光景を明確にすべきではないでしょうか。
マーフィ岡田さんが目の前にいるのか、画面内にいるのかを明示すべきだと私は考えました。
後者だと私は読んだのですが…。

どんな方かが分かれば笑顔や明朗な声色は自然と思い描けるかな、と思い下五を推敲しています。

季語「明け易き」の短い夜を惜しむ雰囲気と、「マーフィ岡田」の明るさとの対比を「かな」でふわりと受ける流れはとてもマッチしていると思います。
夜明けの小部屋で、何だか物悲しい気分でテレビ画面を見つめる人物を想像しました。

スタイル抜群の美男美女がエクササイズ器具を宣伝している光景を「明け易し」にぶつけるのも面白いと思うのですが、字数的に難度が高くて私には無理そうです。
マーフィー岡田さんの内包するパワーに頼ります(笑)

明け易き画面にマーフィ岡田かな

ちなみにご本人のツイッターアカウントでは「マーフィー岡田」との表記になっているのですが、「マーフィ」と改めたのは音数の問題からでしょうか。
表記の変更の是非については、また別の議論が必要かなとも思います。

点数: 1

「汝は青く固く酸つぱき李かな」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 汝は青く固く酸つぱき李かな

おせっかいさんこんにちは。
私の赤潮の句にコメントをいただき、ありがとうございました。

個人的には「赤潮の海という自然現象を嘆く気持ち」が伝わる事が最重要だと考えていました。
また「主観を排し、光景の描写に重きを置くこと」との指摘を受ける事が多かったので、おせっかいさんの添削は私にとってかなり斬新でした。

私自身もあの句に関しては「もっと主観を排除しなければ」と考えているのですが、違う視点からのご指摘をいただけた事は大変嬉しいです。
今後もどうぞよろしくお願い致します。

さて、掲句の感想を述べさせていただきます。
李を修飾する語がそれぞれ視覚、触覚、味覚に訴える内容である点は、李を多角的に描写をする為に工夫をされたポイントなのではと考えました。
しかし、他の方のコメントにもあります様に「未熟な李」を提示してしまえば、省略可能な描写も含まれていると思います。

また「汝」という代名詞と、「汝は◯◯な李みたいだ」という比喩だけで句が構成されているため、明確なイメージを想像しづらく感じます。
「汝」といういかにも厳しい言葉から「李」へ続く意外性で想像が広がる部分はありますが、やはり「汝」の正体が漠然としていると私は思います。

また比喩として使用した事で「李」が光景の具体化に寄与しづらくなっているのではないでしょうか。
李は比喩ではなく実際に存在しており、作者が李を「汝」と擬人化して語りかけている、という可能性も考えてみましたが、謎が深まるばかりでした…

私も無季俳句や自由律俳句を否定する立場ではありませんが、定型から外れる際には定型から外れる事で生じるデメリットを何らかの形で補完する必要があると考えています。
今回の句に関しては季語として主役を張る器であった「李」の力が削がれているのに、十分なフォローが無い様に感じるのです。

この句がどの様な情景を詠んだ物なのか、想像する事が私には困難なので、添削も困難でした。
好き放題言うだけ言っておいて、大変恐縮です。

点数: 1

「忘らるる身の儚さよ秋扇」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 忘らるる身の儚さよ秋扇

唯我独善さんこんにちは。
秋扇の句、推敲されたのですね!
生々しい心情が感じ取れる句に変化したと私は感じます。

先に投稿された句へのコメントで、私は「ある状況と季語秋扇をぶつけているのではないかと妄想した」と申し上げました。
妄想していたのはまさに掲句の様な寂しげな情景でした。
この文脈であれば「る」は受身の助動詞なのだろうと察しがつきます。
古語や「扇」の効果で雅な雰囲気も漂うと思います。

ただ上五中七が扇を説明していると取られて「季語の説明をした句」と読む事も可能です。
今となっては孤独になってしまった人物を具体的に示してはいかがでしょうか。
孤独な状況と季語の本意から「この人は自分の儚さを嘆いているのかもなぁ」と読み手が想像してくれれば、大成功だと私は考えます。

忘られて部屋に一人や秋扇

動詞を変えた案も考えてみましたが、若干執念めいたイメージになってしまい、掲句の「儚さ」からは離れてしまいました。
添削とは言えませんが…。
忘れ得ぬ二人の旅路捨扇
忘れ得ぬ鍵の在処よ秋扇

単語間に意味の重なりがまだまだありそうです…

点数: 1

「稗付いてゐるふりふりのお洋服」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 稗付いてゐるふりふりのお洋服

塩豆さんこんにちは。
私の投稿にコメントを頂き、ありがとうございました。

掲句について、私は「お洋服」が効いているなぁと思いました。
ただの洋服ではなくて「お洋服」なので育ちの良い御嬢さんのイメージが湧きました。
そんな人物と季語「稗」のギャップも面白いです。

私にはこの季語に関して貧しさや生活の厳しさとリンクするイメージがあります。
「お洋服」を着ている裕福な女の子との対比で、読み手の生活の苦労が浮かび上がる様に思いました。
この読みは私の個人的な僻み根性からかもしれませんが(笑)

ただ「お洋服」と「ふりふり」は若干意味の重なりがある様にも思いました。
この辺りの推敲で「稗」と「お洋服」を取り合わせる必然性を読み手に伝えて頂けると良いのかなぁ、などと思いました。
言うは易し、ですが…。

末尾ですが、俳句ポストの人選おめでとうございます!

点数: 1

「油照細き二の腕にタトゥー」の批評

回答者 北野きのこ

添削した俳句: 油照細き二の腕にタトゥー

腹胃壮さんこんにちは。
私の投稿にコメントを頂き、ありがとうございました。
ブギウギ専務はいつになったら納沙布岬に到達するのでしょうね。
私は釧路〜根室の牧草地地帯でちゃんと撮れ高を確保できるのか、勝手に心配しています(笑)

さて掲句の感想を述べさせていただきます。
「刺青ではなくタトゥーとした良さ」という酔いどれ防人さんの指摘に私も賛同します。
「油照」と「刺青」だと任侠映画のワンシーンの様なイメージになっていたと思います。
暑苦しい日中に露出度の高い服装をしている若者を想像しました。

字足らずに関してはやや不穏な雰囲気を演出するための狙いなのかな、と考えました。
なので不健康な痩せ方をした人物の二の腕を私は想像しました。
気怠く、暑苦しく、不満はあるけどわざわざ立ち上がるのも億劫…

私の抱いたイメージ、腹胃壮さんのイメージに合致しているでしょうか?

「二の腕に」という表現に関して、「二の腕の」としてはどうでしょうか?
「に」の場合続く動詞を想像します。
「二の腕にタトゥーを入れる」
「二の腕にタトゥーを見つける」

「の」の方が体言止めの効果が際立つと思うのですが、いかがでしょうか。

点数: 1

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