「堪え難き挫折の朝を亀鳴けり」の批評
回答者 北野きのこ
添削した俳句: 堪え難き挫折の朝を亀鳴けり
ハオニーさん雷鴫の句に添削を頂き、ありがとうございます。
上五についてですが、場所を斡旋する案もあったのですが、報告句の色が強くなると考えこれは除外しました。
句を詠むにあたって、まず雷鴫の飛ぶ様子を具体的に描写したいと考えました。
ところがその描写が雷鴫の生態の説明になってしまう危険を感じたのです。
「昼間に急降下する鳥なんだよー」と言っているだけになりそうで…。
ここに来てさらに上五に実景を加えるとなると、よほど印象的で雷鴫のイメージと響く言葉を選ばなければ句に広がりが出ないと考えました。
そこで、心情に思い切り寄せるフレーズを上五に斡旋した次第です。
実景の描写と心理の描写の両方として中七下五が作用してくれる事を期待しました。
また「雷鴫が俗情に染まる」とも
「俗情に染まった対象に向かって雷鴫が落ちる」とも読める様にしたいと考えました。
ただこれが表現全体をぼんやりとさせてしまった気もしています。
場所を斡旋する是非は再考するとして、私の投稿からあの短時間で「式場」が出てくるハオニーさんに脱帽です。
意外性を含みつつ、式場にいる人々の状況や心情に思いが至りますね…。
大変勉強になります。
今後もどうぞよろしくお願いします。
点数: 1